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「画家が見たこども展」 三菱一号館美術館2020年07月13日 10時27分22秒

「三菱一号館」は、鹿鳴館の設計で知られる英国人建築家、ジョサイア・コンドルの設計により、1894年(明治27年)に竣工しました。
当時は館内に三菱合資会社の銀行部が入っていましたが、この建物は老朽化のために1968(昭和43)年に解体されました。
2006年に三菱地所(株)が「三菱一号館」を復元し美術館として活用することを発表しました。
明治期のジョサイア・コンドルによる設計図や解体時の実測図の精査に加え、各種文献、写真、保存部材などに関する詳細な調査が実施され、保存されていた部材を一部建物内部に再利用するなどして、当時の建物が忠実に再現されました。
そして解体から40年余りの時を経て、19世紀末に日本の近代化を象徴した建築物「三菱一号館」は、2010年(平成22年)4月6日、「三菱一号館美術館」として生まれ変わりました。

三菱一号館美術館

開館10周年を迎えた「三菱一号館美術館」では今、「画家が見たこども展」が開催されています。
開館10周年記念展として2月15日から6月7日まで開催の予定でしたが、コロナ禍の影響により9月22日(火・祝)まで会期を延長しています。
三菱一号館美術館

本展では、19世紀末パリの前衛芸術家グループ「ナビ派」の画家たちが追求した親密なテーマの中から「子ども」に焦点をあて、都市生活や近代芸術と「子ども」との関係を検証しています。
フランス、ル・カネのボナール美術館の全面協力のもと、国内外の美術館および当館の所蔵品から、ゴッホ、ゴーギャン、ルノワールの他、ボナール、ヴァロットン、ドニ、ヴュイヤールらナビ派を中心とした油彩・版画・素描・挿絵本・写真など約100点を紹介しています。

上:フィンセント・ファン・ゴッホ 《マルセル・ルーランの肖像》 1888年、油彩・カンヴァス
下:モーリス・ドニ 《赤いエプロンドレスを着た子ども》 1897年、油彩・厚紙


本展は以下の6つのテーマに沿って構成されています。
プロローグ Prologue 「子ども」の誕生 La naissance de « l’enfant »
1、 路上の光景、散策する人々 Scènes de rue & promenades Bonnard, Vuillard, Vallotton
2、 都市の公園と家族の庭 Jardins publics & jardins privés Bonnard, Vuillard, Ranson, Vallotton, Denis, Maillol, Müller
3、 家族の情景 Scènes de famille Bonnard, Maillol, Denis, Vuillard, Vallotton
4、 挿画と物語、写真  Illustrations & contes / Photographies
エピローグ Epilogue 永遠の子ども時代 L’enfance éternelle


ナビ派の画家たちは印象派に続く世代の出身で、19世紀末パリの前衛芸術「アバンギャルド」の一角を占めました。
ナビ派の画家たちは、子どもたちの天使のような可愛らしさ、優しさだけでなく、力強い生命力、そして小悪魔のような辛辣な側面をも描き出しています。

会場出口のフォトスポットです。
フェリックス・ヴァロットン作 《可愛い天使たち》 の画面を2分割して前後に置き、子どもたちに紛れ込んで写真を撮ることが出来ます。

基になった絵はこちらです。 フェリックス・ヴァロットン《可愛い天使たち》1894年 木販・紙
一見すると無邪気な子どもたちが描かれているように見えますが、よく観察すると、群れをなす子どもの中にいるのは警官と連行される貧しい身なりの男性です。無邪気ゆえに時に残酷さを伴う子どもの本質を風刺的に表しています。

可愛らしい子どもや、ほのぼのとした母子の絵もたくさんありますので、お近くの方は会場に足を運んでみて下さい。


画家が見たこども展」開催概要
開催期間:~2020年9月22日(火・祝)
休館日:月曜日(但し、祝日・振替休日、7/27、8/31は開館)
開館時間:10:00~18:00
入館は日時指定予約制になっています。詳細はこちらへ。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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