コンテ ドゥ シャンパーニュ(Comte de Champagne)バラ ― 2023年04月09日 08時27分01秒
黒いチューリップ ― 2023年04月09日 10時19分24秒
ルーヴル美術館展 愛を描く ― 2023年04月09日 17時42分36秒
六本木の国立新美術館で「ルーヴル美術館展 愛を描く」が開催されています。
「LOUVRE」のスペル自体が「LOVE」を描いているという発想、「なるほど」です。
本展は、16世紀から19世紀半ばまで、西洋各国の主要画家の名画によって愛の表現の諸相をひもとく展覧会になっています。西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのか、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された73点の絵画を通して浮き彫りにしています。
プロローグ:愛の発明
第1章:愛の神のもとに ─ 古代神話における欲望を描く
第2章:キリスト教の神のもとに
第3章:人間のもとに ─ 誘惑の時代
第4章:19世紀フランスの牧歌的恋愛とロマン主義の悲劇
の5つのテーマで構成され、古代ギリシア・ローマとキリスト教という大きな二つの文化における愛の起源、欲望を原動力とする神々や人間の愛、子が親を敬う愛を中心とする親子愛、男女の人間味あふれる愛、牧歌的恋愛物語とロマン主義の特徴である破滅的な愛のテーマなどを、画家たちがどのように絵画表現してきたかを読み取ります。
フランソワ・ジェラール 《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》 1798年 油彩/カンヴァス 186 × 132 cm
若く美しいアモル(キューピッド)がプシュケの額にそっとキスするロマンティックな瞬間が描かれています。当時アモルとプシュケの恋は、プラトン主義の解釈に基づき、神の愛に触れた人間の魂が試練を経て幸せを知る物語と解されていました。
ブシュケの頭の上に蝶が舞っています。「プシュケ」はギリシア語で「蝶」と「魂」を意味する言葉だそうです。
アリ・シェフェール 《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》 1855年 油彩/カンヴァス 171 × 239 cm
14世紀イタリアの詩人ダンテの叙事詩『神曲』は、フランスでは19世紀前半、ロマン主義の時代に流行し、なかでも「地獄篇」に登場するパオロとフランチェスカの悲恋は人気を博しました。
ウジェーヌ・ドラクロワ 《アビドスの花嫁》 1852-1853年頃 油彩/カンヴァス 35.5 × 27.5 cm
ドラクロワは、19世紀フランスのロマン主義を代表する画家です。本作の主題は、イギリスの詩人バイロンが1813年に発表した「アビドスの花嫁」を題材にしています。
オスマン帝国時代、高官の娘ズレイカと、その兄(実は従兄)である海賊の首領セリムの恋仲を死が引き裂く悲恋物語が描かれています。
印象派が生まれた19世紀後半より以前の、宗教や戯曲などを題材にした、サロン調の美しい絵画が並びます。
その頃の絵画は上流階級の人たちが楽しむためのもので、「〇〇は△△を表す。」という法則を知らない者にはなかなか理解し難いものでした。本展ではそれを分かりやすく解説してくれているので、より深く作品を理解することができます。
図録の表紙は、ジャン=オノレ・フラゴナール 《かんぬき》 (1777-1778年頃)と、フランソワ・ジェラール 《アモルとプシュケ》または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》(1798年)です。
全作品の図版・解説と、16~17世紀、18世紀、19世紀、各時代の西洋絵画における愛についての論文が収録されており、読み応えたっぷりの一冊になっています。
A4変型(280×215 mm)287ページで、税込2,800円です。
本展は、京都市京セラ美術館へ巡回します。(2023年6月27日(火)-9月24日(日))
「ルーヴル美術館展 愛を描く」開催概要
開催会場:国立新美術館 企画展示室1E (東京・六本木)
開催期間:2023年3月1日(水)-6月12日(月)
休館日:毎週火曜日 ※5/2(火)は開館
開館時間:10:00-18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
観覧料金:一般2,100円、大学生1,400円、高校生1,000円
※中学生以下無料 ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
※一般以外は要証明
チケットについて詳細は公式ページで(こちら)。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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