ローズ シナクティフ / ローズ シネルジック(Rose Synactif / Rose Synergique) バラ ― 2022年05月18日 07時57分14秒
ローズ シナクティフ (Rose Synactif)/ ローズ シネルジック(Rose Synergique)
作出年:1999年 作出国:フランス(デルバール Delbard) 系統:シュラブ(S: Shrub)
薄紫色の柔らかいフリル状の花びらが優雅で、気品のある薔薇です。高芯咲きから波打って開花していく丸弁高芯咲きの大輪花です。2006年パリ・バガテルの国際バラコンクールで金賞とベストフレグランス賞を受賞しています。
資生堂とデルパール社とのコラボで、この薔薇から資生堂・クレ・ド・ポーボーテのオードパルファム「ローズシネルジック」が誕生しました。もともとの名前は「エモーション ブルー」でしたが、その後「ローズ シネルジック」に変わり、現在「ローズ シナクティフ」になっています。
「ボテロ展 ふくよかな魔法」 Bunkamuraザ・ミュージアム ― 2022年05月18日 17時20分00秒
南米コロンビア出身の美術家、フェルナンド・ボテロ(1932~)の、日本では26年ぶりとなる大規模な絵画展「ボテロ展 ふくよかな魔法」が、渋谷の Bunkamuraザ・ミュージアムで開催されています。
東急百貨店本店のショーウインドウにコラボグッズなどが展示してありました。
会場入り口のフォトスポットです。
展覧会チラシの表と裏、《コロンビアの聖母》1992年と、《モナ・リザの横顔》2020年です。
ボテロに注目が集まったのは1963年、ニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧されたとき、ニューヨーク近代美術館のエントランス・ホールにボテロの《12歳のモナ・リザ》(※本展には出展されていません)が展示されたことに始まります。
ボテロ作品を特徴づけているのは、あらゆるかたちがふくらんでいるということです。
下はボテロが17歳の頃の作品です。女性の体はクローズアップされて紙のほぼ全体を占め、《泣く女》を描いていながら、初期作品から「ふくよかな」描写の片鱗を見せています。
フェルナンド・ボテロ 《泣く女》 1949年 水彩/紙 56×43cm
もともと洋梨はふっくらとしていますが、さらにぽっちゃりと美味しそうになりました。右上の少しかじったような跡と、左の方で顔を出している虫が、甘くて美味しい感を増幅しています。
虫のいる右の方にも小さな穴が見えます。「ここから入って食べながら中を通って出てきたんじゃないかな?」と、想像も「ふくらみ」ます。
フェルナンド・ボテロ 《洋梨》 1976年 油彩/カンヴァス 241×196cm
ボテロが描くと楽器もぽっちゃりとなります。ギターの非常に小さなサウンドホールが楽器をさらにふくよかに見せます。
フェルナンド・ボテロ 《楽器》 1998年 油彩/カンヴァス 133×172cm
高さが約2メートルもある花の絵を黄、青、赤と3色描いています。
フェルナンド・ボテロ 《黄色の花》《青の花》《赤の花》 (3点組) 2006年 油彩/カンヴァス 各199×161 cm
展示風景
キリストの磔刑を描いています。手足には釘が打たれ血を流しながらも、ふくよかなキリストが緊迫感を消し去り、なぜか安心感さえをも与えます。
フェルナンド・ボテロ 《キリスト》 2000年 油彩/カンヴァス 255×192cm
よく見ると大量の涙を流しているコロンビアの聖母。幼子イエスは現代的な服装で、手にはごく小さなコロンビアの国旗を持っています。
当時のコロンビアの政治的、社会的状況を表したものだと思いますが、すべてがふっくらと描かれているので、逆に温かみを感じるのです。
フェルナンド・ボテロ 《コロンビアの聖母》 1992年 油彩/カンヴァス 230×192cm
展示風景
片足を上げてレッスンをするバレリーナ。これだけの体を片足のつま先だけで支えるのは至難の業です。
フェルナンド・ボテロ《バーレッスン中のバレリーナ》 2001年 油彩/カンヴァス 164×116cm
展示風景
ボテロはサーカスの絵も多く描いています。
太った象が台の上で芸をしています。猛獣使いが象に比べて極端に小さいのに、このぽっちゃりとした像には威圧感が無く、ユーモラスな感じさえ与えます。
フェルナンド・ボテロ 《象》 2007年 油彩/カンヴァス 112×84cm
展示風景
ボテロは、美術史における主要な芸術家たちへ造形的なオマージュを数多く捧げてきました。
過去の巨匠たちの名作を基にした一連の作品では、ボテロ独自の様式により他の芸術家たちの作品を全く異なるものへと変容させています。
フェルナンド・ボテロ 《モナ・リザの横顔》 2020年 油彩/カンヴァス 136×100cm
展示風景
人物も動物も、楽器や日用品さえもが膨らんでいるボテロの作品群。 そこからは、官能、ユーモア、アイロニー(皮肉)などのニュアンスが複雑に絡み合い、独特の世界を作り上げています。
皮肉を込めた作品からも、ほっこりとした温かさが感じられ、心癒される作品群を堪能することができました。
会場の外、Bunkamura B1F テラスには雨の中、圧倒的な存在感を持つ鳥が舞い降りていました。
こんなに筋肉質で大きいのに、タイトルは《小さな鳥》です。
フェルナンド・ボテロ 《小さな鳥》 1988年 ブロンズ 広島市現代美術館蔵
公式図録(カタログ)も表紙が分厚く角を丸くし、中身も充実した「ふくよかな」一冊です。
「ボテロ展 ふくよかな魔法」開催概要
開催会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
開催期間:2022/4/29(金・祝)~7/3(日)
休館日:5/17(火)のみ
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで) (状況により変更あり)
観覧料金:一般1,800円、大高1,100円、中小800円
会期中すべての土日祝は事前に【オンラインによる入館日時予約】が必要となります。
詳細は公式サイトでご確認ください。
本展終了後、名古屋と京都へ巡回します。
名古屋 2022年7月16日(土)~9月25日(日) 名古屋市美術館(予定)
京都 2022年10月8日(土)~12月11日(日) 京都市京セラ美術館
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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