ランドラ(Landora) バラ ― 2022年06月14日 05時53分40秒
「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ」 ― 2022年06月14日 18時37分55秒
建築家 ル・コルビュジエが設計を担当し、世界文化遺産に登録されている国立西洋美術館のリニューアル工事が完成して第1回目となる企画展「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」が、9月11日まで開催されています。
ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州エッセンにあるフォルクヴァング美術館と国立西洋美術館は、同時代を生きたカール・エルンスト・オストハウス(1874-1921)と松方幸次郎(1866-1950)の個人コレクションをもとにそれぞれ設立された美術館です。
今回は国立西洋美術館リニューアルオープン記念として、フォルクヴァング美術館の協力を得て、自然と人のダイアローグ(Dialogue=対話)から生まれた近代の芸術の展開をたどる展覧会を開催しています。
本展では開館から現在にいたるまでの両館のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画までの100点を超える絵画や素描、版画、写真を通じ、近代における自然に対する感性と芸術表現の展開を観ていきます。
フリードリヒ、マネ、モネ、ピサロ、コロー、リヒター、ルノワール、マティス、クールベ、ルドン、エルンスト、セザンヌ、シニャック、カンディンスキー、クレー、ミロ、ムンク、ゴッホなど、西洋絵画の巨匠による「自然と人のダイアローグ」が、4つの章で構成されています。
Ⅰ章 空を流れる時間
クロード・モネ 《舟遊び》 1887年 油彩・カンヴァス 国立西洋美術館
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 《森の外れの騎手》 1874-75年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《オリーヴの園》 1910年頃 フォルクヴァング美術館
ゲルハルト・リヒター 《雲》 1970年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
Ⅱ章 「彼方」への旅
展示風景
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 《夕日の前に立つ女性》 1818年頃 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
ポール・ゴーガン 《扇を持つ娘》 1902年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
Ⅲ章 光の建築
展示風景
ポール・セザンヌ 《ベルヴュの館と鳩小屋》 1890-1892年頃 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
ポール・シニャック 《ポン・デ・ザール橋》 1912-1913年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
展示風景 ヴァシリー・カンディンスキー 『小さな世界』シリーズ 1922年 国立西洋美術館
Ⅳ章 天と地のあいだ、循環する時間
展示風景
クロード・モネ 《睡蓮、柳の反映》 1916年 油彩・カンヴァス 国立西洋美術館
クロード・モネ 《睡蓮》 1916年 油彩・カンヴァス 国立西洋美術館
エドヴァルド・ムンク 『アルファとオメガ』:(17)《絶望するアルファ》 1908-1909年 リトグラフ 国立西洋美術館
カミーユ・ピサロ 《収穫》 1882年 テンペラ・カンヴァス 国立西洋美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ばら》 1889年 油彩・カンヴァス 国立西洋美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ 《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》 1889年 油彩・カンヴァス フォルクヴァング美術館
たびたび発作に襲われたファン・ゴッホは1889年5月、花の季節にサン=レミの療養院に入院します。発作の不安と闘いながらも、心身を休めるように病室の窓からの眺めや庭の植物、病院裏の麦畑を描きました。
上の2点はその時の作品です。
翌年、転地先のパリ郊外オーヴェール=シュル=オワーズの麦畑で自らを銃で撃ち、還らぬ人となりました。ファン・ゴッホにとって「種まき」が生の始まりを象徴したのに対し、「刈り取り」は生の終わり、死を象徴したのでしょうか。自然との対話の中で生まれた作品なのかもしれません。
公式図録はB5変形サイズ、270ページで、出品全作品のオールカラー画像と作家の解説等を収録しています。(税込2,700円)
開催会場:国立西洋美術館
開催期間:2022年6月4日(土)〜2022年9月11日(日)
休館日:月曜日、7月19日(火) (ただし、7月18日(月・祝)、8月15日(月)は開館)
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は20:00まで)
入館料金:一般 2,000円、大学生 1,200円、高校生 800円
※中学生以下、心身に障害のある方及び付添者1名は無料(各種証明できるものが必要)
※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は各料金から200円引き(各種証明できるものが必要)
※入場方法等についての詳細は、展覧会公式サイトをご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
最近のコメント