月桂冠(げっけいかん) 牡丹 ― 2024年02月10日 07時42分39秒
川合玉堂の《昭和度 悠紀地方風俗歌屏風》皇居三の丸尚蔵館 ― 2024年02月10日 10時39分38秒
皇居三の丸尚蔵館で開催されている「皇室のみやびー受け継ぐ美ー」の第2期「近代皇室を彩る技と美」で、展示替えが行われました。
私の推しである川合玉堂の作品は2点が替えられました。
「悠紀屏風(ゆきびょうぶ)」は、新しい天皇が即位した際に行う儀式で用いられる屏風のことです。
「悠紀」とは「清浄なる地」を意味し、占いによって選ばれます。儀式ではこの悠紀地方から収穫された穀物が用いられます。
悠紀屏風には悠紀地方の名所を詠んだ和歌と、その土地の様子が絵画として表されます。昭和度の悠紀地方には滋賀県が選ばれました。
昭和度は川合玉堂が描いています。
川合玉堂 《昭和度 悠紀地方風俗歌屏風》 昭和3年(1928年) 6曲1双 紙本着色
他の展示物があって画面に収まりきらないので、左隻と右隻に分けて撮ってみました。
美しい風景と人々の生活を描くのが得意な川合玉堂らしい、生活感があふれた滋賀の絶景が広がります。
川合玉堂 《昭和度 悠紀地方風俗歌屏風》 (部分)
春夏秋冬の季節に分けて名所が描かれ、歌が詠まれています。冬は琵琶湖西岸に連なる比良山地です。
声さむき雁のゆくへに初雪の光つらなる比良の遠山
川合玉堂の作品で、巻物も展示替えがされています。
香淳皇后(昭和天皇の皇后)は、川合玉堂から絵画の指導を受けていました。玉堂が愛した御岳渓谷にある「玉堂美術館」の設立にも、香淳皇后の支援があったといいます。
玉堂は絵画だけではなく和歌にもすぐれた作品を遺しています。これらの作品は、香淳皇后が玉堂との交流の記念に大切にしていたものだといいます。
御途次に於てはからすも皇后陛下より御言葉をたまはりて
草の中の ぼけに 玉歩を とめたまひ 春の ひかり か ゝやき 老の目に なみた
川合玉堂の作品を含めて、計11点の作品が展示替えされています。
明治天皇と昭憲皇太后の銀婚を祝して献上されたものです。おめでたいモチーフを組み合わせており、慶事を彩るものとなっています。
荒木寛畝、野口小蘋 《旭日双鶴松竹梅図》 明治27年(1894年) 絹本着色
ガチョウの卵の殻で作られた盃です。
《鵞鳥卵蒔絵盃(がちょうのたまご まきえさかずき)》 明治時代(20世紀) 鵞鳥卵殻、蒔絵
加茂競馬とは、寛治7年(1093年)、天下泰平と五穀豊穣を祈って宮中で行われていた競馬会を神社に移したことに始まる神事です。現在も京都の上賀茂神社に引き継がれています。
この作品は、皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)の御成婚を祝って三井家総代より献上されたものです。
山崎朝雲 《加茂競馬置物》 大正13年(1924年) 銀、鋳造
「皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美―」 開催概要
開催会場:皇居三の丸尚蔵館
開催期間:令和5年(2023)11月3日(金・祝)〜令和6年(2024)6月23日(日)
●第1期:「三の丸尚蔵館の国宝」 令和5年(2023)11月3日(金・祝)〜12月24日(日) (終了しました)
●第2期:「近代皇室を彩る技と美」 令和6年(2024)1月4日(木)〜3月3日(日) (開催中)
●第3期:「近世の御所を飾った品々」 令和6年(2024)3月12日(火)〜5月12日(日)
●第4期:「三の丸尚蔵館の名品」 令和6年(2024)5月21日(火)〜6月23日(日)
※各期で会期中、一部展示替えあり 休館日:月曜日(ただし月曜が祝日または休日の場合は開館し、翌平日休館) 、天皇誕生日および展示替え期間
開館時間:午前9時30分〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
入館料金:一般1,000円、大学生500円
※高校生以下及び満18 歳未満、満70 歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者各1 名は無料。
※事前に日時指定予約が必要です。
※無料入館対象の方、割引入館対象の方も予約が必要です。 ただし、障がい者手帳等をお持ちのご本人および介護者各1 名の予約は不要です。
※その他セット券などあります。詳細は公式チケットサイトへ。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
最近のコメント