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ハイヌウェレの彫像 久保寛子2024年04月27日 18時18分18秒

横浜の「象の鼻パーク」に、ガリバーを連想させる巨大な像が展示されていました。
ハイヌウェレの彫像 久保寛子

これは横浜トリエンナーレと連携した屋外展示で、久保寛子さんの 《ハイヌウェレの彫像》 という作品です。 
ハイヌウェレの彫像 久保寛子
久保寛子さんは、先史芸術や民族芸術、文化人類の学説に取材しながら、生活に身近な素材を用いて、農耕や偶像をテーマに作品制作を行っているアーティストです。

世界各地に、殺された神の死体から作物が生まれたとする「ハイヌウェレ型神話」というものがあり、ハイヌウェレは、インドネシアのセラム島で暮らすヴェマーレ族に伝わる神話に登場する女神の名前です。
ハイヌウェレの彫像 久保寛子

この作品の表面に使用している“土”は、人間の創作活動において最も古い素材であり、世界や人間の始まりを“泥”や“粘土”として表現する神話も多く存在します。
仰向けに寝そべる断片化された女性像は、雨や日光や風の影響を受けて時間とともに変化します。
昨夜から降り続いた雨で、土の表情も変わっていったようです。
ハイヌウェレの彫像 久保寛子
横浜港大さん橋国際客船ターミナルには、大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」と「にっぽん丸」が着岸していました。

作品は、4月29日(月・祝)まで展示されます。



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横浜トリエンナーレ 旧第一銀行横浜支店& BankART KAIKO2024年04月24日 15時22分09秒

横浜美術館をメイン会場として開催されている「第8回横浜トリエンナーレ」。
市内の文化芸術拠点や駅構内などと連携し、横浜市内各所に作品が展示されています。
横浜美術館以外の主要会場とされる「旧第一銀⾏横浜⽀店」と「BankART KAIKO」に行ってみました。
(横浜美術館会場についてはこちら

旧第⼀銀⾏横浜⽀店は、1929年に「第一銀行横浜支店」として建造された、横浜市認定歴史的建造物です。列柱を並べた半円形のバルコニーが特徴の古代ローマの建築様式「トスカナ式オーダー」という装飾を採用しています。
現在は「YCC ヨコハマ創造都市センター」という名で、芸術文化創造の拠点となっています。
旧第一銀行横浜支店

今回の横浜トリエンナーレは、紛争や不平等など、地球上の様々な問題を、地域や歴史に根ざした等身大の視点で問い直す作品が多く並びます。
第8回横浜トリエンナーレ

パレスチナの詩人/学者/活動家のレファアト・アラリールは、2023年12月に兄弟姉妹、子供たちもろともイスラエル軍の空爆で亡くなりました。意図的に標的にされたとみられています。
アラリールの詩「「If I must die(死ぬことになれば)」は殺害後に拡散され、中国語を含む58か国の言葉に翻訳されています。
香港を拠点とする、クリエイター、アーティスト、作家、農家、教師、夢想家のグループ「Gwo Bean」に属するジョン・ユー(余在思)は、ハンカチーフにその詩を記しています。
第8回横浜トリエンナーレ
詩:レファアト・アラリール 「死ぬことになれば」 2023年
カリグラフィー:ジョン・ユー

庭に住む植物や虫たちが、薬剤をふりまく庭師に、わたしたちが生きる環境を壊さないで、と語りかけます。 すると庭師に変化が起きて・・・
第8回横浜トリエンナーレ
プック・フェルカーダ 《根こそぎ》 2023-24年 HDビデオ(カラー/サウンド/6分30秒)、ハニカムボード、水性塗料


北仲ノットの「KITANAKA BRICK & WHITE」1階にある「BankART KAIKO」も主要会場の一つになっています。
この建物は歴史的建造物「旧横浜⽣⽷検査所附属⽣⽷絹物専⽤B号倉庫及びC号倉庫」(1926年竣⼯)が復元され、隣接する事務所棟とともに創建当初の歴史的景観が再現されたものです。
BankART KAIKO

会場壁面にずらっと並んでいるのは、日本のサラヤというメーカーの壁付ディスペンサー(手指消毒器)です。
作家は脳腫瘍の手術を受け、母親が医療従事者であったこともあり、身近な存在として手指消毒器を作品のモティーフに使ってきました。それがコロナ禍で世界中に広がった時、まるで自分の作品が世界に浸透したかのように感じたといいます。
第8回横浜トリエンナーレ
パピーズ パピーズ(ジェイド・グアナロクリキ=オリヴォ) 《無題(サラヤ)》 2011-24年 サラヤディスペンサー、消毒液 協力:サラヤ株式会社

パピーズ パピーズは既製品を使って個人的なことと社会的なことのつながりを示す作品を制作しています。高度な技術を詰め込んだペッパー(Pepper)が、あっという間に過去のものになる、このスピードの速さをいかにも日本らしいと感じるといいます。
(ペッパーは2023年に販売終了になりました)
第8回横浜トリエンナーレ
パピーズ パピーズ(ジェイド・グアナロクリキ=オリヴォ) 《ペッパー(ガイドするロボット)(踊るロボット)(教えるロボット)》 2024年 ペッパー

第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」開催概要  
開催会場:横浜美術館、旧第⼀銀⾏横浜⽀店、BankART KAIKO、クイーンズスクエア横浜2Fクイーンモール、元町・中華街駅連絡通路  
開催期間:2024年3⽉15⽇(⾦)-6⽉9⽇(⽇)  
休場日:毎週⽊曜⽇(5⽉2⽇、6⽉6⽇を除く)  
開催時間:10:00-18:00(入場は閉場の30分前まで) 6月6日(木)-9日(日)は20:00まで  
観覧料金:チケットは各種ありますので、公式チケットサイトでご確認ください(こちら



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没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる2024年04月20日 13時57分05秒

東京・恵比寿にある東京都写真美術館で、「没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる」展が開催されています。
東京都写真美術館

東京都写真美術館の外壁面には、上田正治《妻のいる砂丘風景 (Ⅲ) 》、ロバート・キャパ《“Dデー”作戦日に上陸する米軍の先陣部隊 オマハ・ビーチ、コルヴィユ・シュル・メール付近、ノルマンディー海岸、1944年6月6日》、ロベール・ドアノー 《パリ市庁舎前のキス》が大画面で展示されています。
東京都写真美術館

本展は、当初予定されていた「アンリ・カルティエ=ブレッソン展」が中止になり、「没後50年 木村伊兵衛 写真に生きる」展に差し替えられたものです。
木村伊兵衛(きむら いへい)は、1901年12月12日に生まれ、1974年5月31日に亡くなりました。

1920年代に実用化が始まったばかりの小型カメラに写真表現の可能性をいち早く見出し、特にドイツ製の小型カメラ「ライカ」を駆使した広告写真、文芸諸家のポートレート、あるいは東京下町の日常の場面を素早く切り取るスナップショットで名声を確立しました。
特に女性をモデルとした写真は人気を博しましたが、1951(昭和26)年、フランスの世界的なスナップ写真の名手、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真と出会って、自らの写真の行くべき道を見出したといいます。

自らを「報道写真家」と位置づけながら、人間の営みのイメージを伝えるという写真の社会的な機能を自覚して、どの地に在っても人々の生活や顔を撮り続け、和製アンリ・カルティエ=ブレッソンとも称されました。
来日したロバート・キャパとも親交があり、1954年には海外への旅行が難しい時代にヨーロッパに旅立ち、アンリ・カルティエ=ブレッソンや、パリの庶民にカメラを向け続けてきたロベール・ドアノーらと行動を共にしています。

本展は、
第1章 夢の島 - 沖縄
第2章 肖像と舞台
第3章 昭和の列島風景
第4章 ヨーロッパの旅
第5章 中国の旅
第6章 秋田の民俗
第7章 パリ残像
と7つの章で構成され、1936年から晩年までの作品で、“ライカの名手”木村伊兵衛の活動の全容を回顧する展覧会となっています。
本展では最近発見されたニコンサロンでの木村伊兵衛 生前最後の個展「中国の旅」(1972-1973)の展示プリントを特別公開しています。
1カット1カットをフィルムで丹念に撮影していた時代の木村伊兵衛の写真を、オリジナルプリントでじっくりと鑑賞できる貴重な展覧会です。

3月9日に(株)クレヴィスから出版された「新版 木村伊兵衛 写真に生きる」は、1921年に発売された「木村伊兵衛 写真に生きる」という写真集に、あらたにパリで撮影したカラー作品群を加えた新版となっています。
B5変形、256ページで、税込3,300円です。


開催会場:東京都写真美術館 B1展示室
開催期間:2024年3月16日(土)~5月12日(日)
休館日:毎週月曜日 ※4/29(月、)5/6(月)は開館。5/7(火)は休館
開館時間:10:00~18:00 (木・金曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
観覧料金:⼀般1,200円/学⽣・65歳以上1,000円/中⾼⽣800円
  ※小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料
  ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
  ※第3水曜日はシルバーデーで65歳以上無料
  ※各フロア展覧会とのセット割引など各種割引があります。詳細は「ご利用案内」をご覧ください



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から2024年04月17日 17時17分17秒

東京都写真美術館で「TOPコレクション 時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から」が開催されています。
東京都写真美術館

この展覧会は「時間旅行」をテーマとする東京都写真美術館のコレクション展です。
TOPコレクション 時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から

人が様々な時代を自由に旅する「時間旅行」という発想があります。本展では、今から100年前の1924年に遡(さかのぼ)った時点から現代までを、「時間旅行」していきます。

宮沢賢治が生前唯一の詩集である『心象スケッチ 春と修羅』を刊行したのは1924(大正13)年です。
本展では、『春と修羅』序文の言葉をひとつの手掛かりとして、戦前、戦後そして現代を想像力によってつなぐ、写真と映像による時空を超えた旅となっています。

● 第一室 1924年 — 大正13年

時間旅行の出発点は、ちょうど100年前の1924(大正13)年です。東京都写真美術館所蔵のコレクションを中心に、この年に制作・発表された写真作品を紹介しています。
宮沢賢治『心象スケッチ 春と修羅』
宮沢賢治 『心象スケッチ 春と修羅』 1924年(復刻版) 個人蔵

展示風景
TOPコレクション 時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から

吉川富三 《女の顔》 1924年 ゴム印画 東京都写真美術館蔵

● 第二室 昭和モダン街

1930年代の東京の街と道行く人々の活気ある姿、1930年代の広告写真、そして国立工芸館と東京都江戸東京博物館の所蔵品より当時の東京の街角を彩っていた広告ポスターの競演。杉浦非水による昭和初期のモダン・デザインなど、展示室の中が昭和の良き時代にタイムスリップします。

桑原甲子雄 《浅草公園六区(台東区浅草に丁目)》〈東京昭和十一年〉より 1937年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

展示風景


杉浦非水 《帝都復興と東京地下鉄道》 C.1929年 リトグラフ、オフセット・ポスター 国立工芸館蔵

杉浦非水 《カルピス》 1926年 リトグラフ・ポスター 国立工芸館蔵

● 第三室 かつて ここで — 「ヱビスビール」の記憶

東京都写真美術館があるこの場所は、かつては日本麦酒醸造株式会社のビール工場があり、「恵比寿ビール」を製造していました。
このセクションでは、ビール醸造所だった、かつてのこの場所の姿を記録写真、明治・大正、昭和初期の広告ポスターで紹介しています。
1900~1930年頃(明治~昭和初期)までの大日本麦酒株式会社のビール広告(複製)

1990(平成2)年にビール工場は解体されました。その姿を捉えた宮本隆司のシリーズ〈建築の黙示録〉からの作品が並びます。
宮本隆司 《サッポロビール恵比寿工場》〈建築の黙示録〉より 1990年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

● 第四室 20世紀の旅 — グラフ雑誌に見る時代相

東京都写真美術館の図書室蔵書より、戦前から戦後までの雑誌『LIFE』『アサヒグラフ』のバックナンバーを選りすぐり、20世紀という時代の変遷をたどる表紙グラビアを紹介しています。またこれと関連して、グラフジャーナリズムを代表する写真家W.ユージン・スミス、大束元などによる作品をオリジナル・プリントによって展示しています。

『ライフ』誌表紙

1944年6月6日の、連合国軍によるフランス開放のためのノルマンディー上陸作戦を、ロバート・キャパが撮影し『LIFE』に掲載されました。(『LIFE』1944年6月19日号)
この時、ロンドン支局で待機していた暗室係が乾燥キャビネットの温度を感光乳剤が溶けてしまうほど高く設定し、フィルム2本分(72カット)を殆ど使い物にならない状態にしてしまいました。
ロバートキャパ 《“Dデー”作戦日に上陸する米軍の先陣部隊 オマハ・ビーチ、コルヴィユ・シュル・メール付近、ノルマンディー海岸、1944年6月6日》 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

1950年代に撮影された、著名な写真家の作品がたくさん並んでいます。
W.ユージン・スミス 「スペインの村」 『LIFE』1951年4月9日号

ロベール・ドアノー 《パリ市庁舎前のキス》 1950年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

フィリップ・ハルスマン 《マリリン・モンロー》 1952年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

「連作 メカニズムの眼 10」 (『写真サロン』1958年(昭和33年)10月号)に掲載された作品です。
大束元 《夜空の構成 数寄屋橋にて》 1958年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

● 第五室 時空の旅 — 新生代沖積世(しんせいだいちゅうせきせい)

宮沢賢治の言葉にインスパイアされた、時間と空間の多層的な世界を形にしたセクションです。

宮沢賢治『心象スケッチ 春と修羅』
映像 宮沢賢治 『心象スケッチ 春と修羅 序文』 シングル・チャンネル・ヴィデオ(スライドショー)

ノスタルジックな影絵のような作品ですが、写真です。島田謹介は1955年に朝日新聞の写真部を定年退職しており、その頃に撮影したものと思われます。
島田謹介 《釜石線の列車》 C.1950年-1959年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

冬至から夏至までの半年間の太陽の軌跡を一枚の写真に収めた、「時間旅行」を感じさせる作品です。
北野謙 〈光を集める〉より 《香川県土庄町 小豆島 千年樹 2017年冬至-2018年夏至》 2017-18年 インクジェット・プリント 作家蔵

今から70年前の写真です。昭和の時代には、屋上に遊園地があるデパート(百貨店)がたくさんありました。
田沼武能 《松屋百貨店屋上の新型機スカイクルーザー》 1954年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

私が好きな写真家の一人、森山大道の〈東京〉より、渋谷のスクランブル交差点付近の写真です。
森山大道 《交差点(渋谷)》 〈東京〉より 1968-80年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵


開催会場:東京都写真美術館 3F展示室 (恵比寿ガーデンプレイス内)
開催期間:2024年4月4日(木)~7月7日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし、4月29日[月]、5月6日[月]は開館。5月7日[火]は休館。)
開館時間:10:00~18:00(木・金曜日は~20:00)  ※入館は閉館時間の30分前まで
観覧料金:一般 700円/学生 560円/中高生・65歳以上 350円
  ※小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料
  ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
  ※第3水曜日は65歳以上無料
  ※各フロア展覧会とのセット割引などがあります。、詳細は「ご利用案内」をご覧ください



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

第8回横浜トリエンナーレ(横浜美術館)2024年04月07日 15時21分14秒

横浜市で3年おきに開催される現代アートの国際展覧会「横浜トリエンナーレ」。
2001年に第1回が開催され、今年は第8回になります。(第2回と第8回は1年遅れての開催になりました)
今回の全体テーマは 「野草:いま、ここで⽣きてる」です。
メイン会場の横浜美術館の他に主要会場:として旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKOがあてられ、横浜駅から山手地区におよぶ広いエリアの街中にも多くのアートプログラムが展開されます。

メイン会場の横浜美術館に行ってみました。
第8回横浜トリエンナーレは昨年12月から開催される予定でしたが、メイン会場である横浜美術館のリニューアル工事が遅れたため、今年3月15日からの開催となりました。
横浜美術館
横浜美術館
横浜美術館

第8回横浜トリエンナーレ

各国の若手現代アーティストの作品に加えて、浜口タカシや坂本龍一、勅使河原蒼風、岡本太郎など著名な芸術家の作品も展示されています。

報道写真家・浜口タカシ『東大紛争 70年安保へ』より

浜口タカシ《安田講堂前に集まった8500人の武装学生》 1968年 ゼラチンシルバープリント 横浜美術館蔵
浜口タカシ 《安田講堂前に集まった8500人の武装学生》 1968年 ゼラチン・シルバー・プリント 横浜美術館蔵

いけばな草月流の創始者、勅使河原蒼風の作品です。
第8回横浜トリエンナーレ

勅使河原蒼風《不滅》1967年 木、真鍮、鉛 一般財団法人草月会蔵
勅使河原蒼風 《不滅》 1967年 木、真鍮、鉛 一般財団法人草月会蔵

2006年に、ビデオアートの父と称される韓国のアーティスト、ナム・ジュン・パイクの追悼イベントに出演した坂本龍一は、ヴァイオリンを叩き壊し、パイクの行為のようにその残骸を引きずって歩くパフォーマンスを行いました。
坂本龍一のヴァイオリン
坂本龍一が「ナム・ジュン・パイク追悼ライブfarewell, njp」(企画ワタリウム美術館)で使用したヴァイオリン

岡本太郎撮影の縄文土器です。岡本太郎は縄文時代の文化や生活に強い関心を寄せていました。
岡本太郎 《題不詳(縄文土器・富山県出土)》 1956年 ゼラチン・シルバー・プリント 川崎市岡本太郎美術館蔵

展示風景
第8回横浜トリエンナーレ
第8回横浜トリエンナーレ

第8回横浜トリエンナーレ
ダシュコフスカ 《スキンフォーマー#2》 2022年 黒く染めた天然皮革、木 作家蔵
ダシュコフスカ 《飼いならされた動物 no.11》 2022年/2024年プリント インクジェット・プリント

展示風景
第8回横浜トリエンナーレ
第8回横浜トリエンナーレ

第8回横浜トリエンナーレ
右の映像作品はウクライナのアーティスト集団「オープン・グループ」による作品です。ウクライナでは本展のテーマ「いま、ここで⽣きてる」より、「明日ここで生きていられるか」という状態が続いています。

ガーナーのこの作品では、肌の色が異なる男女の体のパーツが組み合わされ、性別、人種、年齢といった既成概念にとらわれない多様性のあり方を問いかけています。
第8回横浜トリエンナーレ
ピッパ・ガーナー 《 Human Prototype 》部分 2020年 ミクストメディア STARSgallery

この作品は南アフリカ出生の作者自身が編んだ有刺鉄線を使ったインスタレーションです。暴力や抑圧を思い起こさせる有刺鉄線の棘に柔らかな布を織り込み、茂った森を思わせる緑色の壁に設置しています。
第8回横浜トリエンナーレ
ルンギスワ・グンダ 《Benisiya Ndawoni:馴染みのないものへの回帰》部分 2018年-2024年 有刺鉄線、古布、音


 第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」開催概要
 開催会場:横浜美術館、旧第⼀銀⾏横浜⽀店、BankART KAIKO、クイーンズスクエア横浜2Fクイーンモール、元町・中華街駅連絡通路
 開催期間:2024年3⽉15⽇(⾦)-6⽉9⽇(⽇)
 休場日:毎週⽊曜⽇(5⽉2⽇、6⽉6⽇を除く)
 開催時間:10:00-18:00(入場は閉場の30分前まで) 6月6日(木)-9日(日)は20:00まで
 観覧料金:チケットは各種ありますので、公式チケットサイトでご確認ください(こちら



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石内都「絹の夢-silk threaded memories」2024年03月31日 11時19分57秒

野毛(横浜市)で一杯飲んだ後、横浜市役所新庁舎直結の馬車道駅から電車に乗ろうと歩いていたら、馬車道駅コンコースに巨大な写真パネルが並んでいました。
石内都「絹の夢 - silk threaded memories」
「えっ、石内都さんじゃない?・・・」と思って説明板を探したら、壁の隅の方に貼ってありました。
石内都「絹の夢 - silk threaded memories」
石内都「絹の夢 - silk threaded memories」とあります。

石内都さんは2012年に「絹の夢」という写真集を出版しているので、その中からの抜粋のようです。
そういえば、「横浜トリエンナーレ」がもう始まっているんですね。横浜美術館がリニューアル工事の為長く休館していたのですっかり忘れていました。
石内都「絹の夢 - silk threaded memories」
馬車道周辺はかつて横浜開港から近代の礎を築いた「生糸貿易」に携わる商館や検査所が置かれ、関東甲信越一円から集積された生糸が欧米へと輸出されていました。
石内都「絹の夢 - silk threaded memories」
石内都の「絹の夢」で撮影されているのは主に「銘仙(めいせん)」と呼ばれる着物で、屑繭(くずまゆ)の糸を平織した絣(かすり)の絹織物です。
銘仙とは、上物の絹織物には不向きな屑繭などから引いた太めの絹糸を緯糸に使って密に織ったものを指し、絹ものとしては丈夫で安価でした。その為、日本の近代化を支えた女性たちの普段着として愛用されていました。
石内都「絹の夢 - silk threaded memories」
今回の展示では、銘仙の着物地と共に、繭と生糸、石内さんの生まれ故郷である群馬県の製紙工場など、「絹の夢」シリーズから紡がれた空間が表現されています。

1926年から横浜生糸検査所が設置されていた場所にある横浜第二合同庁舎や、馬車道駅と直結する北仲ノットのKITANAKA BLICK&WHITEでは、横浜開港を機に始まった生糸貿易当時の赤レンガ造りが特徴的な建物を復元あるいは現物保存して、生糸貿易にかかわる歴史を残しています。
(「KITANAKA BLICK」は1926年に建設された歴史的建造物「旧・帝蚕倉庫事務所」をリノベーションしています)
1926年に建設された建物が多いのは、1923年の関東大震災の壊滅的な打撃からの「復興」として建設されたからです。
最近でも能登半島地震が起きて明日で3ヶ月を迎えます。関東大震災をはじめ、阪神・淡路大震災(1995)、東日本大震災(2011)、熊本地震(2016)、能登半島地震(2024)と、地震大国日本ですが、現在の横浜のように必ず復興できることを信じて皆で頑張りましょう。


石内都「絹の夢 - silk threaded memories」
展示場所:横浜高速鉄道・みなとみらい線「馬車道駅」コンコース
展示期間;2024年3月15日(金)~6月9日(日)
観覧料金:無料



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「人のかたち:岡本太郎の人体表現」岡本太郎美術館2024年03月24日 14時43分41秒

川崎市岡本太郎美術館で、常設展「人のかたち:岡本太郎の人体表現」が開催されています。

岡本太郎作品は初期のパリ時代から晩年まで、描かれているテーマや中心的なモチーフの多くは、人の姿や顔、眼、その内面を含めた人間の在りようです。
本展では、初期の代表作《傷ましき腕》から展開していったパリ時代の消失作品の流れも含めて、岡本太郎が描いた人のかたち、表現のヴァリエーションを追っていきます。時代によって変遷していく岡本の画風を、人物の描き方に焦点を当てて紹介する展示構成になっています。


会場エントランスに置かれている《喜び》です。
持田製薬株式会社の創業65周年記念として制作された作品だということです。常に「歓び」の心を持って、人々の健康的で豊かな暮らしに貢献したいとの想いから、このタイトルがつけられました。
岡本太郎 《喜び》 1978年 FRP(繊維強化プラスチック)

会場入口です。
川崎市岡本太郎美術館

岡本太郎(1911年 - 1996年)は1930年から1940年までフランスで絵画の勉強をしました。
太郎のパリ時代の作品は第2次世界大戦の空襲によりすべて焼失してしまいました。(近年、パリ時代の初期の作品3点が発見されています) 
本展では、パリのG.L.M社から発行された画集『OKAMOTO』記載のサイズを参考に実物大の写真パネルで、若きパリ時代の作品を紹介しています。それにより、若き日の岡本の貴重な作品を観覧することが出来るようになりました。
展示風景

岡本太郎 《リボンを結んだ女》 1935年 (消失作品)

岡本太郎の代表作のひとつ、《痛ましき腕》です。1936年にパリで描いた作品は焼失してしまいました。1949年に再制作しています。
岡本太郎 《痛ましき腕》 1936年(1949年再制作) 油彩、キャンバス

太郎は、母親の岡本かの子著「生々流転」(1940年)の装填も手掛けています。(写真中央・右)
私の好きな作品 《夜》 に登場する女性が、この書籍の表紙にも描かれています。
岡本太郎 《夜》 1947年 油彩、キャンバス

「人のかたち:岡本太郎の人体表現」川崎市岡本太郎美術館
展示風景

都立多磨霊園の、岡本太郎一家3人が眠る墓に置かれた作品です。
太郎の父である岡本一平(1881年 - 1948年)の墓標になっていて、1954年の七回忌に設置されました。
岡本太郎 《顔》 1952年 陶磁

「人のかたち:岡本太郎の人体表現」川崎市岡本太郎美術館
展示風景

テレビ朝日系列で今夜放送されるドラマスペシャル「万博の太陽」では、1970年の「大阪万博」を背景に、ヒロインの青春と家族愛が描かれます。
70年・大阪万博のシンボル、「太陽の塔」も岡本太郎の作品であることは誰もが知るところです。
岡本太郎《太陽の塔》
実際に設置された(現存しています)太陽の塔は、塔の高さ約70メートル、基底部の直径約20メートル、腕の長さ約25メートルという巨大な物でした。
上部の「黄金の顔」は「未来」を表し、正面胴体部の「太陽の顔」は「現在」を表します。そして、背面にも「黒い太陽」が描かれ、「過去」を表す顔になっています。
会場では、日本工業大学と川崎市岡本太郎美術館が協力し、万博開催当時の「太陽の塔」内部をCG+VRで再現した映像が流されています。

会場風景です。
展示は絵画だけではなく、彫刻作品、レリーフ、資料や、岡本一平、かの子の作品など120点を超す作品・資料で構成されています。

《午後の日》という作品です。これと同じ物が、多磨霊園の岡本家の墓地に、父岡本一平の墓標と向かい合うように、岡本太郎本人の墓標として設置されています。
岡本太郎 《午後の日》 1967年 陶磁 

岡本太郎が描く「人」の姿は、オーソドックスで具象的な描写から、ユーモラスに擬人化されたキャラクター、ピクトグラムのように記号化されたものまで様々ありますが、その全てに血が流れ、心が通っています。
岡本太郎の作品を観ていると、又新たな活力が心と体の中から湧き上がってくるのです。


常設展「人のかたち:岡本太郎の人体表現」開催概要
開催期間:2024年1月20日(土)~2024年4月14日(日)
休館日:月曜日
観覧料金:一般700円、高・大学生・65 歳以上500円(要証明) ※中学生以下は無料(要証明)
  ※このチケットで、企画展「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」も観覧できます。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)2024年03月17日 14時00分17秒

川崎市岡本太郎美術館で、「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展」が開催されています。

岡本太郎現代芸術賞は、岡本太郎の精神を継承し、自由な視点と発想で現代社会に鋭いメッセージを突きつける作家を顕彰するべく設立されました。作品ジャンル、年齢、国籍は不問で、誰でも応募することが出来ます。
今回は621点の応募があり、創造性あふれる22組の作家が入選を果たしました。
本展では、岡本太郎賞(1点)、岡本敏子賞(1点)、特別賞(10点)など全入選作22作品が展示されています。
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)

【岡本太郎賞】 つん 《今日も「あなぐまち」で生きていく》
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)
「あなぐまち」は、作者「つん」が幼少の頃から「生物・無機物を問わないすべてのものの中に霊が宿っている」という考え方の中で、ずっと共に生きてきた「まち」の名前。段ボールで出来た空想の「まち」に住む住人たちは、作者の心を救い続けているといいます。
積み重ねたボックスの中の本は、取り出して自由に読むことが出来ます。
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)


【岡本敏子賞】 三角 瞳 《This is a life. This is our life.》
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)
人の顔を刺しゅうした布が幾重にも並べられています。裏側は遺伝子を表す赤い糸で、人間の存在意義を問うています。
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)

【特別賞】 小山 久美子 《三月、常陸國にて鮟鱇を食ふ》
岡本太郎現代芸術賞
スマホのパノラマモードで左から右へ180度転回しながら撮影した写真のような、座標が離れた違和感のある画面構成です。
鮟鱇(あんこう)が有名な大洗港で、行軍中の武士団が足を休めて地のものを楽しんでいる図です。
岡本太郎現代芸術賞

【入選】 横岑竜之 《ハッピーモンスター》
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)
作者自身が生み出したオリジナルキャラクター「ハッピーモンスター」の絵が壁面を埋め尽くし、捨てられた古い物などにもハッピーモンスターを直接書き込んでいます。
見る人を元気にするのがハッピ-モンスターであり、自身のアートであるといいます。
第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)


「第27回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展」開催概要
開催期間:2024年2月17日(土)~2024年4月14日(日)
休館日:月曜日、3月21日(木)
開館時間:9:30-17:00(入館16:30まで)
観覧料金:一般 700円、 高・大学生・65歳以上 500円、 中学生以下は無料
  ※この料金で常設展も観覧できます



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

鳥山明さんが死去されました2024年03月09日 09時24分24秒

漫画家の鳥山明さんが3月1日に死去されたと、8日に集英社が発表しました。
1980年に『週刊少年ジャンプ』で連載が始まった「Dr.スランプ」での「アラレちゃん」のハチャメチャな天然ぶりには大いに癒されて、『ジャンプ』の発売日を心待ちにしていたものです。
ペンギン村に住んでいる発明家の「則巻千兵衛(のりまきせんべい)」さんが作ったアンドロイドの女の子「則巻アラレ」ちゃんなど、登場人物(?)の設定もとても楽しいものでした。んちゃ
アラレちゃん人気は絶大で、テレビアニメでは『Dr.スランプ アラレちゃん』というタイトルになりました。
1984年末に「Dr.スランプ」の連載終了後、空虚な気持ちになって3ヶ月くらいして「ドラゴンボール」の連載が始まっています。

そういえば、今から約30年前の1993年12月から94年1月にかけて「川崎市市民ミュージアム」で開催された「鳥山明の世界」展の図録(カタログ)があったなぁと本棚を探したら、ありました。
297㎜×297㎜のスクエアサイズで、144ページです。
中には鮮やかなカラー印刷で鳥山明の世界が羽ばたいています。
(C)バード・スタジオ/集英社 (C)「鳥山明の世界」展実行委員会
展覧会はその後1995年8月まで1年8ヶ月程をかけて、北海道から熊本県まで計6ヵ所を巡回しています。

図録の間にチケットの半券が挟まっていました。
週末はこの本を読みながら過ごして、鳥山先生の死を悼むことにしよう・・・・・

ご冥福をお祈りいたします



今日もご覧いただき、ありがとうございました。 ばいちゃ

「中平卓馬 火―氾濫」東京国立近代美術館2024年03月03日 18時43分15秒

「中平卓馬 火―氾濫」展が、東京国立近代美術館で開催されています。
東京国立近代美術館
中平卓馬(なかひら たくま、1938年7月6日 - 2015年9月1日)は、「アレ・ブレ・ボケ」の写真表現や、評論集『なぜ、植物図鑑か』などで知られる写真家、写真評論家です。
「中平卓馬 火―氾濫」東京国立近代美術館
東京生まれで、1963年東京外国語大学スペイン科を卒業。月刊誌『現代の眼』編集部に勤務していましたが、1965年に同誌を離れ写真家、批評家として活動を始めます。1966年には森山大道と共同事務所を開設、1968年に多木浩二、高梨豊、岡田隆彦らと季刊誌『PROVOKE』を創刊しています。
1970年頃までは森山大道とともに「アレ、ブレ、ボケ」の作風で一世を風靡しました。しかし、1973年発表の『なぜ、植物図鑑か』では一転してそれまでの姿勢を自ら批判し、「植物図鑑」というキーワードをかかげて新たな方向性を模索します。
そのさなか、1977年に急性アルコール中毒で倒れ、記憶の一部を失い活動を中断しましたが、療養の後写真家として再起。2010年代始めまで活動を続け、2015年に逝去されました。

会場風景:プロジェクターによる作品投影

本展は、
第1章 来たるべき言葉のために
第2章 風景・都市・サーキュレーション
第3章 植物図鑑・氾濫
第4章 島々・街路
第5章 写真原点
の5つの章で構成され、初期から晩年にいたる約400点の作品・資料から、中平卓馬の写真をめぐる思考と実践の軌跡をたどっています。

中平卓馬ポートレイト 1968年頃 撮影:森山大道  東京国立近代美術館
《中平卓馬ポートレイト》 1968年頃 撮影:森山大道  東京国立近代美術館 蔵

《夜》『デザイン』125号 1969年9月 美術出版社 個人蔵
《夜》『デザイン』125号 1969年9月 美術出版社 個人蔵

ここに展示されているのは、1971年に開催された「第7回パリ青年ビエンナーレ」の出品作です。
「写真によって個人の内面を世界に投影するのではなく、世界の側が個人に与える影響を示す」というコンセプトの基、「一日一日ぼくが触れるすべてを写真に写し、その日のうちに現像し、焼き付け、その日のうちに会場に展示する」という行為全てが作品でした。
中平卓馬 《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》 1971年(2012年にプリント) ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵

1971年のパリ青年ビエンナーレにおける「サーキュレーション」の再現展示を試みた、2017年シカゴ美術館での「Takuma Nakamura Circulation」の開催に際して制作された作品です。
中平卓馬《「サーキュレーション―日付、場所、行為」より》1971年、ゼラチン・シルバー・プリント、32.0×48.0cm 東京国立近代美術館
中平卓馬 「サーキュレーション ― 日付、場所、行為 【シカゴ美術館での再現展示(2017年)の際のプリント】》 1971年(プリントは2016年) ゼラチン・シルバー・プリント 中平元氏蔵

『なぜ、植物図鑑か』は、自らの初期の写真が厳しく否定されたことに対する、新たな実践のための宣言でした。
「(写真家が主観的にいだく)イメージを捨て、あるがままの世界に向き合うこと、事物(もの)を事物として、また私を私としてこの世界内に正当に位置付けること」こそ目指すべき方向であり、そのための方法として「白日の下の事物(もの)をカラー写真によって捉え、植物図鑑に収めて」いくことが宣言されます。
『なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集』(晶文社、1973)
『なぜ、植物図鑑か 中平卓馬映像論集』 晶文社、1973年

《氾濫》は、1974年に東京国立近代美術館で開催された「15人の写真家」展の出品作です。
1971年から翌年にかけて雑誌で発表された作品が、都市をめぐる断片的なイメージを中心に、樹脂ボードに直貼りされたカラー写真48点で構成されています。
中平卓馬《氾濫》1974年、発色現像方式印画、169.5×597.5cm(48点組、各42.0×29.0cm) 東京国立近代美術館
中平卓馬 《氾濫》 1974年 発色現像方式印画 169.5×597.5cm(48点組、各42.0×29.0cm) 東京国立近代美術館蔵

中平卓馬「奄美」より 1975年(2023年にプリント) インクジェットプリント
中平卓馬「奄美」より 1975年(2023年にプリント) インクジェットプリント


中平卓馬《街路あるいはテロルの痕跡【『現代詩手帳』掲載作の原稿プリント】》 1976年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵
中平卓馬 《街路あるいはテロルの痕跡【『現代詩手帳』掲載作の原稿プリント】》 1976年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵
中平卓馬《街路あるいはテロルの痕跡【『現代詩手帳』掲載作の原稿プリント】》 1976年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京国立近代美術館蔵

中平卓馬存命中最後の重要な個展「キリカエ」(2011年)に展示されたカラーの大判プリント64点が展示されています。
中平卓馬《キリカエ【「キリカエ」展出品作】》2011年 発色現像方式印画 東京国立近代美術館蔵 (株)コム・デ・ギャルソン寄贈
中平卓馬 《キリカエ【「キリカエ」展出品作】》 2011年 発色現像方式印画 東京国立近代美術館蔵 (株)コム・デ・ギャルソン寄贈
中平卓馬《無題 #437》2005年、発色現像方式印画、90.0×60.0cm 東京国立近代美術館
「キリカエ」出品作より 中平卓馬 《無題 #437》 2005年 発色現像方式印画 東京国立近代美術館蔵

中平卓馬 《「日常」展出品作》 1997年 銀色素漂白方式印画 中平元氏蔵
中平卓馬 《「日常」展出品作》より 1997年 銀色素漂白方式印画 中平元氏蔵

本展のチラシは、4つ折りを開くとA4・4枚分より少し小さいくらいの横長サイズになります。
開くと全面に《氾濫》48点が印刷されています。

公式カタログは3月末迄には刊行しますと言われました。
A4変形 448ページで3,500円です。
郵送されてくるのを待つしかないので、なんとなく家の本棚を漁ったら、『まずたしからしさの世界をすてろー写真と言語の思想ー』(天野道映/岡田隆彦/高梨豊/多木浩二/中平卓馬/森山大道 共著 1970年)と、『なぜ植物図鑑か 中平卓馬映像論集』(1973年)が出てきました。
これでも読み直しながら待っていることにしましょう・・・


中平卓馬 火―氾濫」開催概要
開催会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開催期間:2024年2月6日(火)~ 4月7日(日)
休館日:月曜日
開室時間:10:00-17:00 (金曜・土曜は10:00-20:00)  入館は閉館30分前まで
観覧料金:一般 1,500円   大学生 1,000円
  ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。(要証明)
  ※本展の観覧料で入館当日に限り、所蔵作品展「MOMATコレクション」(4-2F)、コレクションによる小企画「新収蔵&特別公開|ジェルメーヌ・リシエ《蟻》」(2F ギャラリー4)も観覧できます。
  ※料金詳細は展覧会公式チケットサイトへ(こちら
  ※当日窓口販売もあります



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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