リュ―タン(Lutin) バラ ― 2021年09月01日 12時19分53秒
「WHO IS BANKSY? バンクシーって誰? 展」 Vol.2 ― 2021年09月01日 17時42分13秒
現代のストリートで表現を続けるアート界の異端児「バンクシー」のこれまでの軌跡をたどる展覧会、「WHO IS BANKSY? バンクシーって誰? 展」が、12月5日(日)まで東京都品川区の寺田倉庫G1ビルで開催されています。
1990年代にイギリスのブリストルでストリート・アーティストとしての活動を開始したバンクシーは、活動の場をブリストル以外にも広げ、大掛かりなプロジェクトにも挑むには、何らかの収入減が必要でした。
そこで、2000年代の初頭、ロンドン市内にアンダーグラウンドなアーティストのためのポップアップショップを開店、その後ロンドンで初の展覧会を開くなどし、バンクシーのプリント作品の価値はどんどん高騰していきました。
前回、実際のスケール感で臨場感がある、グラフィティの展示風景の一部をアップしましたが、今回はオリジナル作品(額装されたプリント作品)の写真をアップします。
《 Welcome to Hell (Pink)》 2004年 Sucreen print on paper 個人蔵
2004年に発表した「プラカード・ラット」シリーズの一つです。
この作品は3部作になっていて、3つを合わせると、今日の社会で見過ごされがちな不遇な貧者たちの空しさを強調する、メッセージになっています。
このプラカードには「Welcome to Hell (地獄へようこそ)」と書かれています。
ネズミは、バンクシーの作品の中で、ひときわ強い存在感を放つ存在です。
《Gangsta Rat 》 2004年 Spray paint on canvas 78×61㎝ 個人蔵
バンクシーは、2000年頃から街中に大量のドブネズミ(Rat)を描き残しています。
バンクシーの描くネズミは擬人化され、中でも街でいたずらをする「ギャングスタ・ラット」は代表的なシリーズになっています。
《 Nola 》 2008年 Sucreen print on paper 75.5×50㎝ 個人蔵
2005年にハリケーンによる大洪水で多くの命を失ったニューオリンズのストリートに、3年後に描かれたグラフィティをもとにしたプリント作品です。
本来雨を防ぐものである傘の内側が土砂降りになっています。州や国の災害対策を批判すると同時に、犠牲者を追悼しています。
《 Laugh Now 》 2003年 Sucreen print on paper 69.5×49.5㎝ 個人蔵
サルは、ネズミと並んでバンクシーの作品によく登場します。
首から下げたプラカードには「今は笑え。しかし、いつかは我々が勝つ」と書かれています。
2002年にナイトクラブの依頼でバーカウンター後ろの壁面、全長約6メートルにサルのモチーフを10回繰り返して描いた作品がもとになっています。6年後にこの壁画は撤去され、日本円で約5000万円で売れました。
《Monkey Parliament 》 2009年 Offset lithograph(poster) 53×84cm 個人蔵
チンパンジーに乗っ取られた議会は、かつて民主主義のモデルと讃えられていた、イギリス議会の凋落を描いています。
横約4メートルのキャンバスに油彩で描かれました。展示されているのはそのポスター版ですが、油彩画はサザビーズのオークションで約13億円で落札されました。
展示風景
《 Congestion Charge 》 2004年 Oil on canvas 69×79㎝ Paul Smith Collection
フリーマーケットで販売されていた無名の画家の作品に書き足すことで意味を変えてしまう、デトーナメント(転用)の手法を使ったシリーズの一つです。
田園風景の油彩画に、渋滞解消のためにロンドン市内への車の乗り入れを料金徴収によって制限する[C]の標識を描き加えています。
イギリスのファッション・デザイナー「ポール・スミス」の所蔵品で、本展への特別出品になります。
《 Gas Mask Fly 》 2002年 Spray paint on printed stamps on cardboard 101×101㎝ 個人蔵
バンクシーは、イギリスの象徴を風刺する作品を繰り返し発表しています。
ガスマスクを装着したハエの背景は切手シートです。よく見ると、切手シートのエリザベス女王もガスマスクを装着しています。
《 Di Faced Tenner 》 2004年 Lithograph 7.6×14.3㎝ 個人蔵
偽の10ポンド紙幣です。表にはダイアナ妃の肖像が描かれています。
上部には「BANK of ENGLAND」ではなく、「BANKSY of ENGLAND」と書かれています。
《 Turf War 》 2002年 Sucreen print on paper 50×34.9㎝ 個人蔵
イギリスのチャーチル元首相の頭が人工芝のようなモヒカンになっています。
これは、作品名の《 Turf War 》(縄張り争い)と人工芝(Astro turf )をかけたものと思われます。
《 Wrong War 》 2004年 Sucreen print on paper 29.5×21㎝ 個人蔵
2003年にロンドンで開催された大規模な抗議運動「イラク戦争反対デモ」で、参加者に無料で配られたステンシル画のプラカードがもとになった作品です。
スマイルマークの死神の下に「間違った戦争」と書かれています。
《 Happy Choppers 》 2003年 Sucreen print on paper 70×50㎝ 個人蔵
武装した軍用ヘリの頭にピンクのリボンを付けて、ハッピーなパステルカラーとダークなモチーフが混在する異様な作品になっています。
「Choppers」はアメリカ軍用ヘリを皮肉ったあだ名で、ブレードが周囲の空気を「Chop(切り刻む)」する様子と、輸送された兵士が地上にいる罪のない民間人にもたらす残虐な破壊行為の、二つの意味が込められています。
《 Love Is In The Art 》 2006年 Spray paint and acrylic on canvas 91×91㎝ 個人蔵
バンクシーの代表作の一つになっている作品です。
パレスチナ、ベツレヘムにあるガソリンスタンドの壁に描かれた、高さ5メートルほどの作品がもとになっています。 男の手には石の代わりに花束が握られています。
「愛こそが平和をもたらす」という、忘れてはならない人類の共通課題を表しています。
《 Girl with Balloon 》 2004年 Sucreen print on paper 70×50㎝ 個人蔵
2018年、サザビーズの競売で約1億5千万円で落札された直後に、バンクシー自身があらかじめ額縁に仕込んでおいたシュレッダーが作動して作品の下半分が細断されて、世界を驚愕させた作品です。
これもバンクシーを代表する作品で、今では平和運動のアイコンになっています。
これはプリント作品で、534/600の番号が記入されています。
「WHO IS BANKSY? バンクシーって誰? 展」Vol.1はこちら。
BANKSYの公式ホームページはこちら。
BANKSYのInstagramはこちら。
「WHO IS BANKSY? バンクシーって誰? 展」開催概要
開催会場:寺田倉庫 G1ビル (東京都品川区東品川2-6-4)
開催期間:2021年8月21日(土)〜2021年12月5日(日)
休館日:10月5日(火)、10月12日(火)、10月19日(火)
開館時間:11:00〜20:00
※金・土・祝前日は21:00まで (いずれも最終入場は閉館時間の30分前まで)
観覧料金:
【平日】 一般 2,000円 大学 高校生 1,800円 中学 小学生 1,300円
【土日祝(日時指定)】 一般 2,200円 大学・高校生2,000円 中学・小学生1,500円
※未就学児は無料 ※障害者手帳を提示の方は本人及び介護者1名無料。
※土日祝は、①11:00~15:00/②15:00~20:00(金、土、祝前日は 21:00)までの2部制となります。
※当日券も販売しますが、入場者数は制限されています。確実に入場するにはあらかじめチケットをお求めください。チケット購入はこちら。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
2021年9月4日追記
少女が風船を持った作品「Girl with Balloon(風船と少女)」は、「Love is in the Bin(愛はごみ箱の中に)」と改題され、2018年に落札した匿名のコレクターが所有していましたが、2021年10月14日にサザビーズのオークションに再出品されることになりました。
予想落札価格は400万~600万ポンド(約6億1千万~9億1千万円)とされています。
2018年にこの絵を購入した出品者はサザビーズのプレスリリースで、「3年前の現実とは思えない夜、私はたまたま、非常に恵まれたことに『Love is in the Bin』の所有者となった。」「世界で最も有名な芸術作品の一つが生まれた物語に参加できたのは夢のような旅だったが、今、この絵を手放す時が来た」と述べているということです。
サンスプラッシュ(Sunsplash) バラ ― 2021年09月02日 08時05分00秒
ミスジチョウ(コミスジ) ― 2021年09月02日 11時01分33秒
国営昭和記念公園の「野草のこみち」で飛んでいた、黒に白い紋が入った蝶です。
家に帰って調べて見ると、ミスジチョウの仲間で、コミスジという蝶だと思われます。
コミスジ(小三條、学名 :Neptis sappho)は、チョウ目(鱗翅目)、アゲハチョウ上科、タテハチョウ科、イチモンジチョウ亜科、ミスジチョウ属に分類されるチョウの一種です。
モンシロチョウなどのようにひらひらと飛ぶのではなく、グライダーのようにすぅーっと飛んでいます。
白い紋が一直線に繋がって、三本のスジのように見えるので、ミスジチョウなんですね。
コミスジは前翅の一番前の帯模様が途中で一ヶ所明確に分断される点で他の種類と区別でき、体の一部分に綺麗な青緑色の毛が生えています。
モノクロームの地味な翅色の中で、体の青緑色がひときわ輝いて見えます。
今日もご覧いただき、ありがとうございました。
ティア ドロップ(Tear Drop) バラ ― 2021年09月03日 15時33分39秒
GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は? ― 2021年09月03日 17時22分33秒
「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」展が東京都江東区の東京都現代美術館で開催されています。
私、横尾忠則さんにはあまり興味が無かったので観に行く気はなかったのですが、周りで何やら評判が良いので、行ってみる事にしました。
1960年代から常に第一線で活躍し、日本だけでなく世界を魅了し続けてきた現代アート界のレジェンド、横尾忠則。
本展は、そんな横尾忠則氏の60年以上にわたる創造の全貌を目の当たりにすることができる、集大成的な展覧会となっています。
横尾忠則の総監修のもとに、絵画を中心に初期グラフィック作品を加えた600点以上の出品作品により、横尾芸術の全貌に触れることができる最大規模の展覧会です。
2020年から2021年にかけて制作された大作の数々も本展で初公開され、入口から出口まで全てにおいて圧倒される大展覧会となっています。
細かく見ればクスッと笑ってしまうようなユーモアに溢れた作品が多いのですが、さすがに600点以上の作品群を見るのは、疲れてしまいます。
WITH CORONA(WITHOUT CORONA)
2020年から今日までTwitter、Facebook、ブログを通じて発信し続けている、様々なイメージを素材にしてマスクをコラージュした「WITH CORONA」シリーズです。
(2021年4月から「WITHOUT CORONA」と名称変更)
展覧会公式カタログ「GENKYO 横尾忠則Ⅱ Works 原郷から幻境へ、 そして現況は?」は、税込7,920円もするので購入しませんでした。
税込2,420円の展覧会公式ガイドブック「GENKYO 横尾忠則ⅠA Visual Story 原郷から幻境へ、そして現況は?」というお手頃なのがあったので、そちらを買ってきました。
ガイドブックといっても、図版オールカラーで160ページある立派なものです。
開催会場:東京都現代美術館 企画展示室 1・3階
開催期間:2021年7月17日(土)〜10月17日(日)
休館日:月曜日 9月20日(月・祝)は開館し、9月21日(火)休館
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般 2,000円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,300円、中高生 800円、小学生以下 無料
※金額はいずれも税込
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳持参者とその付き添いの方(2名まで)は無料。
※事前に予約優先チケット(日時指定)の購入が可能(こちら)
※美術館内チケットカウンターでも当日券を販売します。
※開催内容は都合により変更となる場合があります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
イエロー・メイアンディナ(Yellow Meillandina) バラ ― 2021年09月04日 11時09分11秒
ひまわり ― 2021年09月04日 15時04分19秒
エール フランス(Air France) バラ ― 2021年09月05日 09時53分21秒
MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨 ― 2021年09月05日 15時22分07秒
東京現代美術館で開催されている「MOT アニュアル」は、若手アーティストの活動を通じて、国内の現代美術の潮流のひとつを紹介するグループ展として、1999年から開催されてきました。
今回で17回目を迎えます。
本展では、若手アーティストの活動から見えてくる現代美術の潮流を紹介しています。
本展で紹介されている小杉大介、潘逸舟、マヤ・ワタナベは、映像を主なメディアとしながら、自らや他者の身体表現を取り入れた作品で、社会のシステムや規範と対峙する人々の葛藤や応答の身振りを描いてきました。
オスロ在住の小杉大介と、現在アムステルダムを拠点とするマヤ・ワタナベは、どちらも各国の国際展や映像祭などで取り上げられ、注目を集めている若手アーティストです。
昨年の日産アートアワードでグランプリを受賞した潘逸舟も、今後のさらなる活躍が期待されています。
潘逸舟 《戻る場所》2011年、シングルチャンネル・ビデオ (6’51”) 他、展示風景
小杉大介 《すべて過ぎる前に忘れて》 2021年 シングルチャンネル・ビデオ、サウンド (15’21”)
マヤ・ワタナベ 《銃弾》 2021年、シングルチャンネル・ビデオ・インスタレーション、サウンド (9’00”)
マヤ・ワタナベ 《風景Ⅱ》 2014年 シングルチャンネル・ビデオ・インスタレーション、サウンド (15’00”)
開催会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
開催期間:2021年7月17日(土)〜2021年10月17日(日)
休館日:月曜日(ただし7月26日、8月2日、8月9日、8月30日、9月20日は開館)、8月10日、9月21日
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)
観覧料金:一般 1,300円 / 大学生・専門学校生・65歳以上900円 / 中高生 500円
※小学生以下は無料ですが、保護者の同伴が必要です。
※ 身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付添いの方(2名まで)は無料になります。
※本展チケットで、「MOTコレクション」も観覧できます。
※定員に余裕があれば美術館チケット売り場で当日券も購入できますが、予約優先チケット(日時指定券、日付指定券)を導入しています。(こちら)
※同時開催の「横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」展とのセット券がお得です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
最近のコメント