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「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館2022年06月20日 17時42分15秒


東京国立近代美術館
東京国立近代美術館で、「ゲルハルト・リヒター展」が開催されています。


ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter, 1932年 - )は、ドイツのドレスデン生まれの画家です。
リヒターの日本の美術館での個展は、2005-2006年にかけて金沢21世紀美術館・DIC川村記念美術館で開催されて以来、実に16年ぶりです。また東京の美術館での大規模な個展は今回が初めてとなります。

本展では、初期のフォト・ペインティングからカラーチャート、グレイ・ペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、そして最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品を紹介しています。約110点の作品により、リヒターの60年におよぶ画業の足跡をたどります。
「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館

鑑賞者自身と周囲の風景がうっすら映り込む、ガラスを作品に多用しているリヒターを象徴するような作品です、8枚のガラスを微妙な角度で並べています。イメージを無限に生み出し、現実を複数化するリヒター作品の原理が具現化されています。
「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館
ゲルハルト・リヒター 《8枚のガラス》 2012年 8枚のアンテリオ・ガラス、スチール 230×160×350cm(ガラスは各220×160cm)

キャンバスに様々な色が折りこまれた「アブストラクト・ペインティング」。
シルクスクリーンを制作する際に使用するへらの様な道具=スキージーによって絵具をキャンバスに押し付け、引き伸ばすという作業が基本になります。
ゲルハルト・リヒター 《アブストラクト・ペインティング》 2016年 油彩、キャンバス 200×250cm

キャンバス全体を灰色の絵具で塗りこめた「グレイ・ペインティング」。
「無」を明示するグレーも、様々な筆致で描かれることにより「有」が生まれるのかもしれません。
ゲルハルト・リヒター 《グレー(樹皮)》 1973年 油彩、キャンバス 90×65cm


4点の巨大な抽象画からなる作品、《ビルケナウ》。
この絵画の下層には、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で囚人が隠し撮りした写真を描き写したイメージが隠れています。
「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館
ゲルハルト・リヒター 《ビルケナウ》 2014年 油彩、キャンバス 各260×200cm


「カラーチャート」の作品です。約50cm四方に25色を並べたパネルを最小のユニットとして、196枚のパネルが空間に合わせてその都度違った形で展示されます。25×196で、ランダムな《4900の色彩》が展示会場に生成されます。
「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館

ゲルハルト・リヒター 《4900の色彩》 2007年 ラッカー、アルディボンド、196枚のパネル 680×680cm(パネル各48.5×48.5cm)

2011年から始められたデジタルプリントのシリーズです。
ゲルハルト・リヒター 《ストリップ》 2013~2016年 デジタルプリント、アルディボンド、アクリル(ディアセック) 200×1000cm

画家の子供たちを描いた「肖像画」の1点です。
ゲルハルト・リヒター 《エラ》 2007年 油彩、キャンバス 40×31cm

展示風景
「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館


写真のように見えますが、これは写真をプロジェクターでキャンバスに投影して油彩で描かれたもので、「フォトペインティング」です。
印象派の画家たちはよくカメラ・オブスキュラという投影装置を利用して絵を描いたといいますが、写真と絵画の本質は何かを問いかけるような作品です。
ゲルハルト・リヒター 《モーターボート(第1ヴァージョン)》 1965年 油彩、キャンバス 169.5×169.5cm

展示風景  一種のガラス絵ともいえる《アラジン》シリーズです。
「ゲルハルト・リヒター展」東京国立近代美術館

ゲルハルト・リヒター 《アラジン》 2010年 ラッカー、ガラス、アルディボンド 40×50cm

展示風景 「ドローイング」

ゲルハルト・リヒター 《2021年9月16日(2)》 2021年 グラファイト、紙 21.0×29.7cm

写真に油絵具などを塗り付けたシリーズ「オイル・オン・フォト」です。
ゲルハルト・リヒター 《2015年7月23日(3)》 2015年 油彩、写真 11.0×18.7cm

90歳になり、現代アートの最高峰といわれながらもなお、ケルン郊外にある閑静な住宅地のアトリエで日々絵を描き新作を生み出している、ゲルハルト・リヒターの60年の画業の集大成といえる展覧会になっています。

公式図録はA4変型352ページで、初期作品から最新ドローイングまで図版約140点を収録しています。展示作品のオールカラー掲載はもちろん、キーワード解説や論考、写真入り年譜、海外の論文やインタビューの和訳など、リヒターの幅広い表現を読み解くには必携の書となっています。
税込3,900円はちょっと高いですね。買うのに躊躇しましたが、お昼ご飯抜きにして買っちゃいました。(一週間お昼抜かなくちゃ合わないかも・・・)


開催会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開催期間:2022年6月7日(火)~ 2022年10月2日(日)
休館日:月曜日(ただし7月18日、9月19日は開館)、7月19日(火)、9月20日(火)
開館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)  ※入館は閉館30分前まで
観覧料金:一般 2,200円 / 大学生 1,200円 / 高校生 700円
  ※中学生以下、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示。
  ※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)も観覧できます。

2022年10月15日(土)~2023年1月29日(日) 豊田市美術館(愛知県)へ巡回します。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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