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目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論2024年09月08日 16時47分56秒

メタセコイヤの林が青々と茂り、鳥のさえずりが木々の間にこだまする生田緑地。
生田緑地
水をたたえた「奥の池」には覆いかぶさるような緑が映りこんでいます。
生田緑地

生田緑地の計画面積179ヘクタール(ha)とういう広大な敷地の中には、日本民家園、伝統工芸館、かわさき宙(そら)と緑の科学館、川崎市岡本太郎美術館、川崎国際生田緑地ゴルフ場、生田緑地ばら苑のほか、「ドラえもん」でお馴染みの藤子・F・不二雄ミュージアムなどの施設が点在します。

川崎市 岡本太郎美術館で開催されている常設展「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」に行ってきました。

屋外に展示されている岡本太郎美術館のシンボルタワー、高さが30メートルもある《母の塔》です。
岡本太郎の母、岡本かの子は多摩川のほとりに生まれ、太郎が誕生したのも母の実家であるこの地です。1964年に、岡本かの子文学碑《誇り》が太郎の手によって、多摩川河畔に建立されましたが、《母の塔》はこの碑と向かい合うように設計されました。
岡本太郎 《母の塔》 原型制作年1971年 構造:鉄骨造/外装:外殻GRCクラッシュパネル仕上 クラッシュタイル/人形彫刻: FRPブロンズ仕上 全高30m

「カフェテリアTARO」前の池に展示されている《樹霊Ⅰ》です。
1970年の日本万国博覧会(大阪万博)の際、《太陽の塔》の地下に展示された作品です。
岡本太郎 《樹霊Ⅰ》 制作年1970年/再制作年1997年 ブロンズ 高さ250cm 幅180cm 奥行100cm

川崎市岡本太郎美術館エントランスです。草がうっそうと茂って、「目もあやなオバケ王国」という展示テーマにぴったりのイメージです。
川崎市岡本太郎美術館

「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」展は収蔵作品展(常設展)として10月6日(日)まで開催されています。
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」
「目もあやな」という言葉、最近あまり聞かれなくなりました。漢字では「目も綾な」と書きます。目にも鮮やかなという意味があり、眩しいほどに美しい様子を表します。本展では「VIVID」という英訳で表現しています。

会場入口に展示されているのは、《千手》(せんじゅ)という奇妙な作品です。
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」
岡本太郎 《千手》 1975年 アルミニウム

川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」
『岡本の作品には人間の内にある真の姿として、オバケのようなキャラクターがたびたび現れます。岡本の冷静かつ無邪気な目線から表現された世界では、ほとんど妖怪に近い姿をなした生き物が駆け回り、生を哄笑します。 本展ではオバケ同様に既存の体制に抗いながらも、愛嬌ある作品を生み出し続けた、岡本が作り出した鮮やかなオバケ王国をご覧ください。』
(『 』内本展案内文のまま)
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」
1950年代後半から、岡本太郎はオバケについて興味を持ち、独自の視点でいくつかの記事を書いています。本展では「現代生活に失なわれているものは、何よりもイマジネーションだ。」と語る岡本太郎が集めたオバケについての資料、過去に語った怖い話やオバケに関する言葉を作品と合わせて紹介し、《夜》 《森の掟》 《駄々っ子》 《ノン》などの著名な作品から、《疾走する眼》 《赤い手》 《青い手》など人気作品を多数展示しています。

第1章:岡本太郎とオバケ
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」

私が大好きな岡本作品 《夜》 が展示してありました。
稲妻のように燃える赤い目、下から忍び寄る足とも手ともつかぬ指、ひそかに覗く髑髏の目、何ともおどろおどろしい絵画ですが、ナイフを隠し持って凛と佇む少女が正義の勝利を予感させます。
1948年に岡本太郎と、評論家の花田清輝が発起人となり、総合芸術運動を掲げて発足した研究会「夜の会」。その名称は、当時岡本のアトリエに掛かっていたこの作品《夜》に因んで付けられました。
岡本太郎 《夜》 1947年 油彩・キャンバス

岡本太郎は長年、資料としてしか見られてこなかった縄文土器の芸術性を再発見し、東北や沖縄に伝わる伝統的行事を取材してフィールドワークを行い、日本に眠っている古代から伝わる「伝統」を再発見しました。カメラを持って各地を回り、写真や文章で記録しています。その際岡本は「なまはげは霊である」というコメントを残しています。
岡本太郎 《なまはげ 秋田》 1957年2月12日 ゼラチン・シルバー・プリント

第2章:美術におけるオバケ
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」

各地を回った際に購入した岡本太郎の収蔵品の数々も展示されています。
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」

第3章:見つめるオバケ
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」

1970年の大阪万博の際に創られた《太陽の塔》は、未来を表す上部の「黄金の顔」と、現在を表す正面胴体部の「太陽の顔」の他に、過去を表す「黒い太陽」が背面に描かれています。
《太陽の塔》背面 1970年 繊維強化プラスチック(FRP)

第4章:目もあやな人間王国
川崎市岡本太郎美術館「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」

河童(かっぱ)は、日本の水の妖怪とされ、水神、またはその依り代、またはその仮の姿ともいわれています。
《河童像》は青森県小牧温泉(現・星野リゾート青森屋)内の、人口の湖がある公園に設置されていました。
《河童像》 岡本太郎
岡本太郎 《河童像》(部分) 1981年 繊維強化プラスチック(FRP)

展示風景


「目もあやなオバケ王国 岡本太郎のオバケ論」開催概要
開催期間:2024年7月12日(金)~2024年10月6日(日) 
本日以降の休館日:月曜日(9月16日、9月23日を除く)、9月17日(火)、9月24日(火)
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
観覧料:一般500円、高・大学生・65歳以上300円



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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