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「中平卓馬 火―氾濫」東京国立近代美術館2024年03月03日 18時43分15秒

「中平卓馬 火―氾濫」展が、東京国立近代美術館で開催されています。
東京国立近代美術館
中平卓馬(なかひら たくま、1938年7月6日 - 2015年9月1日)は、「アレ・ブレ・ボケ」の写真表現や、評論集『なぜ、植物図鑑か』などで知られる写真家、写真評論家です。
「中平卓馬 火―氾濫」東京国立近代美術館
東京生まれで、1963年東京外国語大学スペイン科を卒業。月刊誌『現代の眼』編集部に勤務していましたが、1965年に同誌を離れ写真家、批評家として活動を始めます。1966年には森山大道と共同事務所を開設、1968年に多木浩二、高梨豊、岡田隆彦らと季刊誌『PROVOKE』を創刊しています。
1970年頃までは森山大道とともに「アレ、ブレ、ボケ」の作風で一世を風靡しました。しかし、1973年発表の『なぜ、植物図鑑か』では一転してそれまでの姿勢を自ら批判し、「植物図鑑」というキーワードをかかげて新たな方向性を模索します。
そのさなか、1977年に急性アルコール中毒で倒れ、記憶の一部を失い活動を中断しましたが、療養の後写真家として再起。2010年代始めまで活動を続け、2015年に逝去されました。

会場風景:プロジェクターによる作品投影

本展は、
第1章 来たるべき言葉のために
第2章 風景・都市・サーキュレーション
第3章 植物図鑑・氾濫
第4章 島々・街路
第5章 写真原点
の5つの章で構成され、初期から晩年にいたる約400点の作品・資料から、中平卓馬の写真をめぐる思考と実践の軌跡をたどっています。

中平卓馬ポートレイト 1968年頃 撮影:森山大道  東京国立近代美術館
《中平卓馬ポートレイト》 1968年頃 撮影:森山大道  東京国立近代美術館 蔵

《夜》『デザイン』125号 1969年9月 美術出版社 個人蔵
《夜》『デザイン』125号 1969年9月 美術出版社 個人蔵

ここに展示されているのは、1971年に開催された「第7回パリ青年ビエンナーレ」の出品作です。
「写真によって個人の内面を世界に投影するのではなく、世界の側が個人に与える影響を示す」というコンセプトの基、「一日一日ぼくが触れるすべてを写真に写し、その日のうちに現像し、焼き付け、その日のうちに会場に展示する」という行為全てが作品でした。
中平卓馬 《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》 1971年(2012年にプリント) ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵

1971年のパリ青年ビエンナーレにおける「サーキュレーション」の再現展示を試みた、2017年シカゴ美術館での「Takuma Nakamura Circulation」の開催に際して制作された作品です。
中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
中平卓馬 「サーキュレーション ― 日付、場所、行為 【シカゴ美術館での再現展示(2017年)の際のプリント】》 1971年(プリントは2016年) ゼラチン・シルバー・プリント 中平元氏蔵

『なぜ、植物図鑑か』は、自らの初期の写真が厳しく否定されたことに対する、新たな実践のための宣言でした。
「(写真家が主観的にいだく)イメージを捨て、あるがままの世界に向き合うこと、事物(もの)を事物として、また私を私としてこの世界内に正当に位置付けること」こそ目指すべき方向であり、そのための方法として「白日の下の事物(もの)をカラー写真によって捉え、植物図鑑に収めて」いくことが宣言されます。
『なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集』(晶文社、1973)
『なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集』 晶文社、1973年

《氾濫》は、1974年に東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展の出品作です。
1971年から翌年にかけて雑誌で発表された作品が、都市をめぐる断片的なイメージを中心に、樹脂ボードに直貼りされたカラー写真48点で構成されています。
中平卓馬《氾濫》1974年、発色現像方式印画、169.5×597.5cm(48点組、各42.0×29.0cm) 東京国立近代美術館
中平卓馬 《氾濫》 1974年 発色現像方式印画 169.5×597.5cm(48点組、各42.0×29.0cm) 東京国立近代美術館蔵

中平卓馬「奄美」より 1975年(2023年にプリント) インクジェットプリント
中平卓馬「奄美」より 1975年(2023年にプリント) インクジェットプリント


中平卓馬《街路あるいはテロルの痕跡【『現代詩手帳』掲載作の原稿プリント】》 1976年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵
中平卓馬 《街路あるいはテロルの痕跡【『現代詩手帳』掲載作の原稿プリント】》 1976年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵
中平卓馬《街路あるいはテロルの痕跡【『現代詩手帳』掲載作の原稿プリント】》 1976年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵

中平卓馬存命中最後の重要な個展「キリカエ」(2011年)に展示されたカラーの大判プリント64点が展示されています。
中平卓馬《キリカエ【「キリカエ」展出品作】》2011年 発色現像方式印画 東京国立近代美術館蔵 (株)コム・デ・ギャルソン寄贈
中平卓馬 《キリカエ【「キリカエ」展出品作】》 2011年 発色現像方式印画 東京国立近代美術館蔵 (株)コム・デ・ギャルソン寄贈
中平卓馬《無題 #437》2005年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
「キリカエ」出品作より 中平卓馬 《無題 #437》 2005年 発色現像方式印画 東京国立近代美術館蔵

中平卓馬 《「日常」展出品作》 1997年 銀色素漂白方式印画 中平元氏蔵
中平卓馬 《「日常」展出品作》より 1997年 銀色素漂白方式印画 中平元氏蔵

本展のチラシは、4つ折りを開くとA4・4枚分より少し小さいくらいの横長サイズになります。
開くと全面に《氾濫》48点が印刷されています。

公式カタログは3月末迄には刊行しますと言われました。
A4変形 448ページで3,500円です。
郵送されてくるのを待つしかないので、なんとなく家の本棚を漁ったら、『まずたしからしさの世界をすてろー写真と言語の思想ー』(天野道映/岡田隆彦/高梨豊/多木浩二/中平卓馬/森山大道 共著 1970年)と、『なぜ植物図鑑か 中平卓馬映像論集』(1973年)が出てきました。
これでも読み直しながら待っていることにしましょう・・・


中平卓馬 火―氾濫」開催概要
開催会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開催期間:2024年2月6日(火)~ 4月7日(日)
休館日:月曜日
開室時間:10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)  入館は閉館30分前まで
観覧料金:一般 1,500円   大学生 1,000円
  ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。(要証明)
  ※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》」(2F ギャラリー4)も観覧できます。
  ※料金詳細は展覧会公式チケットサイトへ(こちら
  ※当日窓口販売もあります



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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