百段階段 「ニッポンのあかり 未来のひかり」 ― 2021年07月07日 19時00分55秒
ホテル雅叙園東京(旧:目黒雅叙園)の「百段階段」で、夏の風物詩となっている「和のあかり」展が今年も開催されています。
今年のテーマは「ニッポンのあかり 未来のひかり」です。
「百段階段」とは、ホテル雅叙園東京の前身である目黒雅叙園3号館にあたり、1935(昭和10)年に建てられた当館で現存する唯一の木造建築です。 過去には食事を楽しみ、晴れやかな宴が行われた7つの部屋を、99段の長い階段廊下が繋いでいます。
2000(平成21)年に東京都の有形文化財に指定されました。
日本ならではの感性と技術によって生み出される「和のあかり」が、東京都指定有形文化財「百段階段」の7つの部屋を彩ります。
エレベーター前の作品は、伊勢型紙から丁寧に刷りとられた和柄模様を真鍮板にエッチングし、円筒状にした型をそのままの状態で使用して製作した、内照式オブジェ「籠染灯籠」です。
会場入り口の手前通路には伏谷商店の名古屋提灯が並びます。
伏谷商店では伝統的な提灯はもちろんのこと、現代のくらしの中にも映えるデザインのランプシェイドなど、常に進化した提灯を創り続けています。
百段階段の7つの部屋の内、一番下の部屋「十畝の間(じっぽのま)」です。この部屋は「森のあかり」がテーマになっています。
「十畝の間」の天井画など美術品の中で、色鮮やかながら優しい光を放ちます。
内側から発光された光は、 幾何学的に折られた面にあたり、同時に陰翳をつくり、やわらかいあかりへと変化します。
折り紙を組み合わせることにより創られた作品は、扇子や、屏風、風呂敷のように使わない時は畳んで収納できるという、日本の暮らしに根付いたテクノロジーを継承したものです。
今日は七夕です。
「漁樵の間(ぎょしょうのま)」の入り口には自由に書いて吊り下げられる「短冊」が置いてあります。
「漁礁の間」の欄間には、色鮮やかな彩色木彫板に七夕の様子が描かれ、笹飾りも展示されています。
願い事を書いた短冊は、残念ながら笹飾りにではなくこちら↓に結び付けることになります。
7月3日(土)から始まって、3日目の5日(月)のアサイチで行ったのですがすでにこんなに短冊が吊り下げられていました。
七夕の日には、古くから神木とされた梶(かじ)の葉に和歌をしるし、願い事をしていたということです。
この部屋の中の空間アートは、「かぐや姫の記憶」がテーマになっています。
熊本県山鹿市で毎年2月の金曜・土曜に開催されている「山鹿灯篭浪漫・百華百彩」で使われる傘などが飾られています。
かんざし作家「榮 -SAKAE-」さんの作品です。
漁礁の間の世界観から、かぐや姫をテーマに「蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえ)」を創作したということです。
「草丘の間(そうきゅうのま)」は「風のあかり」がテーマです。
いけばなの、古流かたばみ会 副家元の大塚理航さんの作品です。
火箸風鈴、小田原風鈴、鋳物風鈴、真鍮風鈴、南部鉄風鈴、江戸風鈴など伝統的な風鈴が風に揺れています。
「静水の間(せいすいのま)」のテーマは「ガラスのあかり」です。
江戸切子、薩摩切子、琉球ガラスなど、ガラス製品による光の表現が見事に構成されています。
江戸切子、薩摩切子、琉球ガラスなど、ガラス製品による光の表現が見事に構成されています。
「玻璃匠 山田硝子」(東京都墨田区)の江戸切子です。
「琉球ガラス」の味わい深い手触りと、南国ならではの色合いは、1,300℃の窯とガラス職人の感性によって生み出される、沖縄ならではの文化です。
「星光の間」へと続く階段は、宇宙空間をイメージした「未来のひかり」で照らし出されていました。
「星光の間(せいこうのま)」のテーマは「紙のあかり」です。
熊本県山鹿市の「山鹿灯篭踊り」で使われる山鹿灯篭です。
紙を漉く技術を応用したあかり作家として活動する、高山しげこさんの作品「漉き紙の灯り」です。
山形県の月山和紙を使用するあかり作家、せいのまゆみさんの作品です。
「清方の間(きよかたのま)」のテーマは「木のあかり 土のあかり」です。
陶芸家 猿田壮也さんの作品です。自然の中で作陶する味わい深い作品は多くのファンを持ちます。
照明作家 谷俊幸さんの作品です。
虫籠や行灯などを竹のみでつくり、 日用品の中に様々な模様を描きながら編みこむ、静岡県に伝わる伝統工芸「駿河竹千筋細工」の技法を用いた作品です。
竹ひごを熱しながら曲げ、 竹の輪に組み込みながら制作された、繊細な逸品です。
ひょうたんランプ作家 北島拓弥さんの作品です。
2010年に庭で初めてのひょうたん栽培をし、20個ほどの収穫となり、その年の冬から本格的にランプを作り始めたということです。
百段階段最上階、「頂上の間(ちょうじょうのま)」のテーマは「金魚のあかり 未来のひかり」。
山口県柳井市の「柳井金魚ちょうちん祭り」は、柳井の民芸品である「金魚ちょうちん」をモチーフにした夏の一大イベントです。お盆等で帰省された方々を、ふるさとの民芸品でお迎えするものです。
フェルト金魚作家 矢萩ひかるさんは、羊毛フェルトをメインに金魚作品のみ制作している金魚作家さんです。
展示作品のほんの一部ですが、紹介してみました。
「和のあかり 百段階段2021 ニッポンのあかり 未来のひかり」開催概要
開催期間:2021年7月3日(土)~9月26日(日)
休館日:会期中無休
開催時間:11:30 - 18:00(最終入館17:30)
※土曜日及び、7月22日・23日・8月8日~13日・9月19日は 20:00迄(最終入館19:30)
※8月21日(土)は17:00迄(最終入館 16:30)
入場料金:一般¥1,200 学生¥600 ※要学生証呈示 未就学児無料
※チケットは当日窓口販売もありますが混雑状況によって制限される場合があります。
※日時指定チケットの他に、グッズ付きチケット、人数限定スペシャルチケット、ペアチケット、などお得なチケットも公式オンラインチケットで販売しています。
※東京都に4度目の緊急事態宣言が発出される見込みの為、会期や時間等は変更される場合があります。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
私もちょっと疲れました。
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