海上自衛隊の哨戒ヘリコプター SH-60K ― 2024年12月18日 08時14分22秒
海上自衛隊の哨戒ヘリコプター「SH-60K」です。
SH-60K哨戒ヘリコプター(艦載型)は、ヘリコプター搭載護衛艦に搭載し、艦艇と一体となって各種の任務を遂行するものです。主要任務は、対潜戦、対水上戦、警戒・監視、輸送及び救難、通信中継などです。着艦誘導支援装置を装備しています。
「SH-60K」は、米シコルスキー社のSH-60Bをベースにして三菱重工業がライセンス生産をしていたSH-60Jの機体を再設計し、搭載システムの更新・強化を図ったものです。
2002年度から予算計上され、開発は三菱重工業と防衛庁(現:防衛省)によって行われています。2002年に試作機が防衛庁に引き渡され、承認を経たのち、2005年3月から海上自衛隊での配備が開始されています。
複合材料製ローターブレードを採用しており、メインローターのブレード先端は独特の形に曲げられています。(写真をクリックして拡大して見ないとわかりませんが)
機体番号は試作機の8401から始まっており、この機の機体番号は「8436」です。
今年4月20日に、護衛艦「はぐろ」搭載の8416号機と、護衛艦「きりさめ」搭載の8443号機が、鳥島東方沖で対潜水艦戦訓練中に空中衝突した事故は、記憶に新しいところです。
機首右側の「前方監視型赤外線装置」 AN/AAS-44-N1 FLIR(Forward Looking Infra-red)です。
ヘルファイア空対艦ミサイルのためのレーザー目標指示装置としての機能も備えています。
その少し後方にある着艦誘導支援装置(SLAS)です。これはDGPS (Differential GPS) の位置情報によって艦の手前50メートル付近まで自動で接近したのち、赤外線とレーザーによって自動着艦するというもので、夜間および荒天時の着艦誘導時の搭乗員のワークロードを軽減します。
その後方に装備された、「磁気探知機」 AN/ASQ-81 Magnetic Anomaly Detector(MAD)です。
自己防衛の為にミサイルの接近を知らせる「AN/AAR-60ミサイル警報装置」のセンサーも各所に取り付けられています。
兵器としては、Mk.46魚雷、74式機関銃、97式魚雷、対潜爆弾、AGM-114MヘルファイアII 空対艦ミサイルが装備できます。
「SH-60K」の後継機として、2023年12月、「SH-60L」の開発が完了したことが防衛省から公表されました。 防衛省の“お知らせ”(PDF)はこちら。
戦闘用ではなく、捜索救難や海難・災害救助などに活躍して欲しいものです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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