玉堂美術館「玉堂画で巡る夏休み展」 ― 2025年08月23日 17時04分14秒
多摩川の渓流に沿った御岳渓谷(みたけけいこく)にある玉堂美術館。
川合 玉堂(かわい ぎょくどう、1873年〈明治6年〉 - 1957年〈昭和32年〉)は、明治・大正・昭和時代の日本で活動した日本画家です。
玉堂は太平洋戦争中の1944年(昭和19年)に、かねてより写生で頻繁に訪れていた東京都西多摩郡三田村御岳(現・青梅市御岳)に疎開し、1957年に死去するまで奥多摩の御岳渓谷で暮らしました。
玉堂の没後、香淳皇后(昭和天皇の皇后さま)を含む多数の団体・地元有志・玉堂愛好家などからの寄付により、1961年(昭和36年)5月、この地に玉堂美術館が開館しました。
玉堂美術館はアメリカの日本庭園専門誌「SUKIYA LIVING MAGAGINE」の「2024年日本庭園ランキング」において、7位に選ばれました。玉堂美術館は過去22年間、毎年20位以内に選ばれています。
秋には庭と周辺の木々が赤や黄色に変化し、枯山水の日本庭園を秋色に染めます。
(2023年11月撮影)
その玉堂美術館では現在「玉堂画で巡る夏休み展」を開催しています。
日々の暮らしを通して自然との共存を描いた玉堂の作品から、夏の風景を厳選して一緒に旅をします。
展示風景
画家・陶芸家である次男・川合修二の陶器に玉堂が絵付けをした、親子の合作です。
写真などの資料や、玉堂が使用した岩絵の具、画材、烙印の印章なども展示されています。別室には玉堂のアトリエも再現されています。
自然を愛する玉堂は、日本の四季の山河と、そこで生きる人間や動物の姿を美しい墨線と彩色で描くことを得意としました。
川合玉堂 《投網》(とあみ) 1950年(昭和25年) 77歳
10代の頃から、スケッチで動物の動きや植物の描き方などを勉強していました。絵に親しんだのは12歳の頃からといいます。
絵の中に書かれた詩文を「賛」といい、自分が画いた絵に「賛」を書くことを「自画自賛」といいます。自分で自分を褒めるという意味は、のちに生まれたものだということです。
自画自賛には、歌や俳句を創り出し、画と字を美しく適切な場所に配置するなど、多くの能力が必要になります。
玉堂は晩年、画賛(画に俳句や短歌を添えたもの)には、終の棲家と同名の「偶庵(ぐあん)」という雅号を用いていました。
のびるだけ のびては草に 花が咲き かわるがわるに 蝶たずねくる 偶庵
分かっていても読めません。
「玉堂画で巡る夏休み展」開催概要
開催会場:玉堂美術館
開催期間:6月24日(火)~9月7日(日)
休館日:月曜日 9月2日・3日(メンテナンスの為)
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
観覧料金:一般:600円 中高大生:500円 小学生:300円
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://hoshino.asablo.jp/blog/2025/08/23/9797875/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。