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ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン2023年09月16日 19時02分03秒

ブリヂストン美術館がアーティゾン美術館として2020年に開館して以来、石橋財団コレクションと現代美術家の共演として企画されてきた「ジャム・セッション」。
第1回は鴻池朋子
第2回は森村泰昌
でした。

今回はジャムセッション第4弾として、大和絵や浮世絵のようなタッチで、非常に緻密に人物や建築物などを描き込む画風で知られる、山口晃を迎えました。

今回のジャム・セッションでは、「近代」、「日本的コード」、「日本の本来性」とは何かを問い、歴史や美術といった個人を圧する制度のただ中にあっても、それらに先立つ欲動を貫かんとする山口晃を紹介しています・
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン

「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン」

最初の部屋、《汝、経験に依りて過つ》では、視覚と脳の感覚が交錯し自身の異常な動きを誘い出す、一種のアトラクションのようなインスタレーションです。
正に 《汝、経験に依りて過つ》で、一度体験するとクセになりそうな作品ですが、吐きそうになる人もいるかも・・・
心配な人はパスすることが出来ます。 私は大好きです。この部屋にずっと居たい。


山口晃 《さんさしおん》 2023年 墨、鉛筆、紙 作者蔵
山口晃 《さんさしおん》 2023年 墨、鉛筆、紙
正面から見ると何と書かれているか分からない作品です。横から見ると「さんさしおん」と読めます。
山口晃 《さんさしおん》 2023年 墨、鉛筆、紙
「さんさしおん」?どういう意味?
フランス語で感覚とか知覚というような意味だそうです。あっ「Sensation」。英語でセンセーションじゃん。


山口晃 《東京圏1・0・4 輪の段》 2018-2023年 墨・油彩・水彩・アクリル絵具・カンヴァス 作者蔵 
山口晃 《東京圏1・0・4 輪の段》 2018-2023年 墨・油彩・水彩・アクリル絵具・カンヴァス 
2019年に放映されたNHK大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺~」のオープニングタイトルバックの原画です。 よく見ると米粒のような人間まで緻密に描かれています。
山口晃 《東京圏1・0・4 輪の段》 2018-2023年 墨・油彩・水彩・アクリル絵具・カンヴァス 作者蔵

参考作品として、《洛中洛外図屏風》が展示されていました。
《洛中洛外図屏風》 江戸時代 17世紀 紙本金地着色 石橋財団アーティゾン美術館蔵
《洛中洛外図屏風》 江戸時代 17世紀 紙本金地着色 石橋財団アーティゾン美術館蔵 
《洛中洛外図屏風》 江戸時代 17世紀 紙本金地着色 石橋財団アーティゾン美術館蔵 (下は部分)

展示風景

山口晃 《馬からやヲ射る》 2019年 墨、水彩、紙 作者蔵
山口晃《馬からやヲ射る》2019年 墨、水彩、紙


日本の近代絵画に向き合いながらも、ジャム・セッションの対象として山口が選んだのは、セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》と、雪舟《四季山水図》です。

ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》 1904-06年頃 油彩・カンヴァス 石橋財団アーティゾン美術館蔵
ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》 1904-06年頃 油彩・カンヴァス 石橋財団アーティゾン美術館蔵
山口は過去にセザンヌのアトリエやサント=ヴィクトワール山を訪れているということです。

山口晃 《セザンヌへの小径(こみち)》 2019年 油彩・鉛筆・カンヴァス 作者蔵
山口晃 《セザンヌへの小径(こみち)》・鉛筆・カンヴァス 作者蔵


雪舟 《四季山水図・春幅》 室町時代 15世紀 絹本墨画淡彩 4幅対 (重要文化財) 石橋財団アーティゾン美術館蔵
雪舟 《四季山水図・春幅》 室町時代 15世紀 絹本墨画淡彩 4幅対 (重要文化財)石橋財団アーティゾン美術館蔵

山口晃 《盧山吟行》 2023年 墨、水彩、カンヴァス 作者蔵
山口晃 《盧山吟行》 2023年 墨、水彩、カンヴァス 作者蔵


山口晃 《来迎圖》 2015年 油彩・墨・カンヴァス 作家蔵
山口晃 《来迎圖》 2015年 油彩・墨・カンヴァス 作家蔵

黒田清輝 《鉄砲百合》 1909年 油彩・カンヴァス 石橋財団アーティゾン美術館蔵
黒田清輝 《鉄砲百合》 1909年 油彩・カンヴァス 石橋財団アーティゾン美術館蔵


公式図録もセンセーショナル(Sensational)です。 フランス語だとサンサシオネル(Sensationnel)でしょうか。
細部まで精緻に描き込まれた山口の描写を再現するため、A3の大判印刷を採用。
開くとA2サイズになり、ページが綴じられていないため、ポスターとして使うこともできます。(バラバラになります)
A3変形/56ページ。税込2,200円です。
また、記載のQRコードからアクセスすることで、山口晃によるインスタレーション・アートをオンライン閲覧することができます。(閲覧期間は2023年9月15日〜2026年9月15日)


開催会場:アーティゾン美術館 6階 展示室
開催期間:2023年9月9日[土] - 11月19日[日]
休館日:月曜日(9月18日、10月9日は開館)、9月19日、10月10日
開館時間:10:00ー18:00(11月3日を除く金曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
観覧料金:一般 窓口販売 1,500円 WEB予約チケット 1,200円  大学・専門学校・高校生 無料(要WEB予約) 中学生以下 無料(予約不要)
  ※障がい者手帳をお持ちの方と 付き添いの方1名は無料(予約不要)
  ※一般と中学生以下以外は要証明
  ※この料金で同時開催の展覧会を全て観覧できます。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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