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いずれ菖蒲か杜若2020年05月31日 17時47分56秒

「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」

日本の古典文学作品の一つ「太平記・二一」に、源頼政が怪しい鳥を退治した褒美として、菖蒲前という美女を賜(たまわ)るときに十二人の美女の中から選び出すように言われて詠んだ歌「五月雨に沢辺の真薦水越えていづれ菖蒲と引きぞ煩ふ(五月雨が降り続いて沢辺の水かさが増したため、真薦も水中に隠れてどれが菖蒲かわからず、引き抜くのをためらっている)」とあるのに基づいた言葉です。
菖蒲も杜若もよく似た美しい花で区別するのが困難なことから、優劣がつけ難いほど素晴らしいものを例えて使う言葉になっています。

この写真は菖蒲(あやめ)でも杜若(かきつばた)でもない花です。
六本木ヒルズの毛利庭園で、花菖蒲(はなしょうぶ)が咲いていました。
花菖蒲(ハナショウブ)

ハナショウブ(花菖蒲)、アヤメ(菖蒲)、ショウブ(菖蒲)は皆「菖蒲」という漢字を使います。
カキツバタは漢字で「杜若」と書いてちょっと違いますが、なかなか読めない感じ(漢字)です。
漢字が同じで読みが違う、花の形が似ているなど、非常にややこしい植物たちです。

但し、5月5日の端午の節句(こどもの日)に菖蒲湯に入れる菖蒲(ショウブ)は、ショウブ目、ショウブ科、ショウブ属に属し、他とは全く違う植物です。花も黄色い蒲の穂のような形で、他の花のように美しいとは言えません。これは名前と葉っぱの形が似ているだけなので菖蒲湯に使う「ショウブ(菖蒲)に関してはこの話では除外します。
ハナショウブ(花菖蒲)、アヤメ(菖蒲)、カキツバタ(杜若)は、キジカクシ目、アヤメ科、アヤメ属で同じ仲間です。

一般的に菖蒲園(しょうぶえん)と言われる所に咲いているのは「ハナショウブ(花菖蒲)」が多いのですが、ハナショウブ(花菖蒲)とアヤメ(菖蒲)とカキツバタ(杜若)は、ちょっと見、区別がつきません。
しかも、「菖蒲」という漢字は「しょうぶ」とも「あやめ」とも読みます。

この3つの花の区別の仕方を調べてみました。
まず、水辺で咲いているのはカキツバタかハナショウブです。
水の無い乾いた所で咲いているのはアヤメかハナショウブです。

背の高さは、アヤメが一番背が低く(30~60cm)、ハナショウブは背が高い(80~100cm)ので、水の無い所で咲いているのがアヤメかハナショウブかは区別が出来ますね。(でも、比較しないと分からないですよね) カキツバタは中間くらい(50~70cm)です。

この3つの花は花弁の根元の模様で区別するのが一番分かりやすいようです。
花弁の根元のところに「黄色い目の形の模様」=カキツバタ
花弁の根元のところに「網目状の模様」で水の無い所で咲く=アヤメ
花弁の根元のところに「白い目型の模様」で水辺に咲く=カキツバタ
になります。


「いずれ菖蒲か杜若」・・・・区別しないのが一番いいのかもしれませんね。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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