カシワバアジサイ(柏葉紫陽花) ― 2025年06月17日 15時19分38秒
国営昭和記念公園で、カシワバアジサイの絵を描いている人が居ました。
カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)は、バラ目、アジサイ科、アジサイ属の落葉低木です。
柏餅でお馴染みの柏(カシワ)の葉に似た形の深く裂けた葉を持つので、カシワバアジサイと呼ばれます。
花色が白いアジサイは「アナベル」というアジサイが広く知られていますが、カシワバアジサイは花房が円錐状になるので、他のアジサイとは簡単に区別ができます。
今日のように暑い日にはソフトクリームを思い出す形状です。
開花時期は5~7月で、咲き始めのころは緑がかった色をしており、開花につれて白くなっていきます。
ほかのアジサイ属と同様に、花びらのように見える部分は萼(がく)で、装飾花といわれています。
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ヤエドクダミ(八重咲きドクダミ) ― 2025年06月16日 17時01分23秒
国営昭和記念公園で、八重咲きドクダミが咲いています。
かなり広い範囲に咲いているので、遠くから見た時はシロツメクサかと思いましたが、近付いてよく見るとドクダミです。葉っぱの形が全然違いますね。
ヤエドクダミ(八重ドクダミ)といわれ、道端などでよく見かけるドクダミの園芸品種です。
普通に見られるドクダミは、下の写真のように穂状花序が長く、花びらのように見える白い総苞(葉の特殊化した物)は通常4枚のみです。
ドクダミ(蕺・蕺草・蕺菜)はコショウ目、ドクダミ科、ドクダミ属の多年草です。
ヤエドクダミは白い花びらのような総苞の上に小苞が重なります。この白い花弁のように見えるものは全て葉の特殊化したもので、花弁(花びら)ではありません。
横から見ると苞が幾重にも重なって見えます。
ヤエドクダミの花期は5月~6月で、冬には地上部が枯れますが、春に再び芽吹いてきます。非常に強健で繁殖力が強いので、園芸品種と言えども植え場所には注意が必要です。
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オカモト・ア・ラ・モード おしゃれの法則 ― 2025年06月15日 12時55分37秒
川崎市の生田緑地にある、緑に囲まれた美術館「川崎市岡本太郎美術館」。
1991年に岡本太郎所有の作品352点が川崎市に寄贈されたのをきっかけに、追加寄贈作品を含めて1779点を所蔵・展示するため、1999年10月に開館しました。
当館では常設展示として「オカモト・ア・ラ・モード おしゃれの法則」が開催されています。
「生活の中に色や形が溶け込んでいくことこそ、芸術としての意味がある」(『岐阜日日新聞』1965年3月10日号インタビューより)という言葉で表されるように、人間にとっておしゃれとは、肉体をより一層引き立てることから始まっており、おしゃれは戦いなのだと、岡本は考えていました。
本展では、ネクタイ、スカーフ、浴衣の生地、婦人服、法被、カフスボタン、各種アクセサリー等、絵画や彫刻だけでなく、ファッションデザインも多く手がけた岡本の「おしゃれ」に関する考え方とともに、岡本の作品を紹介しています。
展示風景 左から《誘う》 《森の掟》 《マスク》 《歩み》
左から 《駄々っ子》 《犬》 《美女と野獣》 スカーフ 《ゆったり》(椅子)
岡本太郎はスカーフのデザインもしていました。シルクシフォン製のスカーフです。
ネクタイ 1957-1982年 絹
展示風景
左から《サイコロ椅子》 《歩み》 《ひもの椅子》 《岡本太郎が着ていた服》 《自由な私 高知市政100周年 自由》(赤と青のハッピ) 《黒い顔》
「銀彩ゆかた」という、ゆかたのデザインもしています。タイトルは《かえる》のようです。
《坐ることを拒否する椅子》 陶器製です。でこぼこしていて痛そうなうえに、見られているようで、確かに座る気にはなれません。
アディダスのスポーツウエアのデザインも行っています。トレフォイルロゴ(月桂冠の三つ葉ロゴ)の文字が「TARO」になっているのは面白いですね。
adidas ADICOLOR Yellow Series Y2 Reversible Track Jacket 2006年 布
こちらもアディダスの、イエローシリーズのスニーカーです。
adidas ADICOLOR Hi Y2 TARO Okamoto 2006年 布、ゴム
《自由な私 高知市政100周年 自由》のTシャツです。
革製のファッション小物で、ポーチ、財布、キーケースなどが並んでいます。
1978年の作品で、タイトルは《顔》。
子どもが天に向かってリボンを掲げ る姿を題材に、川崎市立藤崎小学校創立30周年を記念して創られたブロンズ像です。子供達には「リボンちゃん」の愛称で親しまれているそうです。
《喜び》 1969年 繊維強化プラスチック(FRP.)
ファッションとは関係ないのですが、不気味かわいいのでUPしました。
左:《雑草》 1956年 陶器 右:《四ツ足》 1956年 陶器
「オカモト・ア・ラ・モード おしゃれの法則」開催概要
開催会場:川崎市岡本太郎美術館 常設展示室
開催期間: 2025年4月17日(木)~2025年7月13日(日)
休館日:月曜日
開館時間: 9:30-17:00(入館16:30まで)
観覧料:
●~7月6日(日) ※企画展とのセット料金 一般900円、高・大学生・65歳以上700円
●7月8日(火)~7月13日(日) ※常設展のみ開催 一般500円、高・大学生・65歳以上300円
※中学生以下は無料
同時開催 企画展「岡本太郎と太陽の塔―万国博に賭けたもの」 会期:7月6日(日)まで
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オオバギボウシ(大葉擬宝珠)が咲いています ― 2025年06月14日 14時14分14秒
国営昭和記念公園の「野草のこみち」で、オオバギボウシの花が咲いています。
オオバギボウシ(大葉擬宝珠)は、キジカクシ目、キジカクシ科、リュウゼツラン亜科、ギボウシ属の多年草です。
蕾が橋の欄干にある擬宝珠に似ていて、葉っぱが大きいので「大葉擬宝珠」という名が付けられました。
東アジアの原産で、日本では北海道、本州中部以北に分布しています。湿り気のあるところを好み、湿地、草原、岩場、沢、林縁などの日陰や、湿り気のある日なたから半日陰のところに群生して見られます。
花期は夏(6~8月)で、白色から淡紫色の漏斗形の花を下向きにつけます。ユリの花に似ていますがかなり小さく、花の長さは4~5cmしかありません。
クマバチが蜜を求めてやってきました。
ユリの花のように雄蕊に花粉が多いので、体中真っ黄色になった個体もいます。大きな花粉玉を抱えています。
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日本船籍の新造客船「飛鳥Ⅲ」 ― 2025年06月13日 18時56分53秒
昨日(12日)午後3時頃、大さん橋のC号岸壁を離れます。
船首の向こうには横浜ランドマークタワーなど、みなとみらい21地区の高層ビルが並んでいます。
飛鳥Ⅲ(ASUKAⅢ)は、総トン数52,265トン、全長230m、全幅29.8mで、乗客数740名、乗組員数は470名です。客室は全室バルコニー付きです。
現在運航中の「飛鳥Ⅱ(ASUKAⅡ)」とほぼ同じ大きさの船で、今後は横浜を母港とするクルーズ客船が2隻運用されるようになります。
近い将来、「飛鳥Ⅱ」と「飛鳥Ⅲ」が大さん橋に同時停泊する日が来るかもしれません。7月11日に飛鳥Ⅱが世界一周クルーズから帰ってくるので、その日はもしかしたら・・・
後退しながら大さん橋から離れていきます。
下の写真、右に見える2本の塔は、東京電力フュエル&パワーと中部電力との合弁会社 JERA の横浜火力発電所の排気塔で、愛称「ツインタワー」といいます。高さは2本共200メートルあります。
右端に見える赤い灯台は「横浜北水堤灯台」です。 明治29年(1896年)に完成し、長い間行きかう船舶を見守り続けてきた、東京湾最古の灯台です。 灯器はLEDに変更されましたが、今でも光を放っています。
2日に初入港した「飛鳥Ⅲ」は、大さん橋に停泊しながら、7月20日のデビューに向けた最終調整や習熟航海を行っています。時々岸壁の場所を変えたり、右舷接岸・左舷接岸と接岸する向きを変えているのは、離岸・接岸の訓練をしているのかもしれません。
向こうに見える橋は横浜ベイブリッジです。
ランドマークタワー側(新港側といいます)のC号岸壁から、横浜ベイブリッジ側(山下側といいます)のB号岸壁へ移動しています。後退のままUターンして、大さん橋のB号岸壁に向かってきました。
横浜ベイブリッジが船首側に見えてきました。
今まで曇っていた空から一瞬、太陽の光が差し込んできました。船体に正面から強い日差しが当たると、相対的に海や空が暗く写るので、曇りの時とは違った印象になります。
さっきまで停泊していたのとは反対側の、B号岸壁に接岸します。横浜マリンタワーと氷川丸が見えます。
C号岸壁を離岸してからB号岸壁に接岸するまで約40分。多くの人がその動きを見守っていました。
「飛鳥Ⅲ」は7月20日17時、デビュークルーズ「MaidenVoyage 函館・小樽」7日間の旅に出航します。
旅行代金は2名1室で 984,000~1,741,000 円(1名・割引無しの場合)です。
7日間ですが函館と小樽に立ち寄るだけの国内旅行なので、「飛鳥」としては割と安めに設定されています。とはいっても、私にとって簡単に行ける金額ではないのです。
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ネジバナ(捩花)が咲き始めました ― 2025年06月12日 06時45分17秒
国営昭和記念公園の日本庭園外周の芝生帯で、ネジバナが咲き始めました。
ネジバナ / ネジリバナ(捩花)は、ラン目、ラン科、ネジバナ属の小型の多年草で、日本全土の、湿っていて日当たりが良く背の低い草が生えている場所に生育します。花径の丈は高いものでも40cmくらいだといいます。ここで咲いているものは20cm前後が多いようです。これから成長していくのでしょうか。
ピンクから赤紫色をした小さな花が、細長い花茎に密着させるように、螺旋(らせん)状に並んで下から上の方へ咲いていきます。アップにするとラン科の植物だということが納得できます。
花が螺旋状にねじれて咲くので、「ネジバナ」の和名が付きました。 学名は、Spiranthes sinensis var. amoena といいます。学名のSpiranthes(スピランセス)も、ギリシャ語の 「speira(螺旋) + anthos(花)」に由来しています。
右巻きと左巻きの両方があり、その比率は大体1対1だといいます。植物の世界は平等ですね。
英名では「Lady’s tresses」と呼ばれます。女性の美しい髪の毛(巻き髪)を意味するようです。
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昭和記念公園の花菖蒲 ― 2025年06月11日 10時10分23秒
国営昭和記念公園の花木園菖蒲田と、日本庭園の池で、花菖蒲が見頃になっています。
ハナショウブ(花菖蒲、学名:Iris ensata var. ensata)は、キジカクシ目、アヤメ科、アヤメ属の多年草で、ノハナショウブ(野花菖蒲、学名:Iris ensata var. spontanea)の園芸種を指します。
比較的水はけのよい湿地を好み、6月ごろに花を咲かせます。花の色は、白、桃、紫、青、黄など多様で、絞りや覆輪などとの組み合わせを含めると5,000種類くらいあるといわれています。
花弁の付け根に黄色い筋が入ります。ハナショウブ(花菖蒲)とアヤメ(菖蒲)、カキツバタ(杜若)はよく似ているので区別がつきにくいのですが、アヤメは乾いた所に咲き、花弁の付け根が網目模様なので比較的分かりやすいです。
カキツバタとハナショウブは湿地に咲いています。花弁の付け根がカキツバタは白い一筋の線で、ハナショウブは黄色になっているので区別ができます。カキツバタは花弁の形がスラッとしています。
漢字で書くとショウブもアヤメも「菖蒲」なので、分かりにくいですね。
端午の節句(こどもの日)に浴槽に入れるショウブ(菖蒲)は全く別種で、ショウブ目、ショウブ科、ショウブ属です。 アヤメ(菖蒲)やカキツバタ(杜若)はハナショウブと同じアヤメ科、アヤメ属になります。
咲く時期はアヤメが一番早く5月上旬頃から、次はカキツバタで5月中旬頃から、そしてハナショウブは6月上旬頃から咲き始めます。
蕾の先に赤とんぼがとまっていました。
シオカラトンボもやってきました。
仲良く並んでいます。 尖った先が好みのようで、咲いた花にはなかなかとまりません。
菖蒲田の中では、オタマジャクシがたくさん泳いでいました。
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タイサンボク(泰山木 / 大山木 ) ― 2025年06月10日 11時40分47秒
国営昭和記念公園の「原っぱ東側園路沿い」や「花木園」、「ふれあい広場北側斜面」で、タイサンボクの白い花が咲いています。
タイサンボク(泰山木 / 大山木 学名:Magnolia grandiflora)は、モクレン目、モクレン科、モクレン属の常緑高木です。
こんな大木でも、街中の街路樹や公園でよく見かける、モクレンやコブシなどと同じ仲間です。
漢字表記の「泰山木」は、中国の名山「泰山」に例えたものといわれ、「大山木」は大きな山を表し、いずれも木が大きく成長する特徴から、その名が付いたと思われます。
ときに高さ20メートルにもなる大木で、37.2メートルの記録もあるといいます。
学名のMagnolia (マグノリア)はモクレン属を指し、grandiflora(グランディフローラ)は大きい花を意味します。花の大きさは直径15~30cmあり、大きいものでは45cmにもなるといいます。
花持ちはあまり良くなく数日で散ってしまうといいますが、大きな木なので順次新しい花が咲いていきます。
タイサンボクの花期は5月下旬~7月頃で、白いお椀型の花が上を向いて咲きます。高い場所で上向きに咲くため、少し高い所から木を見下ろすようにしないと、花の中を見ることは出来ません。
上を見ながら歩いていないと、花が咲いていることにさえ気付かないこともしばしばです。
花の中央にある尖ったものが蕊(しべ)で、上の部分が雌蕊(めしべ)、下の方に雄蕊(おしべ)が周りを囲むように付きます。雄蕊はしばしば花軸から外れて花被片上に落ちます。
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花菖蒲に ヒガシニホンアマガエル ― 2025年06月09日 11時03分07秒
初夏の日本の風物詩ともいえる「アマガエル(雨蛙)」。
両生網、無尾目、アマガエル科、アマガエル属に分類される両生類で、一般的にアマガエルというとニホンアマガエル(日本雨蛙)を指します。
ニホンアマガエルは従来単一種とされながら、太腿の斑紋パターンが地域によって異なっており、関西以東の日本とサハリンの集団はクレードA、関西以西の日本と韓国の集団はクレードBと呼ばれていました。
※クレード(clade)とは、生物学と生物学的分類法における単一の共通の祖先で構成される分岐進化によるグループを指し、日本語では分岐群とも言われます。
今年(2025年)、クレードAにあたる東日本に分布する集団をヒガシニホンアマガエルとして新種記載されました。クレードBは従来通りニホンアマガエルとされています。
論文はこちら(英語)
愛知教育大学のプレスリリース(2025.2.21)はこちら(日本語)
先日、そのヒガシニホンアマガエルが、花菖蒲の花の上にいました。
カエルは水辺に棲むものと思われがちですが、ニホンアマガエルは樹上での生活にも適応していて、水辺の植物の上や森林などに生息します。
成体は春になると、水田や池などの止水域に集まります。発達した吸盤によって垂直な面をも移動できるので、茎を伝って花の上にもよくやって来るそうです。
後ろ向きだったカエルがぴょこんと花の中に落ちてしまい、見えなくなったと思ったら這い上がってきました。
アマガエルは他のカエルと比べて人を恐れないので、人の手のひらの上でも平気で留まっているといいます。
そういえば、田舎に住んでいた子供の頃には良い遊び相手でした。最近は見かけることが少なくなりましたが、かわいいヤツです。
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薬師池公園の花菖蒲 ― 2025年06月08日 15時57分24秒
昨日アップした薬師池公園では、175品種、約2,200株の花菖蒲が植えられています。
花菖蒲はノハナショウブを起源とする園芸品種で、江戸時代に大名屋敷での栽培から育種が盛んになりました。江戸系・肥後系・伊勢系など産地により様々な品種があり、その数は数百種に及ぶといいます。
通路の近くで咲いている花菖蒲には品種名の札が立っていて、その品種を知ることが出来ますが、種類が多すぎて眺めていくうちに品種名なんてどうでもよくなってしまいます。
でも、一応品種別に分けてみました。
鶴鵲楼 (かくじゃくろう)
鶴はツル、鵲はカササギを指します。中国山西省永済市に鸛鵲楼(かんじゃくろう)という楼閣がありますが、こちらの「鸛」は鶴という字ではなく、コウノトリ(鸛)です。
愛知の輝 (あいちのかがやき)
花びらが3枚の三英咲きで、花色は明るい黄色です。
伊勢路の春 (いせじのはる)
上の「愛知の輝き」と共に、伊勢系といわれる品種です。
霓の巴 (にじのともえ)
江戸系の花菖蒲です。「霓」とは、はっきりと見える「虹」に対し、その外側に薄く見える副虹を指します。
曙光 (しょこう)
こちらも三英咲きの伊勢系品種です。白のような美しい極薄ピンクの花弁を垂れるように咲かせます。
濃仙女 (のうせんにょ)
花弁が6枚の六英花です。周縁部が波打ったように大きなフリルがあります。
黄冠 (おうかん)
輝くような黄金色の花が特徴の種間交雑品種です。
加茂千歳 (かもちとせ)
「江戸古花」で、平咲きの六英花です。花色は紫色で、花被片の中央部は白色で「ぼかし」と呼ばれています。
弥生鏡 (やよいかがみ)
三英咲きの伊勢系品種です。赤味を帯びた紫色の花を咲かせます。花弁は垂れるように咲く「垂咲き」になります。
今日もご覧いただき、ありがとうございました。
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