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鴻池朋子「武蔵野皮トンビ」2021年08月13日 14時53分27秒

角川武蔵野ミュージアムの建物壁面に現れた「皮トンビ」。 これは、鴻池朋子さんの「武蔵野皮トンビ」という作品です。
鴻池朋子「武蔵野皮トンビ」
武蔵野美術館では「コロナ時代のアマビエ・プロジェクト」として、作品展示を行っています。
幕末の熊本沖に現れ、疫病について予言したといわれる謎の妖怪“アマビエ”を、作家の自由な想像力とユニークな表現力で 生み出してもらい、未来に向けたイメージをミュージアムから世界に発信しようというプロジェクトです。

鴻池朋子さんはあえて「守られている」室内ではなく、外壁に表現の場を求めました。
床皮(とこがわ/牛皮を漉いた際に出る裏皮)を縫い合わせ、水性塗料を塗った作品で、雨を受け太陽にあたれば、どんどん経年劣化して朽ちていきます。いわゆる絵画を屋外に晒しているような状態です。
そこには、これまでの美術館の中で成立していた、永遠とか、普遍とかいう言葉は何一つ通用しません。
「動物の皮」は、しなやかに岩肌にへばりつき、雨や風や太陽や鳥などと呑気にやりとりしながら、人間の皮膚のようにタフに歳とっていきます。
鴻池朋子 《武蔵野皮トンビ》 2021年 24m×10m 牛皮、水性塗料、クレヨン

牛皮に描かれた作品は、外壁に取り付けられた約400個の留具に固定してあります。
鴻池朋子「武蔵野皮トンビ」
この外壁は花崗岩を特殊な技術で積み上げてできています。
外壁を覆う石と石の隙間から、15㎝奥にある胴縁と呼ばれる石を支えるための下部フレームに独自の工具を差し込み、パラシュートコード(紐)で留具を結わえます。その留具に、作品の画面側から穴を開けて結束バンドを通し固定したということです。
その作業現場の写真が掲示してありました。施工主の鹿島建設の協力によるものです。

「武蔵野皮トンビ」は今年1月から展示されていますが、約1年間、ここに棲みつくということです。


2020年8月1日、2日、3日に、鴻池朋子さんの展覧会などをアップしていました。よろしければご覧ください。
鴻池朋子 《ちゅうがえり (Tomoko Konoike FLIP)》 アーティゾン美術館
刀剣×鴻池朋子 国立新美術館「古典×現代2020ー時空を超える日本のアート」
鴻池朋子 《Concerto Angel & Mother Forest (コンチェルトエンジェル & マザーフォレスト)》 ミューザ川崎



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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