被爆80年企画展「HIROSHIMA1945」東京都写真美術館 ― 2025年08月06日 18時41分43秒
今日は「広島平和記念日(広島原爆忌)」です。
広島に原爆が落とされて、今日でちょうど80年が経ちます。
昨年、被爆者の立場から核兵器廃絶を訴え続けてきた「日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会」がノーベル平和賞を受賞しました。
にもかかわらず、世界ではロシアのメドベージェフ前大統領が「核兵器を使えば、あらゆる戦争を終わらせることができる」と持論を展開し、その発言を受けてアメリカのトランプ大統領は、ウクライナに侵攻するロシアに対抗するため原子力潜水艦2隻の「適切な地域」への配備を命じたとSNSで発信しています。
日本でも、「核武装が最も安上がりだ」として日本の核保有を主張する参政党のさや氏が、参議院選東京選挙区で、候補者32名の内2位で当選しています。
現在、世界は9ヶ国が保有する12,000発もの核兵器に脅かされ続けています。
原子爆弾投下の正当化が進む傾向にあるご時世、子供の頃を広島県で育ち「NO MORE HIROSHIMA(ノー・モア・ヒロシマ)」の声を聞き続けてきた私にとって、それは空恐ろしいことです。
広島が被爆して80年目にあたる今日、東京都写真美術館で開催されている「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」を観てきました。
1945年8月6日、広島は人類史上初めて原子爆弾による壊滅的な被害を受け、約14万人もの尊い命がその年のうちに犠牲となりました。
そんな中、自ら被爆しながら、あるいは放射線被曝の急性障害に苦しむ人間の姿に衝撃を受けながら、カメラを手に原子野を歩いた者たちがいました。
広島市民や報道機関のカメラマン、写真家たちは、自らの命を危険に晒しながら撮影した記録写真を、連合国軍総司令部(GHQ)による報道検閲(プレスコード)により、長い期間 世に出すことが出来ませんでした。
米軍は写真や医学資料を接収して本国に送り、日本陸軍は進駐軍の到着に備えて機密文書と共にネガ・プリントを没収して焼却しました。そのような環境においても撮影者たちは、ネガの一部を自宅に隠すなどして、強い意志で貴重な記録を散逸の危機から守ってきたのです。
同展解説文によると、当時 東方社にいた木村伊兵衛氏は、「ネガはカメラマンの命」と、GHQへの提出を頑なに拒み、「紙ヤキならいくらでもやいてやる」とプリントを渡して散逸を免れたといいます。
本展は、2023年に報道機関と広島市が共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」に国際登録を申請した「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」(写真1532点、映像2点)を基に構成し、広島原爆写真約160点と映像2点を公開しています。
資料の所蔵や保存・活用に携わってきた報道機関が連携し、原爆写真と映像の展覧会を主催するのは初の試みだということです。
展覧会は、
第1章:きのこ雲の下で ~8月6日の記録~
第2章:焦土の街 人間の悲惨 ~あの日からの1カ月~
第3章:遠い再建 占領下の苦闘 ~1945年末まで~
という3つの大きな章で構成されています。
以下、展示風景
開館後30分もすると、展示室内は幅広い年代の男性、女性などでいっぱいになりました。
「世界各地で戦火が絶えない今こそ、被爆者の『決して繰り返させてはならない』という訴えとともに、原爆写真と映像を広く共有しなければならない」という主催者の考えが、多くの人たちに伝わることを願います。
展覧会カタログはB5・134ページで、税込2,420円です。
開催会場:東京都写真美術館 地下1階展示室
開催期間:2025年5月31日(土)~8月17日(日)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
開室時間:10:00~18:00(木・金曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
観覧料金:一般 800円/大学生以下無料 /65歳以上 500円
※障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
※大学生以下、65歳以上、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも要証明
他の展覧会とのセット割引や各種優待があります。詳細は公式サイトご利用案内へ
主催:中国新聞社 朝日新聞社 毎日新聞社 中国放送 共同通信社
共催:東京都写真美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援:広島市 日本放送協会 日本写真家協会 日本ユネスコ国内委員会 広島県 (公財)広島平和文化センター
協力:株式会社フレームマン 株式会社写真弘社 広島国際文化財団
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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