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国立新美術館「テート美術館展 光 - ターナー、印象派から現代へ」2023年08月15日 16時00分10秒

六本木の国立新美術館で「テート美術館展 光 - ターナー、印象派から現代へ」が開催されています。
国立新美術館

TATE(テート)は、英国政府が所有する美術コレクションを収蔵・管理する組織で、ロンドンのテート・ブリテン、テート・モダン、テート・リバプール、テート・セント・アイヴスの4つの国立美術館を運営しています。

本展は、英国・テート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選し、18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの、独創的な創作の軌跡に光をあてた展覧会です。

1770年代の絵画に始まり、大気と光の効果を追求したターナー(1775 - 1851年)、風景画の名手コンスタブル(1776年 - 1837年)などロマン派といわれた画家や、モネ、ピサロ、シスレーなど印象派から現代美術まで、異なる時代、異なる地域で制作された約120点の作品を一堂に集めた、テート美術館収蔵作品選りすぐりの展覧会となっています。
テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《光と色彩(ゲーテの理論)—大洪水の翌朝—創世記を書くモーセ》 1843年出品 油彩 / カンヴァス 78.7×78.7cm
 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《光と色彩(ゲーテの理論)—大洪水の翌朝—創世記を書くモーセ》1843年出品
ターナーは、光と色の効果を捉えることに重点を置き、自然界の大気の渦について描いています。この作品ではゲーテの色相環の内、暖色系の色相を表現し、大洪水の後の神と人間との契約を祝福するものとして描いています。

ジョン・コンスタブル 《ハリッジ灯台》 1820年出品? 油彩 / カンヴァス 32.7×50.2cm
ジョン・コンスタブル 《ハリッジ灯台》 1820年出品? 油彩 / カンヴァス 32.7×50.2cm
雲が頭上に落とす暗い影と明るい陽光を浴びる灯台の、光と影の対比が見事に表現されています。

展示風景  鏡の作品は、草間彌生 《去ってゆく冬》 2005年 鏡 / ガラス 180×80.5×80.5
展示風景 草間彌生 《去ってゆく冬》 2005年 鏡 / ガラス 180×80.5×80.5
鏡で構成された立方体には穴が開いていて、この穴を覗くと合わせ鏡のように連続する映像を見ることができます。

ジョン・ブレット 《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》 1871年 油彩 / カンヴァス106×212.7cm
ジョン・ブレット 《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》 1871年 106×212.7cm
ブレッドは画家であると同時に天文学者でもあり、科学的な観点をもって対象にアプローチしています。雲間から海に濯ぐ「天使の梯子(薄明光線)」が輝くように描かれています。

クロード・モネ 《エプト川のポプラ並木》 1891年 油彩 / カンヴァス 92.4×73.7cm
クロード・モネ 《エプト川のポプラ並木》 1891年 油彩 / カンヴァス 92.4×73.7cm
印象派を代表するモネは、自然を直接観察することによって、光が風景に与える影響とその変化を捉えました。

アルフレッド・シスレー 《春の小さな草地》 1880年 油彩 / カンヴァス 54.3×73cm
アルフレッド・シスレー 《春の小さな草地》 1880年 油彩 / カンヴァス 54.3×73cm
印象派の設立メンバーでもあるシスレーは、風景における光の効果に細心の注意を払いました。明るい黄色の帽子が目を惹く人物は画家の娘のジャンヌで、爽やかな春の光が長く伸びた木々に当たり、影を落としています。

カミーユ・ピサロ 《水先案内人がいる桟橋、ル・アーヴル、朝、霞がかった曇天》 1903年 油彩 / カンヴァス 65.1×81.3cm
カミーユ・ピサロ 《水先案内人がいる桟橋、ル・アーヴル、朝、霞がかった曇天 1903年 油彩 / カンヴァス 65.1×81.3cm
ピサロも印象派の重要なメンバーでした。本作は、港の波立つ水面に映るどんよりとした朝の光を捉えています。

ウィリアム・ローゼンスタイン 《母と子》 1903年 油彩 / カンヴァス 96.9×76.5cm
ウィリアム・ローゼンスタイン 《母と子》 1903年 油彩 / カンヴァス 96.9×76.5cm
描かれているのは画家の妻アリスと、その子供ジョンです。一つの窓から差し込む柔らかな光は、母子とドアと暖炉の一部を照らし、緻密な光の描写に細心の注意が払われています。
どこかフェルメールを思わせる、美しい絵画です。

ワシリー・カンディンスキー 《スウィング》 1925年 油彩 / 板 70.5×50.2cm
ワシリー・カンディンスキー 《スウィング》 1925年 油彩 / 板 70.5×50.2cm
私の好きな画家のひとり、カンディンスキーの作品です。
「絵画は音楽のように抽象的であるべきだ」という考えを持つカンディンスキーは、芸術、建築、デザインの革新的な学校「バウハウス」で教鞭をとったことでも知られています。カンディンスキーにとって色彩は、芸術を伝統的な表現から解き放つために不可欠な物でした。

ペー・ホワイト 《ぶら下がったかけら》 2004年 紙 / 糸 サイズ可変
ペー・ホワイト 《ぶら下がったかけら》 2004年 紙 / 糸 サイズ可変
本作品は、482本の糸とスクリーン印刷された紙片から構成され、天井からぶら下げるモビール・インスタレーションとなっています。その影が生み出すのは、大空を飛ぶ鳥の姿でしょうか。

展示風景
ゲルハルト・リヒター 《アブストラクト・ぺインティング(726)》 1990年 油彩 / カンヴァス 251×351cm
ゲルハルト・リヒター 《アブストラクト・ぺインティング(726)》 1990年 油彩 / カンヴァス 251×351cm
リヒターにとって光は中心的なテーマです。リヒターは、1960年代に写真のイメージを絵画で描き移した「フォト・ペインティング」を発表し、注目を集めるようになりました。

ピーター・セッジリー 《カラーサイクルIII 》 1970年 アクリル / カンヴァス 184.1×182.9cm
ピーター・セッジリー 《カラーサイクルIII 》 1970年 アクリル / カンヴァス 184.1×182.9cm
コンピューターによって制御された光の点滅は一切の規則性を排除し、その中に一定の秩序を見出そうとする観客の欲求をも排除し続けるのです。

ピーター・セッジリー 《カラーサイクル III 》 1970年 アクリル / カンヴァス 184.1×182.9cm
ピーター・セッジリー《カラーサイクル III》 1970年 アクリル/カンヴァス
セッジリーは、一貫して色と光を探求してきた作家として知られています。本作品では、それぞれ異なる色の円が同心円状に重ねられた画面に、プログラミングによって一定の時間で変化する光が当てられています。同心円の光と色はさまざまに変化します。

デイヴィッド・バチェラー 《ブリック・レーンのスペクトラム 2》 2007年 ライトボックス / スチール製の棚 / アクリルシート / 蛍光灯 / ケーブル / プラグボード 761.5×90×31cm
デイヴィッド・バチェラー 《ブリック・レーンのスペクトラム 2》 2007年 ライトボックス / スチール製の棚 / アクリルシート / 蛍光灯 / ケーブル / プラグボード 761.5×90×31cm
色とりどりのライトボックスを積み上げた背の高い柱型の作品は、ロンドン東部のブリック・レーン・エリアの、飲食店などの照明やサインを思い起こさせます。

リズ・ローズ 《光の音楽》 1975年 白黒の16ミリフィルムをビデオプロジェクターで展示 / モノラル音声 / 25分
リズ・ローズ 《光の音楽》 1975年 白黒の16ミリフィルムをビデオプロジェクターで展示 / モノラル音声 / 25分
インスタントレタリングやスクリーントーンで知られるレトラセット社の書体をフィルムストリップに貼り付け、スクリーン上に抽象的な線として映し出し、プロジェクターでその線を音声に変換して読み取っています。室内に流れる音楽は画面に映される線と線の間にある空間に対応したもので、見えるものと聞こえるものの間に、直接の指標となる関係を生み出しています。鑑賞者参加型のインスタレーションになっています。


オラファー・エリアソン 《星くずの素粒子》 2014年 ステンレス・スチール / 半透明のミラー / ワイヤー / モーター / スポットライト 直径170cm
オラファー・エリアソン 《星くずの素粒子》 2014年 ステンレス・スチール / 半透明のミラー / ワイヤー / モーター / スポットライト 直径170cm
オラファー・エリアソンは、特定の環境下で光と色がどのように知覚されるかを考察している作家です。
半透明の作品はミラーボールのように回転して輝き、その光は拡大された星くずの素粒子、もしくは爆発した星の残骸のような模様を壁に映し出します。


本展の図録はA4変形256ページで、日本経済新聞社から発行されており、楽天ブックスでも購入することができます。税込3,300円です。最近図録の値段が高くなったので困っております。
テート美術館展 図録

テート美術館の7万7000点超に及ぶ収蔵品の中から厳選した絵画や写真、インスタレーションなど約120点が一堂に会する本展は、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドでも開催された世界巡回展で、10月26日(木)から大阪中之島美術館に巡回します。
印象派以前から現代までの約200年間におよぶ芸術の流れを理解することができる、お勧めの展覧会です。


開催会場:国立新美術館 企画展示室2E
開催期間:2023年7月12日[水]-10月2日[月]
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00−18:00  毎週金・土曜日は20:00まで  入場は閉館の30分前まで
観覧料金:一般 2,200円  大学生 1,400円 高校生 1,000円 (全て税込)
  ※中学生以下(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料
  ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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