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印象派の女性画家たち Women Impressionists2020年07月31日 16時56分45秒

東京都中央区京橋にある「アーティゾン美術館(旧 ブリヂストン美術館)」では、「石橋財団コレクション選」と題して2,800点余りの所蔵品の中から厳選された作品を所蔵作品展として展示しています。
その一角に「特集コーナー展示」を設け、毎回異なるテーマにより収蔵品に新たな光をあてる企画展示を行なっています。
第1回の企画展示として、昨日紹介した「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」と、「印象派の女性画家たち」を同時開催しています。

写実主義の美学を知り、他方でアカデミスムに不満と疑問を感じていたモネ、ルノワール、シスレー、ピサロ、セザンヌらは、1874年に「印象派」の第1回展を開催しました。
このグループは、いまだ美術界において女性の立場が十分に尊重されていなかった時代に、才気あふれる女性画家たちを仲間に迎え、平等な立場で制作し、活動を行いました。
長い西洋絵画の歴史の中には多くの女性画家が存在しますが、ベルト・モリゾ、メアリー・カサット、エヴァ・ゴンザレス、マリー・ブラックモンという複数の優れた画家たちを輩出し、これらの女性画家の存在はその後の西洋美術に大きな影響を与えています。

今回アーティゾン美術館では印象派を代表する4人の女性画家の作品5点をコレクションに加え、「石橋財団コレクション 特集コーナー展示 印象派の女性画家たち」として一挙に公開しています。


 メアリー・カサット Mary Cassatt (1844-1926)

メアリー・カサットは、1861年から65年までフィラデルフィアのペンシルベニア美術アカデミーで学んだ後、1866年にパリに渡りました。
1872年にカミーユ・ピサロに出会い、1879年の第4回展から1886年の最後の「印象派展」まで出品を続けました。
メアリー・カサット  《 娘に読み聞かせるオーガスタ 》 1910年 油彩 カンヴァス
Mary Cassatt 《 Augusta Reading to Her Daughter 》

メアリー・カサット 《 日光浴(浴後) 》 1901年 油彩 カンヴァス
Mary Cassatt 《 The Sun Bath (After the Bath)》


 ベルト・モリゾ Berthe Morisot (1841-1895)

ベルト・モリゾは、印象派の画家として最も重要視される画家のひとりです。
1874年にエドゥアール・マネの弟ウジェーヌ・マネと結婚し、1878年に娘ジュリー・マネが誕生しました。翌年の第4回印象派展(1879年)以外のすべての印象派展に参加するなど、精力的に活動しています。
ベルト・モリゾ 《 バルコニーの女と子ども 》 1872年 油彩 カンヴァス
Berthe Morisot 《 Woman and Child on the Balcony 》 


 エヴァ・ゴンザレス Eva Gonzales (1849-1883)

エヴァ・ゴンザレスの父エマニュエル・ゴンザレスはスペイン人ですが、フランスに帰化した著名な作家で、エヴァはパリで生まれました。
1869年に、印象派の指導者あるいは先駆者として知られるエドゥアール・マネのモデルを務め、その後マネの唯一の正式な弟子となっています。
エヴァ・ゴンザレス 《 眠り 》 1877-78年頃 油彩 カンヴァス
Eva Gonzales 《 Sleep 》


 マリー・ブラックモン Marie Bracquemond (1840-1916)

マリー・ブラックモンは、16歳の時パリのサロンに応募し、推薦により新古典主義のアングルに師事することになりました。1869年に版画家のフェリックス・ブラックモンと結婚し、夫を通してエドゥアール・マネやエドガー・ドガ、アルフレッド・シスレー、クロード・モネを知り、印象派の様式へと移行していきました。
第4回(1879年)、第5回(1880年)、第8回(1886年)の印象派展に出品しています。

マリー・ブラックモン 《 セーヴルのテラスにて 》 1880年 油彩 カンヴァス
Marie Bracquemond 《 On the Terrace at Sèvres 》

同時に関連作品として、モネ、ルノワール、シスレー、ピサロ、セザンヌら、印象派画家の館所蔵作品が展示されています。こちらも絶対に見逃せません。


開催場所:アーティゾン美術館 4 階展示室 石橋財団コレクション選 特集コーナー
開催期間:2020年6月23日[火] - 10月25日[日] (コロナ禍により会期が変更されています)
休館日:月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日
開館時間:10:00 - 18:00 (祝日を除く毎週金曜日は20:00まで /当面の間、中止)
   ※入館は閉館の 30 分前まで
入館料:一般 WEB予約1,100円 当日窓口販売1.500円
   大学生・専門学校生・高校生は無料ですが日時指定の予約が必要
    中学生以下 無料、予約も必要なし
    障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名 無料ですが日時指定の予約が必要

  ※ウェブ予約チケットは各入館時間枠の終了10分前まで販売
   ※当日チケットはウェブ予約チケットが完売していない場合のみ販売
   ※この料金で同時開催の展覧会3会場を全て観覧できます
   ※スマートフォンとイヤホンを持参すればアプリで4階所蔵作品展示の無料音声ガイドが聴けます   詳細は公式サイトにて確認して下さい。

現在アーティゾン美術館では本展の他に6階展示室で「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり」、5階展示室で「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館展示帰国展 Cosmo- Eggs| 宇宙の卵」、4階展示室で「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」が開催されています。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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