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「マティス 自由なフォルム」国立新美術館2024年02月23日 13時02分41秒

「マティス 自由なフォルム」展が、六本木の国立新美術館で開催されています。
マティス 自由なフォルム
本展は、アンリ・マティス(1869~1954年)が長い芸術家人生で最後に到達した記念碑的な表現、「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会で、フランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、切り紙絵だけでなく絵画、彫刻、版画、テキスタイル等の作品や資料、約160点を紹介しています。

Section1:色彩の道
Section2:アトリエ
Section3:舞台装置から大型装飾へ
Section4:自由なフォルム
Section5:ヴァンスのロザリオ礼拝堂
の5つのセクションで構成されています。

マティスがその60年以上におよぶ創造の歩みにおいて、熟慮と試行を重ねた末に到達したのは、アシスタントに色を塗ってもらった紙をハサミで切り抜き、それらを組み合わせて活き活きとした構図に仕立てあげる切り紙絵でした。
本展の目玉である、切り紙絵《花と果実》は、マティスの切り紙絵の作品の中でも巨大な部類に入り、5枚のカンヴァスが繋がって構成されています。ニース市マティス美術館のメインホールで来場者を迎える切り紙絵の大作です。
アンリ・マティス《花と果実》
壁面の一面を覆う広大な画面はタペストリーのようで、鮮やかな色彩によって装飾的豊かさが加わっています。
アンリ・マティス《花と果実》
アンリ・マティス 《花と果実》 1952-1953年 切り紙絵 410×870 cm ニース市マティス美術館蔵

こちらも目玉のひとつ、オルセー美術館所蔵の《ブルー・ヌード IV 》です。
彩色された紙を切り貼りする切り紙絵の技法は、厳密な色面の構成を可能とし、印刷物やテキスタイルなどの表現媒体にも適応します。
アンリ・マティス《ブルー・ヌード IV 》1952年 切り紙絵 103×74cm オルセー美術館蔵
アンリ・マティス 《ブルー・ヌード IV 》 1952年 切り紙絵 103×74cm オルセー美術館蔵

アンリ・マティス《蜜蜂》1948年
アンリ・マティス 《蜜蜂》 1948年 グワッシュで彩色、裁断、張り合わせた紙/厚紙に糊付け(カンヴァスで裏打ち) ニース市マティス美術館蔵

1948年から1951年にかけての4年間、マティスはヴァンスにあるドミニコ会の修道女のためのロザリオ礼拝堂の建設に専心します。マティスはこの礼拝堂の室内装飾から典礼用の調度品、そして典礼のさまざまな時期に対応する祭服に至るまで、デザインのほとんどを指揮し、総合芸術作品として練り上げました。
マティス芸術の集大成とも言えるこの礼拝堂を体感できる空間が、展示室内に再現されています。

展示風景

アンリ・マティス《ステンドグラス、「生命の木」のための習作》1950年 ステンドグラス
アンリ・マティス 《ステンドグラス、「生命の木」のための習作》 1950年 ステンドグラス 78.5×91.2×2cm(左)、62.3 × 91.5 × 2 cm(右) ニース市マティス美術館蔵

アンリ・マティス《祭壇のキリスト磔刑像》1949年
アンリ・マティス 《祭壇のキリスト磔刑像》 1949年 鋳造:ヴァルスアーニ 1965年 ブロンズ ニース市マティス美術館蔵
アンリ・マティス 《聖ドミニクス》 1949年 筆と墨/紙 300×134.5 cm ニース市マティス美術館蔵

ステンドグラスの窓から透過する光は、壁面や床面に、豊かな色彩が反映されるように設計されています。



今から70年以上前の1951年3月、現在の東京国立博物館(上野)で、日本で初めてのマティス展が開催されました。東京、大阪(大阪市立美術館)、岡山(大原美術館)を巡回し、戦争を経て長く西洋文化との交流が無かった時代に、熱狂的に迎え入れられました。本展では当時の様子も資料などで紹介しています。

展覧会の主催者の一つであった読売新聞社に、マティスは3点の《顔》を寄贈しました。
展示風景 《顔》

「別冊 文芸春秋」誌では、4回にわたり表紙と裏表紙にマティスの切り紙絵が掲載されています。

本展の図録はB5変形、本文336ページ、ハードカバー上製本で、全出品作品161点のオールカラー画像に加え専門家による論文・解説を日本語とフランス語で収録しています。私はフランス語は読めませんが・・・
税込3,300円です。最近公式図録も値段が高くなりました。


開催会場:国立新美術館 企画展示室 2E (東京都港区六本木7-22-2)
開催期間:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
休館日:毎週火曜日 ※ただし4月30日(火)は開館
開館時間:10:00 ~ 18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
観覧料金:一般:2200円/大学生:1400円/高校生:1000円
  ※中学生以下は入場無料
  ※ 障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料 
  ※2024年4月3日(水)~8日(月)は高校生無料観覧日(要学生証提示)

2023年4月には、上野の東京都美術館で「マティス展 Henri Matisse: The Path to Color」が開催されました。ブログはこちら



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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