Google
WWW を検索 ほしのつぶやき を検索

没後500年記念「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」2017年08月22日 21時39分12秒

横浜駅東口のそごう美術館で「没後500年記念『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』」が開催されています。
没後500年記念「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」
レオナルドは、膨大な量の手稿(観察や実験の記録、思いついたアイデアなどをメモした自作ノート)を遺しました。数十年にわたって綴られた手稿には、機械工学、航空力学、天文学、幾何学、建築、解剖学、自然科学など広範囲にわたる研究がデッサンとともに鏡文字で記されています。

本展では、レオナルドの手稿の最新研究成果に基づく模型を制作したフィレンツェの工房「Artisans of Florence(アーティザンズ・オブ・フローレンス)」の協力により、有名な発明品の数々、「バネ仕掛けの自動車」、「グライダー」、「空気スクリュー」、「ロボット・ドラマー」など、大型模型60余点が展示されています。
主な展示は、フィレンツェの「Artisans of Florence」制作の大型模型と、その基となった手稿で構成されています。

展示は前期と後期に分かれています。
前期:子どものためのレオナルド・ダ・ヴィンチ 8月2日(水)~9月10日(日) 
後期:おとなのためのレオナルド・ダ・ヴィンチ 9月12日(火)~10月15日(日)
前期は夏休みということもあり、ジュニアルームの開設などお子様が楽しめる内容に、後期は模型の元となった手稿の謎を解き明かします。

①自然からの応用 水力学
②飛行についての研究
③動く ロボット工学
④音を出す 楽器
⑤物理学の原理 一般機械
⑥応用技術 軍事用機械
の6つのテーマに大きく分けられ、前期、後期で一部展示替えが行われます。

①自然からの応用 水力学 から
外輪船(Paddle Boat)1984~1986年頃
外輪船(Paddle Boat)
レオナルドの課題の一つは、船の規則的な航行とスピードを高めることでした。
船体は魚の形をモデルにし、大きな外輪を装備することで櫂の往復運動の能率を大いに高めました。
外輪船(Paddle Boat)

②飛行についての研究 から
グライダー(Glider)1493~1495年頃
グライダー(Glider)
パイロットが体重を移動させることで機体の方向を変えるという点で、現在のパラグライダーと同じです。
グライダー(Glider)

空気スクリュー“ヘリコプター”(Aerial Screw)1489年頃
空気スクリュー“ヘリコプター”(Aerial Screw)
現在のヘリコプターの先駆けになるものと考えられています。
空気スクリュー“ヘリコプター”(Aerial Screw)

羽ばたき飛行機“オーニソプター”(Ornithopter)1485~1487年頃
羽ばたき飛行機“オーニソプター”(Ornithopter)
パイロットは腹ばいになって両足をあぶみに掛け、片方は翼を持ち上げ、もう片方は翼を下げます。
羽ばたき飛行機“オーニソプター”(Ornithopter)

③動く ロボット工学 から
ロボット騎士(Robot Internal Mechanisms)
ロボット騎士(Robot Internal Mechanisms)
レオナルドは解剖研究から、人体の機構は完璧な梃子(テコ)の原理によってできていると確信し、その人体を動かす原理に基づいたロボットを考案しました。
ロボット騎士(Robot Internal Mechanisms)

バネ仕掛けの自動車(Spring Powered Car)1478~1480年頃
バネ仕掛けの自動車(Spring Powered Car)
動力源となる板バネを引き絞って力を貯めます。蓄えた力は、簡単なギア装置によって駆動車輪に伝達されます。
バネ仕掛けの自動車(Spring Powered Car)

④音を出す 楽器 から
ロボット・ドラマー(Robot Drumer)
ロボット・ドラマー(Robot Drumer)
回転するシリンダーに刻まれた溝のパターンの変化によってリズムが変わり、ロボットの腕はロープと滑車による独創的な仕組みで動いて、バチを叩きます。
ロボット・ドラマー(Robot Drumer)

ロボット・ドラマー(Robot Drumer)

⑤物理学の原理 一般機械 から
平面のボールベアリング装置(Flat Ball Bearings)1497年頃
平面のボールベアリング装置(Flat Ball Bearings)
この装置には8個の自由に動くボールが内蔵されており、それらの間を糸巻き車が挟んで、ボールを一定方向に動かします。
平面のボールベアリング装置(Flat Ball Bearings)
ボールベアリング装置は、動く部品の摩擦を減らすために近代の機械類でもよく利用されています。
平面のボールベアリング装置(Flat Ball Bearings)

チェーン駆動装置(Chains)1497年頃
チェーン駆動装置(Chains)
レオナルドは、いろいろな種類のチェーンを考案しました。
チェーン駆動装置(Chains)
機械のある部分と他の部分とを連動させるためのチェーン駆動装置は、「ミステリアスな自転車」に応用されています。
チェーン駆動装置(Chains)
ミステリアスな自転車(Bicycle)
自転車(Bicycle)

中央にウィンチの付いたクレーン(Crane with Central Winch)
中央にウィンチの付いたクレーン(Crane with Central Winch)
この装置は、レオナルドがフィレンツェの工房に弟子入りしていた頃に見たクレーンに基づいて構想されました。
中央にウィンチの付いたクレーン(Crane with Central Winch)

バネの研究(Spring)1497年頃
バネ(Spring)
バネと歯車とねじ型構造は、レオナルドの機械製作とその働きのために欠かせない要素で、バネの研究を数多く行っています。
バネ(Spring)

自動回転肉焼き機(Automatic Roasting-Jack)
自動回転肉焼き機(Automatic Roasting-Jack)
下で火をたいた上昇気流が上のプロペラを回すと、その軸が回転して軸の末端に付いた歯車が焼き串を回転させます。焼き串の回転速度は、火の勢いの強さに応じて早くなったり遅くなったりします。
自動回転肉焼き機(Automatic Roasting-Jack)

⑥応用技術 軍事用機械は後期からの展示になります。

「モナ・リザ」や「最後の晩餐」など、レオナルド・ダ・ヴィンチは画家としても名声を馳せています。
会場には、レオナルドの描いた絵画の複製も展示されています。

ウィトルウィウス的人体図 1487年頃
ウィトルウィウス的人体図

自画像 1512~1515年頃(60歳頃)
自画像
レオナルド・ダ・ヴィンチ(ユリウス暦 1452年4月15日 - 1519年5月2日)は、音楽、建築、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、気象学、地質学、地理学、物理学、光学、力学、土木工学など様々な分野に顕著な業績と手稿を残し、絵画でも異彩な才能を発揮して、「万能人 (uomo universale)」 といわれています。
2019年に没後500年を迎えますが、現代でも活用されている理論や工法を500年以上前に研究しているなんて、すごいですね。
本展では実際に触れて動かしてその構造を体感できる展示物も数多く有りますので、是非触ってみて下さい。


開催場所:横浜市 そごう美術館
開催期間:2017年8月2日(水)~10月15日(日)※休館日:9月11日(月)
       <前期>8月2日(水)~9月10日(日)
       <後期>9月12日(火)~10月15日(日)
開館時間:10:00~20:00(入館は閉館の30分前まで)
入場料金:一般 1500円、大学・高校生 800円、中学生以下 無料
      ※9月18日(月・祝)は敬老の日につき65歳以上無料


長い内容になってしまいました。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
Copyright © 2005-2024 M-Hoshino All Rights Reserved.