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浮雲2016年03月15日 12時23分42秒

風も吹くなり
雲も光るなり
生きてゐる幸福(しあわせ)は
波間の鷗のごとく
漂渺(ひょうびょう)とたゞよひ
生きてゐる幸福は
あなたも知ってゐる
私もよく知ってゐる
花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり

    林芙美子


浮雲。(うきぐも。うきくも、ふうんとも読みます)
意味は
空に浮かび、風に従って動く雲
物事の落ち着きがなく不安定なさまのたとえ。また、はかなく頼りないことのたとえ

「浮雲」といえば思い出すのは二葉亭四迷の長編小説(1887~1889年発表)ですが、明治20~22年の作品です。私は読んだ記憶がありません。多分学校の教科書で教わったのでしょう。

あと一つ思い出されるのは1951(昭和26)年に刊行された林芙美子の小説です。1955年に森雅之、高峰秀子の主演で映画化されました。(下の写真は映画「浮雲」から)
林芙美子は13歳の頃から、尾道市立高等女学校を卒業した19歳頃まで広島県尾道市で過ごしています。
私は小学校4年生から中学2年生迄尾道市因島(当時は因島市)に住んでいた関係もあってか、林芙美子の「浮雲」や「放浪記」は読んだ記憶があります。
映画「浮雲」は見ていませんが、高峰秀子さんは有名なので知っています。
(上の写真は以前尾道の千光寺公園へ行った時に撮ったものです)


「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」
林芙美子が色紙などに好んで書いたフレーズですが、映画「浮雲」の最後のシーンで流れる言葉です。
この短詩は長い間原典が謎とされていたものですが、今では、友人の翻訳家・児童文学者である「村岡花子」に贈った未発表の詩であったことがわかっています。
2014年上半期のNHK連続テレビ小説として放送された「花子とアン」は、「赤毛のアン」の日本語翻訳者である村岡花子の半生を原案とした作品です。

「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」が独り歩きしていますが、原典では「苦しきことのみ多かれど」でつなげて「雲も光るなり」で結んでいます。
私個人の考えですが、(自らと)村岡花子さんを励ますために贈った詩なのではないでしょうか?
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