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歌麿・北斎・応為 肉筆浮世絵名品展2020年01月25日 18時43分17秒

葛飾応為の肉筆浮世絵 『吉原格子先之図』 が見られるというので、東京・原宿にある「太田記念美術館」へ行ってきました。

太田記念美術館は、かつて東邦生命相互保険会社の社長を務めた五代太田清藏(1893~1977)が生涯に渡って蒐集した浮世絵を中心とする、約14,000点のコレクションを所蔵しています。
五代太田清藏は欧米を旅行中に、浮世絵が海外で高く評価されていることを知り、シカゴ美術館で展示されていた葛飾北斎の花鳥画に魅了され、蒐集をはじめました。
当館は1980年(昭和55年)1月に原宿でオープンして以来、浮世絵専門の美術館として活動を続け、開館40周年を迎えました。
開館40周年を記念して、幅広い所蔵の中から肉筆画の名品を選りすぐって公開する「肉筆浮世絵名品展 ―歌麿・北斎・応為」を開催しています。
肉筆浮世絵とは、一般的に錦絵と呼ばれる浮世絵版画と区別して、浮世絵師が自らの筆で直接絵絹や紙に描いた浮世絵を指します。絵師が下絵を描き、彫師、摺師との分業によって生み出される浮世絵版画と比べ、肉筆画は絵師がその完成まで手作業で仕上げる一点物なので、とても貴重な作品になります。

本展では、菱川師宣からはじまり、懐月堂派、宮川派、鳥居清長や喜多川歌麿、葛飾北斎と応為などの葛飾派、歌川豊春、豊国、国芳、広重などの歌川派、明治時代に活躍した浮世絵師である小林清親や月岡芳年まで---長い浮世絵の歴史を彩る有名浮世絵師たちによる肉筆画の名品60点余りが展示されています。

中でも注目される展示として、葛飾北斎の没年にあたる嘉永2年(1849)に描かれた傑作『雨中の虎』と、その娘葛飾応為の『吉原格子先之図』が並んで展示されています。
交錯する光と影で吉原の夜の情景と人間模様を見事に描いた『吉原格子先之図』は、葛飾応為の人となりやその人生を知れば知る程、その絵に込められた思いが見えてきます。
この絵には落款は有りませんが、描かれた3つの提灯に「応」「為」「栄」の文字が隠されています。
画面中央あたりでなじみ客と会話を交わす花魁。提灯の灯りが少しぐらい当たっていてもいいはずなのに、黒く塗られて陰になった花魁も、表に出たいのにいつも陰である自らを表したものと思えてなりません。

葛飾応為は葛飾北斎の三女。応為は画号で、名は栄(えい)といいます。
栄は一度結婚したものの離婚し、晩年の北斎と起居を共にして作画を続け、北斎の制作助手も務めたとされています。応為は、美人画においては北斎を超える力量であったとも評価され、北斎晩年の作品制作を補佐していたと伝えられています。しかし残念なことに応為の手による作品は世界に数点しか確認されていません。
応為が描いたものであっても、価値が高くなる北斎の名で世に出された作品もあるようです。



開催場所:太田記念美術館 東京都渋谷区神宮前1-10-10
開催期間:2020年1月11日(土)~2月9日(日)
休館日:1月14、20、27、2月3日は休館
開館時間:10時30分から17時30分まで (入館は17時まで)
入館料:一般700円 大学・高校生500円 中学生以下無料
 ※障害者手帳提示でご本人と付き添い1名100円引き。
 ※団体(10名以上)は1名あたり100円引き



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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