八戸市・蕪嶋神社のウミネコ(海猫) ― 2025年05月06日 16時02分16秒
青森県八戸市にある「蕪島(かぶしま)」は、ウミネコの繁殖地として有名です。
今から100年以上前の1922年(大正11年)に、「蕪島ウミネコ繁殖地」として国の天然記念物に指定されました。今ではウミネコを間近に見ながら絶景を楽しめる名勝地となっています。
島の頂上に鎮座する神社は「蕪嶋神社(かぶしまじんじゃ)」です。、島に山(やまへん)が付いて「蕪嶋神社」と表記されます。
蕪嶋神社は鎌倉時代の永仁4年(西暦1296年)に、市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)を福の神 弁財天として祀り、商売繁盛、漁業安全の守り神として古くから地元の人々の信仰を集めてきました。
2015年の火事で社殿が消失してしまいましたが、2020年に再建されています。
「蕪嶋神社」は「蕪」と「株」が同じ読みであることから、株価と人望の「株」が上がるご利益があるとも言われています。
古来よりウミネコは弁財天のお使いとされ、魚が多くいる漁場を教えてくれるので豊漁をもたらす鳥であり、幸運や富を運んでくれる神の使いとして大切にされてきました。
繁殖期の4~5月頃は島に菜の花が咲き、ウミネコにとっては卵を外敵から守るのに役立つといいます。
浜辺でもたくさんのウミネコが羽を休めています。蕪島の海岸には、沖に防波堤があるにもかかわらず、太平洋の荒波が押し寄せていました。
波の飛沫(しぶき)以外で白い点々に見えるのは、全てウミネコです。上空にもたくさんのウミネコが飛び回ります。
波が打ち寄せるギリギリのところまで、ウミネコたちが並んでいます。
岩の上に飛沫が飛んできても、平気でとまっていました。
蕪島は昔は島であった為、四方を海で囲まれ、天敵である動物が侵入しなかったことと、周辺海域にエサとなる魚が豊富にあったことが、ウミネコの繁殖地になった理由だと考えられています。
陸続きとなった参道を除く外周は柵で囲まれ、その全てがウミネコの羽休めの場になっています。
境内を歩く時はウミネコを踏ん付けないように、避けながら歩かなければなりません。
ウミネコのすぐ傍でじっと立っていると、靴の先をつついてきます。
人間に慣れていて、近づいても避けようとはしません。ハトよりも人慣れしています。神の使いですから、いじめる人間はいないんでしょうね。
気を付けていないと、天からフンが降ってきます。「ウン」が付いたと喜ぶ人もいるようで、実際、「ウン」が付いた人は社務所に行くと、ウミネコから幸運を授かったということで「会運(かいうん)証明書」という、「開運招福の絵馬」をいただけるそうです。
ウミネコが一斉に海側を向いているか、神殿側を向いているかは、風向きによって決まるようです。
「お前、何 ガンつけてんだよ!」 「そっちこそ、ジロジロ見るんじゃネエよ!」
同じウミネコでも、こちらのウミネコは気品があります。
草地にも岩場にもウミネコが白い点のように見え、すぐ目の前を掠めるように飛んでいきます。
ウミネコ(海猫)は、チドリ目、カモメ科、カモメ属に分類される鳥類です。ネコではありません。
「ミャアミャア」と鳴く声が猫の様なので、「海猫(ウミネコ)」の名が付きました。
日本では留鳥とされ、私の住居近くの横浜港でも、ユリカモメが北方に移動する夏の期間は、港にいるカモメは ほぼウミネコになります。
黄色い虹彩を持つ目の周りには鮮やかな赤い縁取りがあり、カモメの仲間の中でも怖い感じの顔つきをしています。
蕪島へは、3月頃になると繁殖の為多くのウミネコが飛来して営巣します。4月頃から産卵を始め、6月頃には雛がかえります。そして8月頃には幼鳥は蕪島を旅立っていくといわれます。
ウミネコの交尾は、オスがメスの背に飛び乗り、メスを踏みつけるように地面に押し付けます。
しばらくフミフミをしていますがその後オスはメスの背に座り、交尾の瞬間はオスがメスの後方に座ってチョンと尾羽をメスに押し当てるようにして行われます。
私、この行動を見ていると、いじめっ子が弱い子をいじめているとしか思えませんでした。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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