自衛隊の観測ヘリ「OH-1」オメガ(ニンジャ) ― 2024年12月08日 19時02分05秒
陸上自衛隊の観測ヘリコプター「OH-1」です。
機体のコールサインは「オメガ」。「ニンジャ」という愛称でも呼ばれています。
機種記号の「OH」は、航空着弾観測を表す Air Observation Post から「O」と、ヘリコプター(Helicopter)の「H」から付けられています。 この機体の機体記号(レジ)は「32637(JG-2637)」です。
OH-1は純国産機で、川崎重工業が主契約会社となり、富士重工業(現SUBARU)と三菱重工業が協力するという形で、1992年(平成4年)から製造計画が始まりました。2000年(平成12年)に、量産第1号機が自衛隊に納入され、運用が始まっています。
総組み立てや主要部品を川崎重工業、中部胴体を三菱(名古屋航空宇宙システム製作所)、エンジンを三菱(名古屋誘導推進システム製作所)、後部胴体その他を富士重工業(SUBARU)が担当して製造されています。
テールローターは尾翼下に組み込まれたダクテッド・ファンで、ユーロコプター社の商標である「フェネストロン( Fenestron )」とも呼ばれます。"Fenestron"はフランス語で"小窓" を意味します。
ユーロコプター社以外のヘリコプターでは、ダクテッド・ファン・テールローターというようです。
座席はダンデム(縦列)式で、前後にパイロットが搭乗する形式は対戦車ヘリAH-1S コブラや、AH-64D アパッチのような攻撃ヘリコプター(Attack Helicopter)にも共通します。胴体幅が狭く設計されているため、前方レーダー反射面積の抑制や目視での被発見率低下、前方からの被弾率を低下させるのに役立ちます。
観測ヘリの機能として、メイン・ローターマストの前部に、夜でも見られる赤外線センサー、可視光カラー撮影装置、レーザー距離測定装置を一体化した索敵サイトを搭載していて、この索敵サイトによって昼夜を問わず探知、認識任務にあたることが可能となっています。
胴体両側にスタブ・ウィング(小翼)があり、自衛用(空対空)として91式携帯地対空誘導弾発射機を2基納めたケースを左右に装備することが可能となっています。
スタブ・ウィングの機体寄り両側にあるのは増槽(増設燃料タンク)です。増槽を搭載することにより、550㎞の航続距離を720㎞に延ばすことが出来ます。
高性能を追求した弊害でコストも上昇してしまい、結果的に生産は38機(4機の試作機を含む)で終了しています。その後、2015年に海上に不時着後水没する事故(乗員は無事)により1機(32634=JG2634)を失い、現在は37機が全国で運用されています。
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