国登録有形文化財「河鹿園」 ― 2024年11月26日 20時23分34秒
東京都青梅市の御岳渓谷にある「玉堂美術館」から多摩川を挟んで向かい側(JR御嶽駅側)に、旅館建物室礼美術館「河鹿園」があります。
御岳渓谷沿いに100年近く続く元料亭旅館「河鹿園(かじかえん)」の建物を利用し、国登録有形文化財の指定を受けた歴史的な建造物と書画を展示する美術館です。
建物で最も古いのは帳場兼主屋で1925(大正14)年ごろの建築になります。
1930(昭和5)年ごろに数寄屋座敷の「山魚楼(さんぎょろう)」や磨き丸太が目を引く「渓梅庵(けいばいあん)」、上質な客室を備える「枕流亭(ちんりゅうてい)」、独創的な造作の「射山荘(しゃざんそう)」が建てられました。建材は主に屋久杉で出来ています。
2017年に旅館としての営業を終え、現在は日本画や書画を歴史的建造物の中に展示するギャラリーとして、一般に公開されています。2020年に国登録有形文化財に指定されました。
現在は、12月22日(日)まで「玉堂翁尽くし展」が開催されていて、旅館のすべての部屋に川合玉堂や、玉堂ゆかりの画家たちの作品が展示されています。
大広間には川合玉堂の書画が所狭しと並びます。
画号は当初「玉舟(ぎょくしゅう)」、間もなく「玉堂」に改め、晩年は終の棲家と同名の「偶庵(ぐあん)」を別号として用いていました。当館には「偶庵」の落款が多く見られます。
全ての元客室に作品が展示されていて、各部屋からは多摩川の絶景を眺めることが出来ます。
見事な黄葉のイチョウの木は、多摩川を挟んだ玉堂美術館の前に植えられているものです。
床の間にも置物や草花などと共に、玉堂の作品が飾られています。
ご主人の手書きの解説文が、ほぼすべての作品に添えられています。時にはユーモアをもって・・・
川合玉堂 《雙馬》 《孤鹿》
川合玉堂 《初音》
日本の四季の山河と、そこで生きる人間や動物の姿を描いた玉堂の画は、厳しい風景の中にも人々の営みの温かさが感じられます。
川合玉堂 《湖畔新雪》
室内のテーブルに紅葉が反射します。
ベランダに出て撮影してみました。イチョウの手前に多摩川の流れが見えます。
旅館当時のお風呂も見ることが出来ます。
客室にあったドレッサーです。
「玉堂翁尽くし展」開催概要
開催会場:旅館建物室礼美術館 河鹿園
開催期間:2024年10月30日(水)~2024年12月22日(日)
休館日:月曜日・火曜日(企画展示期間中のみ開館)
開館時間:11:00-16:00 (入館は15:00まで)
観覧料金:一般900円 学生400円 一日ごゆっくり券 1,300円(お飲み物付き 再入場可)
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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