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渋谷Bunkamuraで「マリー・ローランサンとモード」2023年03月14日 16時00分00秒

渋谷の「Bunkamura ザ・ミュージアム」で「マリーローランサンとモード」展が開催されています。

会場入り口で迎えてくれるのは 《お気に入りのドレスでポーズをとるローランサン》 (撮影:セシル・ピートン)です。

パステルカラーの簡潔で華やかな、夢見るような少女像という独特の画風を作り上げたマリー・ローランサンと、革新的なファッションを通して活動的な新しい女性像を提示したココ・シャネル。
同時代に活躍した二人は、1983年という同じ年に生まれ、奇しくも二人とも「ココ」という愛称で呼ばれていました。ココ・シャネルの本名はガブリエル・シャネル(Gabrielle Chasnel)です。

女性的な美をひたすら追求したローランサンと、男性服の素材やスポーツウェアを女性服に取り入れたシャネル。
本展では美術とファッションの境界を交差するように生きた二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、バイアスカットの女王と呼ばれるマドレーヌ・ヴィオネなど、モダンとクラシックが絶妙に融合するパリの芸術界を俯瞰しています。

マリー・ローランサン、41歳の自画像です。パリ社交界で人気の肖像画家となった頃の作品で、髪を短く切った「モダンガール」の装いをしています。
マリー・ローランサン 《わたしの肖像》 1924年 油彩、キャンヴァス 65.0×54.0cm マリー・ローランサン美術館蔵

当時パリの社交界で肖像画家として活躍していたローランサンに、シャネルも自身の成功の証に肖像画を依頼しました。本作の出来上がりに満足しなかったシャネルは書き直しを要求しましたが、ローランサンが譲渡しなかった為、シャネルが本作を受け取ることはありませんでした。
マリー・ローランサン 《マドモアゼル・シャネルの肖像》 1923年 油彩、キャンヴァス 92.0×73.0cm パリ・オランジュリー美術館蔵

本展は、
第1章:狂騒の時代(レザネ・フォル)のパリ
第2章:越境するアート
第3章:モダンガールの登場
エピローグ:蘇るモード
の4テーマで構成されています。

展示風景

ミューヨークの株価暴落に始まった世界恐慌の波に飲み込まれたフランスで、ローランサンの人気にも陰りが見えてきました。それに合わせるように作風も明るく強い色彩へと変わっていき、より女性らしい魅力を表現するようになります。
マリー・ローランサン 《ばらの女》 1930年 油彩、キャンヴァス 46.2×55.0cm マリー・ローランサン美術館蔵

本展のメインビジュアルともなっている作品です。
ローランサンが生涯にわたる深い親交を結んだファッションデザイナー、ニコル・グルーとその娘たちが描かれています。
マリー・ローランサン美術館館長の吉澤公寿氏がブノワット(一番右)から直接購入したという、吉澤氏お気に入りの逸品です。
マリー・ローランサン 《ニコル・グルーと二人の娘、ブノワットとマリオン》 1922年 油彩・キャンヴァス 102.0×82.0cm マリー・ローランサン美術館蔵

本展にはガブリエル・シャネルやマドレーヌ・ヴィオネ、ジャンヌ・ランバン、ポール・ポワレなどのドレスやコートをはじめ、数々の資料が展示されています。
1983年から30年以上にわたりシャネルのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルド(1933-2019)が、ローランサンの色使いから着想を得てデザインしたというドレスです。
ローランサンの初期の色調で、「ピンク、消え入るような淡いグレー、そしてもっと抑えた筆致で、更に黒の点も加わった」まさにローランサンの描く人物像のイメージそのものです。
カール・ラガーフェルド、シャネル 2011年春夏 オートクチュールコレクションより 《ピンクとグレーの刺繍が施されたロング・ドレス》 2011年 パリ、パトリモアンヌ・シャネル © CHANEL


マリー・ローランサンの絵画、ココ・シャネル、ポール・ポワレ、マドレーヌ・ヴィオネのデザインを豊富な資料とともに紹介し、専門家のテキストや解説も充実した図録です。
B5変形(257×190ミリ)、全168ページ(カラー112ページ、モノクロ54ページ) 税込2,750円


開催会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
開催期間:2023年2月14日(火)~4月9日(日)
休館日:以降 会期中無休
開館時間:10:00-18:00 (入館は17:30まで)
  ※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
入館料:当日一般 1,900円、大学・高校生 1,000円、中学・小学生 700円、未就学児は入館無料
  ※障がい者手帳の提示で、本人と付き添いの方1名様は半額

同展は2023年4月16日(日)~6月11日(日)、京都市京セラ美術館に巡回します。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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