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和田礼治郎《FORBIDDEN FRUIT》国立新美術館2024年02月25日 14時44分44秒

国立新美術館では、美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ「NACT View」を、2022年から開催しています。
第4回となる今回は、和田礼治郎(わだれいじろう)の《FORBIDDEN FRUIT》という作品です。
和田礼治郎は1977年広島県生まれで現在はベルリンで活動する彫刻家です。
物理的な現象や力学による独自の手法を通じて、宇宙、生命、時間などの形而上学的な主題に取り組んでいます。

和田礼治郎《FORBIDDEN FRUIT》国立新美術館
建築家の黒川紀章が設計した美術館のエントランス前パブリックスペースには円形の庭があり、そこにはザクロやイチジク、レモンの果樹が生えています。中央には美術館の壁面に溶け込むような強化ガラスの構造体が放射状に配置され、ガラスのあいだにはリンゴ、ブドウ、パイナップルなど、様々な生の果実が挟まり空中で静止しています。
和田礼治郎《FORBIDDEN FRUIT》国立新美術館

和田礼治郎《FORBIDDEN FRUIT》国立新美術館
これらの瑞々しい果実は時間が経つにつれ徐々に萎んでいき、最終的にはガラスの間から滑り落ちてしまい、地面で朽ち果てていきます。
和田礼治郎《FORBIDDEN FRUIT》国立新美術館
和田は、「生命が突然世界のなかに投げ入れられて存在し、突然落下する。生命が明滅する瞬間を果実に置き換えている」といいます。
和田礼治郎《FORBIDDEN FRUIT》国立新美術館
本作は、建築と庭園の要素を統合しつつ、生命と時間という根源的なテーマを風景として結晶化させています。
《FORBIDDEN FRUIT》は日本語で「禁断の果実」。旧約聖書の『創世記』の中でアダムとイブの話で知られる、「善悪の知識の木」を思い出します。



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「マティス 自由なフォルム」国立新美術館2024年02月23日 13時02分41秒

「マティス 自由なフォルム」展が、六本木の国立新美術館で開催されています。
マティス 自由なフォルム
本展は、アンリ・マティス(1869~1954年)が長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現、「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会で、フランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵だけでなく絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点を紹介しています。

Section1:色彩の道
Section2:アトリエ
Section3:舞台装置から大型装飾へ
Section4:自由なフォルム
Section5:ヴァンスのロザリオ礼拝堂
の5つのセクションで構成されています。

マティスがその60年以上におよぶ創造の歩みにおいて、熟慮と試行を重ねた末に到達したのは、アシスタントに色を塗ってもらった紙をハサミで切り抜き、それらを組み合わせて活き活きとした構図に仕立てあげる切り紙絵でした。
本展の目玉である、切り紙絵《花と果実》は、マティスの切り紙絵の作品の中でも巨大な部類に入り、5枚のカンヴァスが繋がって構成されています。ニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎える切り紙絵の大作です。
アンリ・マティス《花と果実》
壁面の一面を覆う広大な画面はタペストリーのようで、鮮やかな色彩によって装飾的豊かさが加わっています。
アンリ・マティス《花と果実》
アンリ・マティス 《花と果実》 1952-1953年 切り紙絵 410×870 cm ニース市マティス美術館蔵

こちらも目玉のひとつ、オルセー美術館所蔵の《ブルー・ヌード IV 》です。
彩色された紙を切り貼りする切り紙絵の技法は、厳密な色面の構成を可能とし、印刷物やテキスタイルなどの表現媒体にも適応します。
アンリ・マティス《ブルー・ヌード IV 》1952年 切り紙絵 103×74cm オルセー美術館蔵
アンリ・マティス 《ブルー・ヌード IV 》 1952年 切り紙絵 103×74cm オルセー美術館蔵

アンリ・マティス《蜜蜂》1948年
アンリ・マティス 《蜜蜂》 1948年 グワッシュで彩色、裁断、張り合わせた紙/厚紙に糊付け(カンヴァスで裏打ち) ニース市マティス美術館蔵

1948年から1951年にかけての4年間、マティスはヴァンスにあるドミニコ会の修道女のためのロザリオ礼拝堂の建設に専心します。マティスはこの礼拝堂の室内装飾から典礼用の調度品、そして典礼のさまざまな時期に対応する祭服に至るまで、デザインのほとんどを指揮し、総合芸術作品として練り上げました。
マティス芸術の集大成とも言えるこの礼拝堂を体感できる空間が、展示室内に再現されています。

展示風景

アンリ・マティス《ステンドグラス、「生命の木」のための習作》1950年 ステンドグラス
アンリ・マティス 《ステンドグラス、「生命の木」のための習作》 1950年 ステンドグラス 78.5×91.2×2cm(左)、62.3 × 91.5 × 2 cm(右) ニース市マティス美術館蔵

アンリ・マティス《祭壇のキリスト磔刑像》1949年
アンリ・マティス 《祭壇のキリスト磔刑像》 1949年 鋳造:ヴァルスアーニ 1965年 ブロンズ ニース市マティス美術館蔵
アンリ・マティス 《聖ドミニクス》 1949年 筆と墨/紙 300×134.5 cm ニース市マティス美術館蔵

ステンドグラスの窓から透過する光は、壁面や床面に、豊かな色彩が反映されるように設計されています。



今から70年以上前の1951年3月、現在の東京国立博物館(上野)で、日本で初めてのマティス展が開催されました。東京、大阪(大阪市立美術館)、岡山(大原美術館)を巡回し、戦争を経て長く西洋文化との交流が無かった時代に、熱狂的に迎え入れられました。本展では当時の様子も資料などで紹介しています。

展覧会の主催者の一つであった読売新聞社に、マティスは3点の《顔》を寄贈しました。
展示風景 《顔》

「別冊 文芸春秋」誌では、4回にわたり表紙と裏表紙にマティスの切り紙絵が掲載されています。

本展の図録はB5変形、本文336ページ、ハードカバー上製本で、全出品作品161点のオールカラー画像に加え専門家による論文・解説を日本語とフランス語で収録しています。私はフランス語は読めませんが・・・
税込3,300円です。最近公式図録も値段が高くなりました。


開催会場:国立新美術館 企画展示室 2E (東京都港区六本木7-22-2)
開催期間:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
休館日:毎週火曜日 ※ただし4月30日(火)は開館
開館時間:10:00 ~ 18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
観覧料金:一般:2200円/大学生:1400円/高校生:1000円
  ※中学生以下は入場無料
  ※ 障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料 
  ※2024年4月3日(水)~8日(月)は高校生無料観覧日(要学生証提示)

2023年4月には、上野の東京都美術館で「マティス展 Henri Matisse: The Path to Color」が開催されました。ブログはこちら



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エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道2023年10月25日 18時41分41秒

エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道」でランチコースをいただきました。
エンポリオ アルマーニ カフェ(EMPORIO ARMANI CAFFE)は、イタリアのファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニがプロデュースするエレガントなイタリアンスタイルのカフェです。

前回来た時と同じ表参道沿いの席に案内されました。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

スパークリングワインとソフトドリンクが選べます。ここは当然、スパークリングワインです。車ではないのでアルコールもOKです。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

パンもたっぷりあります。写真を撮るのを忘れてバケットを一切れ食べてしまいました。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

前菜です。茄子のうんちゃらなんちゃらと言っていました。ソースに混じっている黒いもの、トリュフかと思ったら「炭」でした。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

サラダには生ハムがたっぷり載っています。塩味が少し強めで肉の味もしっかりとしているので、サラダというより前菜のような感じです。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

パスタはスズキのペペロンチーノです。鈴木さんが作っているのではなく、魚の“鱸(スズキ)”です。秋の季語にもなっています。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

エンポリオ アルマーニ カフェ10月のマンスリー・パフェは、「梨 レモン プラリネのパフェ」です。
月毎に旬な食材に変わるので、毎月パフェだけを食べに来る人も多くいるようです。 私もこれが目当てで、パフェが入ったコースを頼みました。
梨 レモン プラリネのパフェ
パリパリのアーモンドフロランタン、アーモンドプラリネのジェラート、梨。 ジェラートの下に敷かれたコクのあるアーモンドクランブルがぽろぽろとした独特の食感を与えます。 瑞々しい梨と梨ジャムが層になり、濃厚な味わいのアーモンドプラリネクリームとレモンクリームの下には シャンティ、梨のソース、サクサクの梨があります。 爽やかなレモンバーベナ(ハーブの一種)のゼリーが後味を彩ります。
「シャンティ」って何?と聞いたら、泡立てた生クリームをいうそうです。フランス語で、chantilly 。とってもオシャンティ❣

コーヒーか紅茶に、チョコレートの小菓子が付きます。ホワイトチョコレートがハートの形です。
私が頼んだのは普通のコーヒーですが、カフェラテにはハートのラテアートが施してありました。
エンポリオ アルマーニ カフェ 表参道

コーヒーに入れる砂糖は2種類あります。私、コーヒーに砂糖は入れないのですが、一袋ずつ貰ってきました。
色の濃い方「Brown Sugar(ブラウン シュガー)は分かるのですが、白い方の「Zucchero-Sugar(ズッケロ シュガー)」ってなんでしょう。ズッケロはイタリア語で「砂糖」。シュガーは英語で「砂糖」。なので、「砂糖・砂糖」になってしまいます。イタリアのお店なのでイタリア語と英語を併記したみたいですね。中身は普通のグラニュー糖でした。



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国立新美術館「テート美術館展 光 - ターナー、印象派から現代へ」2023年08月15日 16時00分10秒

六本木の国立新美術館で「テート美術館展 光 - ターナー、印象派から現代へ」が開催されています。
国立新美術館

TATE(テート)は、英国政府が所有する美術コレクションを収蔵・管理する組織で、ロンドンのテート・ブリテン、テート・モダン、テート・リバプール、テート・セント・アイヴスの4つの国立美術館を運営しています。

本展は、英国・テート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選し、18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの、独創的な創作の軌跡に光をあてた展覧会です。

1770年代の絵画に始まり、大気と光の効果を追求したターナー(1775 - 1851年)、風景画の名手コンスタブル(1776年 - 1837年)などロマン派といわれた画家や、モネ、ピサロ、シスレーなど印象派から現代美術まで、異なる時代、異なる地域で制作された約120点の作品を一堂に集めた、テート美術館収蔵作品選りすぐりの展覧会となっています。
テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《光と色彩(ゲーテの理論)—大洪水の翌朝—創世記を書くモーセ》 1843年出品 油彩 / カンヴァス 78.7×78.7cm
 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 《光と色彩(ゲーテの理論)—大洪水の翌朝—創世記を書くモーセ》1843年出品
ターナーは、光と色の効果を捉えることに重点を置き、自然界の大気の渦について描いています。この作品ではゲーテの色相環の内、暖色系の色相を表現し、大洪水の後の神と人間との契約を祝福するものとして描いています。

ジョン・コンスタブル 《ハリッジ灯台》 1820年出品? 油彩 / カンヴァス 32.7×50.2cm
ジョン・コンスタブル 《ハリッジ灯台》 1820年出品? 油彩 / カンヴァス 32.7×50.2cm
雲が頭上に落とす暗い影と明るい陽光を浴びる灯台の、光と影の対比が見事に表現されています。

展示風景  鏡の作品は、草間彌生 《去ってゆく冬》 2005年 鏡 / ガラス 180×80.5×80.5
展示風景 草間彌生 《去ってゆく冬》 2005年 鏡 / ガラス 180×80.5×80.5
鏡で構成された立方体には穴が開いていて、この穴を覗くと合わせ鏡のように連続する映像を見ることができます。

ジョン・ブレット 《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》 1871年 油彩 / カンヴァス106×212.7cm
ジョン・ブレット 《ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡》 1871年 106×212.7cm
ブレッドは画家であると同時に天文学者でもあり、科学的な観点をもって対象にアプローチしています。雲間から海に濯ぐ「天使の梯子(薄明光線)」が輝くように描かれています。

クロード・モネ 《エプト川のポプラ並木》 1891年 油彩 / カンヴァス 92.4×73.7cm
クロード・モネ 《エプト川のポプラ並木》 1891年 油彩 / カンヴァス 92.4×73.7cm
印象派を代表するモネは、自然を直接観察することによって、光が風景に与える影響とその変化を捉えました。

アルフレッド・シスレー 《春の小さな草地》 1880年 油彩 / カンヴァス 54.3×73cm
アルフレッド・シスレー 《春の小さな草地》 1880年 油彩 / カンヴァス 54.3×73cm
印象派の設立メンバーでもあるシスレーは、風景における光の効果に細心の注意を払いました。明るい黄色の帽子が目を惹く人物は画家の娘のジャンヌで、爽やかな春の光が長く伸びた木々に当たり、影を落としています。

カミーユ・ピサロ 《水先案内人がいる桟橋、ル・アーヴル、朝、霞がかった曇天》 1903年 油彩 / カンヴァス 65.1×81.3cm
カミーユ・ピサロ 《水先案内人がいる桟橋、ル・アーヴル、朝、霞がかった曇天 1903年 油彩 / カンヴァス 65.1×81.3cm
ピサロも印象派の重要なメンバーでした。本作は、港の波立つ水面に映るどんよりとした朝の光を捉えています。

ウィリアム・ローゼンスタイン 《母と子》 1903年 油彩 / カンヴァス 96.9×76.5cm
ウィリアム・ローゼンスタイン 《母と子》 1903年 油彩 / カンヴァス 96.9×76.5cm
描かれているのは画家の妻アリスと、その子供ジョンです。一つの窓から差し込む柔らかな光は、母子とドアと暖炉の一部を照らし、緻密な光の描写に細心の注意が払われています。
どこかフェルメールを思わせる、美しい絵画です。

ワシリー・カンディンスキー 《スウィング》 1925年 油彩 / 板 70.5×50.2cm
ワシリー・カンディンスキー 《スウィング》 1925年 油彩 / 板 70.5×50.2cm
私の好きな画家のひとり、カンディンスキーの作品です。
「絵画は音楽のように抽象的であるべきだ」という考えを持つカンディンスキーは、芸術、建築、デザインの革新的な学校「バウハウス」で教鞭をとったことでも知られています。カンディンスキーにとって色彩は、芸術を伝統的な表現から解き放つために不可欠な物でした。

ペー・ホワイト 《ぶら下がったかけら》 2004年 紙 / 糸 サイズ可変
ペー・ホワイト 《ぶら下がったかけら》 2004年 紙 / 糸 サイズ可変
本作品は、482本の糸とスクリーン印刷された紙片から構成され、天井からぶら下げるモビール・インスタレーションとなっています。その影が生み出すのは、大空を飛ぶ鳥の姿でしょうか。

展示風景
ゲルハルト・リヒター 《アブストラクト・ぺインティング(726)》 1990年 油彩 / カンヴァス 251×351cm
ゲルハルト・リヒター 《アブストラクト・ぺインティング(726)》 1990年 油彩 / カンヴァス 251×351cm
リヒターにとって光は中心的なテーマです。リヒターは、1960年代に写真のイメージを絵画で描き移した「フォト・ペインティング」を発表し、注目を集めるようになりました。

ピーター・セッジリー 《カラーサイクルIII 》 1970年 アクリル / カンヴァス 184.1×182.9cm
ピーター・セッジリー 《カラーサイクルIII 》 1970年 アクリル / カンヴァス 184.1×182.9cm
コンピューターによって制御された光の点滅は一切の規則性を排除し、その中に一定の秩序を見出そうとする観客の欲求をも排除し続けるのです。

ピーター・セッジリー 《カラーサイクル III 》 1970年 アクリル / カンヴァス 184.1×182.9cm
ピーター・セッジリー《カラーサイクル III》 1970年 アクリル/カンヴァス
セッジリーは、一貫して色と光を探求してきた作家として知られています。本作品では、それぞれ異なる色の円が同心円状に重ねられた画面に、プログラミングによって一定の時間で変化する光が当てられています。同心円の光と色はさまざまに変化します。

デイヴィッド・バチェラー 《ブリック・レーンのスペクトラム 2》 2007年 ライトボックス / スチール製の棚 / アクリルシート / 蛍光灯 / ケーブル / プラグボード 761.5×90×31cm
デイヴィッド・バチェラー 《ブリック・レーンのスペクトラム 2》 2007年 ライトボックス / スチール製の棚 / アクリルシート / 蛍光灯 / ケーブル / プラグボード 761.5×90×31cm
色とりどりのライトボックスを積み上げた背の高い柱型の作品は、ロンドン東部のブリック・レーン・エリアの、飲食店などの照明やサインを思い起こさせます。

リズ・ローズ 《光の音楽》 1975年 白黒の16ミリフィルムをビデオプロジェクターで展示 / モノラル音声 / 25分
リズ・ローズ 《光の音楽》 1975年 白黒の16ミリフィルムをビデオプロジェクターで展示 / モノラル音声 / 25分
インスタントレタリングやスクリーントーンで知られるレトラセット社の書体をフィルムストリップに貼り付け、スクリーン上に抽象的な線として映し出し、プロジェクターでその線を音声に変換して読み取っています。室内に流れる音楽は画面に映される線と線の間にある空間に対応したもので、見えるものと聞こえるものの間に、直接の指標となる関係を生み出しています。鑑賞者参加型のインスタレーションになっています。


オラファー・エリアソン 《星くずの素粒子》 2014年 ステンレス・スチール / 半透明のミラー / ワイヤー / モーター / スポットライト 直径170cm
オラファー・エリアソン 《星くずの素粒子》 2014年 ステンレス・スチール / 半透明のミラー / ワイヤー / モーター / スポットライト 直径170cm
オラファー・エリアソンは、特定の環境下で光と色がどのように知覚されるかを考察している作家です。
半透明の作品はミラーボールのように回転して輝き、その光は拡大された星くずの素粒子、もしくは爆発した星の残骸のような模様を壁に映し出します。


本展の図録はA4変形256ページで、日本経済新聞社から発行されており、楽天ブックスでも購入することができます。税込3,300円です。最近図録の値段が高くなったので困っております。
テート美術館展 図録

テート美術館の7万7000点超に及ぶ収蔵品の中から厳選した絵画や写真、インスタレーションなど約120点が一堂に会する本展は、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドでも開催された世界巡回展で、10月26日(木)から大阪中之島美術館に巡回します。
印象派以前から現代までの約200年間におよぶ芸術の流れを理解することができる、お勧めの展覧会です。


開催会場:国立新美術館 企画展示室2E
開催期間:2023年7月12日[水]-10月2日[月]
休館日:毎週火曜日
開館時間:10:00−18:00  毎週金・土曜日は20:00まで  入場は閉館の30分前まで
観覧料金:一般 2,200円  大学生 1,400円 高校生 1,000円 (全て税込)
  ※中学生以下(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料
  ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

エンポリオ アルマーニ カフェ「スイカとプラムのモヒートパフェ」2023年07月25日 17時20分23秒

表参道にある「EMPORIO ARMANI CAFFE(エンポリオ アルマーニ カフェ)」でランチコースをいただきました。
イタリアのファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニがプロデュースするエレガントなイタリアンスタイルのカフェです。

予約をしてから行ったので、「RESERVE」札が置いてある、表参道のケヤキ並木が見える良い席に案内されました。
エンポリオ アルマーニ カフェ(EMPORIO ARMANI CAFFE)

食前酒でスパークリングワインが出ます。ソフトドリンクも選べます。

前菜です。ソースはマヨネーズとツナを使っているということです。ツナマヨじゃん!と思ったのですが、全く違ってローストビーフによく合う絶妙な味のバランスです。

パンは甘みがあって美味しい。

サラダです。山盛りです。生ハムも入っていて、パンとサラダだけでお腹いっぱいになります。

パスタに入っている角切りの魚、カジキと言ったかな?違うかな? トッピングされている海苔の、磯の香りと相まって美味しさを引き出しています。少なく見えますが、お皿が深いのでかなりの量があります。

今日のお目当ての品、エンポリオ アルマーニ カフェ 7月のマンスリー・パフェ「スイカとプラムのモヒートパフェ」です。
お昼時なのに、周りの席はこれだけを注文している人を多く見かけます。月毎に旬な食材に変わるので、毎月パフェだけを食べに来る人もいるようです。 すごいボリュームです。ランチならパフェだけでも充分でしょう。価格もこれだけで2,600円+サービス料10%ですから・・・
エンポリオ アルマーニ カフェ(EMPORIO ARMANI CAFFE)「スイカとプラムのモヒートパフェ」
逆光になってしまいましたが、スイカ、プラム、スイカのソルベ、塩ミルクジェラート、甘く爽やかな味わいのイタリアワイン「モスカート・ダスティ」とミントのグラニテ(シャリシャリ食感の氷菓)、オートミールクランブル、アーモンドキャラメル、生姜で香り付けした生クリーム、生姜のコンフィチュール、プラムのクリーム、モヒートゼリー、スイカとプラムのマリネ、プラムのジュレと、グラスの中に複数の繊細なパーツが重なるアルマーニ流のこだわりパフェです。上品な甘さですが味は濃い目です。

コーヒーか紅茶に、チョコレートの小菓子が付きます。
高級そうなレストランに行った時は、お店の人に写真撮影の了解を取って、周りの人がシャッター音を気にするといけないのでスマホではなくコンデジ(Canon G7XⅡ)を使います。なぜかピントがちゃんと合わなくなってしまいました。 修理に出さなくては・・・
余談ですが、隣の席に座ったお嬢さんは、ミラーレス一眼であらゆる角度からパフェの写真を撮っていました。「インスタグラマー」かなぁ?細身なんだけど・・・

ファッションブランドの店なので味はそんなに期待していませんでしたが、新鮮な食材を使って工夫された味付けで、とても美味しくいただけました。



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六本木ヒルズ・毛利池の「宇宙メダカ」2023年07月22日 17時40分00秒

六本木ヒルズ・毛利庭園にある毛利池。ここは、1650年頃から長府藩主である毛利家の上屋敷でした。現在では再開発により六本木ヒルズになっています。
六本木ヒルズ・毛利池
吉良邸に討ち入った赤穂浪士の岡嶋八十右衛門ら10人がお預けになり切腹した場所として、又、乃木大将誕生の地としても知られています。

2003年、毛利池に宇宙飛行士の毛利衛さんらの手により、およそ1万匹の「宇宙メダカ」が放流されました。
六本木ヒルズ・毛利池の「宇宙メダカ」
1994年7月にスペースシャトル「コロンビア号」で、向井千秋宇宙飛行士とともに4匹のメダカが15日間宇宙飛行しました。  このメダカは脊椎動物として初めて宇宙で産卵を行い、産卵された卵から宇宙飛行中にメダカの幼魚がふ化しました。放流されたメダカは、その「宇宙メダカ」と名付けられたメダカの子孫たちです。
六本木ヒルズ・毛利池の「宇宙メダカ」
「宇宙メダカ」は「緋メダカ」という品種で、薄いオレンジ色をしています。
宇宙メダカ
宇宙メダカを一般の河川に放流することや、野生のメダカと交配をすることは禁止されています。
その点で、この毛利池は外部河川とつながっていないことから宇宙メダカの放流が可能だったといいますが、なぜかこの池にはグレーのメダカが一緒に泳いでいます。
緋メダカは、野生型のメダカが持つ黒色の色素胞(黒色素胞)を欠いたためにできた変異型だといいます。色素が元に戻ってしまった個体でしょうか?
宇宙メダカのことを知らない誰かが、野生型のメダカを放流してしまっていたとしたら、残念です。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

六本木ヒルズのアオサギ2023年06月11日 07時20分30秒

六本木ヒルズ・毛利庭園の毛利池で、最近よくアオサギを見かけます。
アオサギ(青鷺、蒼鷺)はペリカン目、サギ科、アオサギ属の鳥で、本州・四国では年間を通して生息しています。
因みに、北海道へは夏鳥、九州以南へは冬鳥として飛来してきます。
アオサギ(青鷺、蒼鷺)
毛利池には、1994年にスペースシャトル「コロンビア」内で向井千秋宇宙飛行士らが実験を行い、初めて宇宙で誕生したメダカの子孫「宇宙メダカ」など数種の魚類や、アメリカザリガニなどが住みついています。

それらの魚を狙ってアオサギが水中へ顔を突っ込みます。しばらく見ていたら、ほぼ100%の確率で獲物を捕獲しています。
アオサギ(青鷺、蒼鷺)

オレンジ色の小さな魚を捕らえました。大きく育った緋メダカでしょうか? だとしたら「宇宙メダカ」です。かわいそうに・・・
アオサギ(青鷺、蒼鷺)

グレーの魚を銜えています。魚の種類はよくわかりません。
アオサギ(青鷺、蒼鷺)

大きなアメリカザリガニを捕まえましたが、ちょっと持て余し気味のようです。口に銜えたまま茂みの中に入っていきました。ゆっくり食べるんでしょうね。
アオサギ(青鷺、蒼鷺)

六本木ヒルズ・毛利庭園でアジサイが咲き始めました2023年06月07日 08時05分09秒

六本木ヒルズの毛利庭園でアジサイの花が咲き始めました。
六本木ヒルズ・毛利庭園
この地は、長門長府藩主だった毛利綱元の麻布上屋敷の跡地で、赤穂浪士の岡嶋八十右衛門ら10人が切腹した邸であり、乃木大将誕生の地でもあります。
毛利庭園のアジサイ

毛利庭園は、池を中心に、滝、渓流、川のせせらぎや桜、イチョウといった木々や、ハナショウブ、アジサイなどの花が配置され、六本木ヒルズの中で森タワーやテレビ朝日本社ビルが隣接する、回遊式日本庭園になっています。
毛利庭園のアジサイ

アジサイ(紫陽花)は、ミズキ目、アジサイ科アジサイ属の落葉低木の一種で、今、毛利庭園で咲いているのは、日本のアジサイの原種といわれる「ガクアジサイ」です。
毛利庭園のアジサイ
花のように見えるのは実は花ではなく、萼(がく)が大きく発達した装飾花です。ガクアジサイではこれが花序の周辺部を縁取るように並びます。
毛利庭園のアジサイ
紫、ピンク、白、青と、色とりどりの花が咲いていました。
毛利庭園のアジサイ

六本木アートナイト 鴻池朋子・皮トンビ2023年05月27日 20時38分40秒

5月27日(土)から28日(日)にかけて、「六本木アートナイト2023」が開催されています。
六本木アートナイトは街全体を美術館に見立て、夜を徹してアートを楽しむ一夜限りのイベントです。
今年のテーマは「都市のいきもの図鑑」。
メインプログラム・アーティストとして、鴻池朋子さんの作品が六本木の街にやってきました。

鴻池朋子(こうのいけ ともこ)は、1960年秋田県生まれで、1985年に東京芸術大学美術学部 絵画科 日本画専攻を卒業しました。 玩具会社での企画デザインや、インテリア雑貨店の企画室に勤めて雑貨や家具のデザインを手がけたのち、1998年より絵画、彫刻、パフォーマンス、アニメーション、絵本などの様々なメディアを用いて、現代の神話(動物が言語を獲得するまでの物語)を、地形や場とのサイトスペシフィック( Site-specific 特定の場所でその特性を活かして制作する表現 )なトータルインスタレーションで表現し、人間学/動物学、おとぎ話、考古学、民俗学などと学際的に対話を重ねて、エネルギーと芸術の問い直しを試みている美術家です。

国立新美術館の建物の前には《狼ベンチ》がいました。
国立新美術館の館内各所に、多くの鴻池朋子作品が展示されています。(観覧は無料です)

鴻池朋子 《狼ベンチ》
鴻池朋子 狼ベンチ
日本の狼信仰や、世界各地の神話や宗教に登場する「狼」は、鴻池作品の中で多く取り上げられています。
この作品はベンチになっていて、自由に座ることができます。当然、撫でまわすことも・・・
鴻池朋子 狼ベンチ
向こうの建物は、黒川紀章設計の国立新美術館です。
鴻池朋子 狼ベンチ

鴻池朋子 《陸にあがる》
鴻池朋子 陸にあがる
大鹿の雄々しい角と艶めかしい女性の足が滑らかに接続されています。
最初のバージョンは能登半島最北端の崖、海と陸の境目に設置されました。海で生まれた生物が、陸にあがるという進化の長いプロセスを連想することができます。


鴻池朋子 《アースベイビー》
鴻池朋子 アースベイビー
生まれたばかりの赤ん坊の顔には、光を追い求める人間の原始的な感覚と緊張がみなぎります。
近年鴻池朋子は、害獣として駆除されたさまざまな動物の毛皮を展示に使っています。下に置かれた狼の毛皮は、モンゴルで20年以上前に害獣駆除されたものです。
狼の毛皮

鴻池朋子が2014年から国内外で続けてきた、手芸を中核としたプロジェクトのひとつ、《物語るテーブルランナー》が館内各所、各フロアに展示されています。 向こうに見えるのは《皮トンビ》です。
鴻池朋子 物語るテーブルランナー

鴻池朋子 《武蔵野皮トンビ》 牛皮、水性塗料、クレヨン
鴻池朋子 皮トンビ
埼玉県所沢市にある「角川武蔵野ミュージアム」の建物壁面に展示された《武蔵野皮トンビ》が六本木にやってきました。
鴻池朋子 皮トンビ
商品化されずに切れ端として捨てられる運命だった皮を用いて創られています。「武蔵野ミュージアム」の壁面で風雨と陽光によって色や形を変えてきたトンビは、自然は時と共に変化することを観る者に教えてくれます。
鴻池朋子 皮トンビ

鴻池朋子 皮トンビ

鴻池朋子 皮トンビ

鴻池朋子 皮トンビ

「東京ミッドタウン」のガレリアに展示された《大島皮トンビ》です。
鴻池朋子 皮トンビ
「瀬戶内国際芸術祭2019」で、2019年6月から2020年2月まで香川県高松市の離島、大島に展示された《 皮トンビ 》。 大島にある国立ハンセン病療養所の裏山で長く閉ざされていた山道を切り開いて設置されました。
その後、東京都中央区にある「アーティゾン美術館」で開催された「鴻池朋子 ちゅうがえり Tomoko Konoike FLIP」でも展示されています。
鴻池朋子 皮トンビ

鴻池朋子 皮トンビ

《大島皮トンビ》の横に並んで《高松→越前→静岡→六本木皮トンビ》も展示されています。
鴻池朋子 皮トンビ
各地の美術イベントを巡回して展示されてきた作品です。
静岡県立美術館で開催されたみる誕生 鴻池朋子展」でも、美術館の裏山に展示されていました。
鴻池朋子 皮トンビ

鴻池朋子 皮トンビ

鴻池朋子 皮トンビ

六本木アートナイト2023」は基本的に今日・明日限りのイベントです。
この展示は28日(日)18時まで。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ2023年04月10日 18時38分51秒

六本木にある国立新美術館で開催されている「ルーヴル美術館展  愛を描く」とコラボレーションしたメニューが、館内のレストランやカフェで提供されています。

黒川紀章設計による国立新美術館の建物3階にあり、中空に浮かぶように輪を描く「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」は、フランスのポール・ボキューズの正統派フランス料理を気軽なスタイルで楽しめるブラッスリーです。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ

「ルーブル美術館展 特別コース」をいただきました。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ

前菜は、「オマール海老のポッシェ  アスパラガスのピューレ モリーユ添え ニコラ・ランクレ《鳥籠》をイメージして」です。
「ルーヴル美術館展  愛を描く」コラボメニュー
春から初夏にかけて旬を迎えるグリーンアスパラガスとオマール海老の色鮮やかなコンビで、作品に描かれた男女のモチーフを表現しています。
グリーンアスパラガス本来の甘みや香りが凝縮されたまろやかなピューレに、弱火で優しく茹でたオマール海老をのせて、モリーユ(茸)とマデラソースで官能的な味わいに仕上げています。
ミルクの泡、女性の青いドレスを表現した大根のピクルスや帽子のクルトンが、味わいと食感のアクセントになります。


魚料理は、「スズキとホタテのポワレ オレンジとトマトのサラダ オレンジ風味のブールブランソース ドメニキーノ(本名 ドメニコ・ザンピエーリ)《リナルドとアルミーダ》をイメージして」。
「ルーヴル美術館展  愛を描く」コラボメニュー
オレンジ、トマト、オリーブ、ハーブの地中海の香りとカラフルな色彩が印象的な、お魚の一皿です。
スズキとホタテに合わせているのは、柑橘のエッセンスを添えたフランス料理の王道、白ワインベースのブールブランソースです。
男女の間の誘惑が、愛くるしい天使らとともに描かれた作品の世界観を、お皿の上で再現しています。


肉料理は、「牛フィレ肉のグリエ 赤ワインソースとりんごのピューレ ジャガイモのドフィノワとともに ピーテル・ファン・デル・ウェルフ《善悪の知識の木のそばのアダムとエバ》より」。
「ルーヴル美術館展  愛を描く」コラボメニュー
牛フィレ肉とジャガイモのグラタン、赤ワインソースというクラシックなフランス料理に、善悪の知識の木に象徴される「りんご」のテーマをのせた、本コースのメインディッシュです。
りんごの果実味溢れる味わいが、牛肉の旨味とコクをぐっと引き立てます。穏やかな甘みと酸味の効いたりんごのピューレとりんごのキャラメリゼを添えて軽い苦味をプラスし、味わいに立体感を演出しています。


デザートは、「ホワイトチョコのムースとフランボワーズのソルベ ピスタチオ風味のアングレーズソース フランソワ・ブーシェ《アモルの標的》より」。
「ルーヴル美術館展  愛を描く」コラボメニュー
《アモルの標的》という作品の特徴であるロココ様式を代表するような優しく繊細な色遣い、6人のアモル(キューピッド)のそばに色とりどりの花が咲き、甘く優美な「愛」の様相をお皿の上で表現しています。
アモルを表わしたビスキュイ、アモルのシンボルである弓矢とハートのモチーフをホワイトチョコレートのムースにあしらい、愛の誕生を讃える華やかな一皿に仕上がっています。

イメージの基になった絵画の写真と料理の説明が載ったMENUがテーブルに置いてあるので、それを参考にいただくと、イメージが理解できます。
このブログの料理の説明は、ほぼほぼそのMENUからのパクりです。


ポール・ボキューズのロゴが入った、かわいいデミタスカップです。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ
反対側は「BRASSERIE PAUL BOCUSE」の文字とサインが入っています。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ
このカップとナプキンは販売もしています。買う気が無かったので値段は見ていませんが・・・
コースは税込8,800円でした。

昨日アップした「ルーブル美術館展 愛を描く」のブログはこちら



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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