ユリカモメ ― 2018年05月28日 23時23分40秒
ユリカモメ (百合鴎)です。
チドリ目カモメ科カモメ属の鳥類で、「都鳥」とも呼ばれます。
『 武蔵の国と下総の国との中にある、隅田川のほとりにいたりて、都のいと恋しうおぼえければ、しばし川のほとりに下りゐて、思ひやればかぎりなく遠くもきにけるかな、と思ひわびてながめをるに、渡守、「はや舟にのれ、日くれぬ」と言ひければ、舟に乗りて渡らむとするに、みな人ものわびしくて、京に思ふ人なくしもあらず、さる折に、白き鳥の、嘴と脚と赤き、川のほとりにあそびけり。京には見えぬ鳥なりければ、みな人見知らず、渡守に、「これは何鳥ぞ」と問ひければ、「これなむ都鳥」と言ひけるを聞きて【 名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと 】とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり。』
―伊勢物語 第九段 東下り―
これをパロディー化して、松尾芭蕉は次のように詠んでいます。
塩にしても いざ言伝ん 都鳥 ―芭蕉―
塩漬けにしてでも持って帰れば・・・ってことですね。
ユリカモメとカモメはよく似ていますが、ユリカモメはカモメより少し小さく、嘴と足が赤いのがユリカモメ、黄色いのがカモメです。
渡り鳥で、日本では冬鳥とされますが、夏羽は頭部が黒褐色になるので、英名では:Black-headed Gull(黒い頭のカモメ)といいます。
因みに、ウミネコはBlack-tailed gull(黒い尾のカモメ)です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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