伊藤若冲など全てが国宝!皇居三の丸尚蔵館「皇室のみやび」 ― 2023年12月02日 19時01分38秒
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」に行ってきました。
古くから日本の皇室は文化的所産を蒐集・蓄積し、芸術文化の振興に重要な役割を果たしてきました。
こうした皇室コレクションは宮内庁書陵部や正倉院事務所、東京国立博物館などに保管され、国民への公開や研究活用などに用いられてきましたが、1989(平成元)年に上皇陛下と香淳皇后が約6千点に及ぶ美術工芸品を国に寄贈されたことを契機に「三の丸尚蔵館」が設立され、1993(平成5)年に一般公開が開始されました。
しかし、宮家からの寄贈や遺贈によって収蔵品が年々増え、収蔵スペースが不足した為、2021年から一時休館していました。
まだ工事中ではありますが、今年11月に開館30年を迎え、「皇居三の丸尚蔵館」として一部開館して国民に公開しています。
現在は伊藤若冲の《動植綵絵(どうしょくさいえ)》など国宝を含む約6100件、約2万点を収蔵し、収蔵品には国宝や重要文化財に指定される可能性があるものも多く眠っているとみられています。
今回の展覧会は開館記念として、国宝などを中心に4期に分けて来年6月まで開催されます。
第1期 三の丸尚蔵館の国宝 令和5年11月3日(金・祝)―12月24日(日)
第2期 近代皇室を彩る技と美 令和6年1月4日(木)―3月3日(日)
第3期 近世の御所を飾った品々 令和6年3月12日(火)―5月12日(日)
第4期 三の丸尚蔵館の名品 令和6年5月21日(火)―6月23日(日)
第1期では全ての展示品が「国宝」になっています。
展示風景
藤原氏の氏神、奈良・春日大社の草創と、霊験の数々を描いた全20巻からなる絵巻です。
国宝 《春日権現験記絵》巻十九第二段(部分) 高階隆兼 鎌倉時代 延慶2年(1309)頃 絹本着色
国宝 《春日権現験記絵》巻十九第三段(部分) 高階隆兼 鎌倉時代 延慶2年(1309年)頃 絹本着色
《春日権現験記絵》を納めていた箱です。藤原氏と春日大社にゆかりの藤花の文様が表されています。
国宝 《藤折枝蒔絵箱》 鎌倉時代(14世紀) 木製漆塗・蒔絵
鎌倉時代中期の1274年・1281年に、モンゴル帝国(元朝)および属国の高麗によって2度にわたり行われた対日本侵攻である「元寇(げんこう)」のうち、1281年の2度目の来襲を描いたものです。
国宝 《蒙古襲来絵詞》後巻(部分) 鎌倉時代(13世紀) 紙本着色
伊藤若冲の作品は流石に人気があります。
国宝 伊藤若冲 《動植綵絵》 江戸時代(18世紀) 絹本着色
《動植綵絵》は、さまざまな動植物を30幅に描いた伊藤若冲の傑作にして日本花鳥画の代表作です。絵に専念した40歳頃から約10年をかけて制作されたものだといいます。
国宝 伊藤若冲 《動植綵絵 棕櫚雄鶏図》 江戸時代(18世紀) 絹本着色
国宝 伊藤若冲 《動植綵絵 紅葉小禽図》 江戸時代(18世紀) 絹本着色
小野道風35歳の書で、醍醐天皇の勅命で新調された、屏風の色紙形に書く漢詩の下書き(土代)です。
国宝 《屏風土代》 小野道風 延長6年(928年) 紙本墨書
図録(税込2000円)はA5判190ページで、作品解説に加え皇室に関するコラムなどが記されています。
「特別展示 御即位5年・御成婚30年記念 令和の御代を迎えて―天皇皇后両陛下が歩まれた30年」も開催されています(12月24日まで)。 本展と同時に観覧できます。
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」開催概要
開催会場: 皇居三の丸尚蔵館
開催期間:令和5年(2023年)11月3日(金・祝)〜令和6年(2024年)6月23日(日)
休館日:月曜日(ただし月曜が祝日または休日の場合は開館し、翌平日休館) 12月25日(月)〜1月3日(水)および展示替え期間・その他諸事情により、臨時に休館する場合があります。
開館時間: 午前9時30分〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
観覧料金:一般 1,000円 大学生 500円
※高校生以下及び満18 歳未満、満70 歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものを提示。
※無料の方も日時指定予約が必要
※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者各1 名は無料(予約不要)。
「図録(みやび展)付きチケット」(2,500 円)などお得なチケットもあります。詳細は公式チケットサイトへ(こちら)
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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