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麗子 110歳2024年02月28日 09時53分37秒

岸田 劉生(きしだ りゅうせい、1891年〈明治24年〉6月23日 - 1929年〈昭和4年〉12月20日)は、東京・銀座生まれの洋画家です。

東京国立近代美術館は岸田劉生の作品を数多く所蔵しています。中でも国重要文化財に指定されている《道路と土手と堀(切通之写生)》は有名です。
この作品は、異なる遠近法で描かれた石堀、土の道、造成地が異様な遠近感を観る者に与え、道がまくれあがって迫ってくるような錯覚を起こします。
右から伸びてくる電柱の影も遠近法の攪乱を起こしています。
岸田劉生《道路と土手と堀(切通之写生)1915年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵
岸田劉生《道路と土手と堀(切通之写生)》 1915年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵 国重要文化財

岸田劉生で一般的に広く知られているのは《麗子像》ではないでしょうか。
1914年に生まれた愛娘「麗子」の肖像を、麗子4歳の頃から描き始め、油絵や素描など約70点の作品を遺しているといわれます。
その岸田麗子(きしだ れいこ、1914年(大正3年)4月10日 - 1962年(昭和37年)7月26日)が今年、生誕110年を迎えます。
それを記念して東京国立近代美術館では、所蔵作品の中から岸田麗子に関する絵画や写真、日記、資料など45点を展示して「麗子像」を追っています。

岸田劉生の自画像です。作品の右上に「APR・9th.1914.」と書かれています。麗子が生まれる前日の日付で、岸田劉生22歳の作品です。
岸田劉生《自画像》1914年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵
岸田劉生 《自画像》 1914年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵

愛娘、「麗子」を描く有名なシリーズの最初の1点です。当時は「かぞえ」で年齢を表していました。
アーチ状の額が描かれ、「『額に入った麗子の絵』を描いた絵」という、だまし絵のようになっています。それほど大切に想っていたんでしょうね。
岸田劉生《麗子肖像(麗子五歳之像)》1918年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵
岸田劉生 《麗子肖像(麗子五歳之像)》 1918年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館蔵

紙に水彩で描かれていますが、まるで油絵のような立体感があります。
岸田劉生《麗子六歳之像》1919年 水彩・紙 東京国立近代美術館蔵
岸田劉生《麗子六歳之像》1919年 水彩・紙 東京国立近代美術館蔵

展示風景

麗子満1歳の記念写真です。(1915年) 写真館で撮影してもらったもののようです。
麗子満1歳の記念写真 1915年

上:家族アルバム(1929年以降)と、下:岸田麗子アルバム(1914年以降)も展示されています。

岸田劉生から妻・蓁(しげる)への葉書です。(1919年)
岸田劉生から妻・蓁(しげる)への手紙
麗子(満5歳の頃)の顔が描かれていて、深い愛情を感じます。

劉生は麗子が2歳の時から絵の手ほどきを始めました。ただ技法を教えるのではなく、対話を通じて麗子の心に「美」を認識させることを重んじたといいます。
展示風景  麗子の描いた絵が展示されています。

岸田劉生は1925年に「図画教育論」を出版しました。そこには麗子が子供の頃に描いた44点を載せ、劉生が解説を書いています。
この作品に関しては、「この絵は中々美くしい。右端に立ってゐるお姫様の顔の如きは決して偶然に出た美しさとのみは云えない。又 髪飾りのビラビラした前ざしなどにもとも角も描写の片影があり それが顔の美しさと相助けてゐる。」と書かれています。
岸田麗子《お姫様》1919年 墨・紙 東京国立近代美術館蔵
岸田麗子《お姫様》1919年 墨・紙 東京国立近代美術館蔵

こちらには「・・・・・色も形も衣装もともに美くしい。」と評しています。愛情あふれる作品解説というより、親ばかみたいですね。
岸田麗子《下町娘》1923年 色鉛筆・紙 東京国立近代美術館蔵
岸田麗子《下町娘》1923年 色鉛筆・紙 東京国立近代美術館蔵

鎌倉女学院在学中に15歳で父を喪った麗子は、画家としての活動を始めましたが、1962年(昭和37年)7月に蜘蛛膜下出血で急逝しました。享年48歳で、墓所は多くの著名人が埋蔵され父劉生も眠る「多磨霊園」です。


「東京国立近代美術館所蔵作品展 MOMATコレクション」開催概要
開催会場:東京国立近代美術館本館所蔵品ギャラリー(4F-2F)
  ※岸田劉生、麗子に関する展示「麗子、生誕110年」は「第3室」
開催期間:2024年1月23日(火)~4月7日(日)
休館日:月曜日(ただし3月25日は開館)
開館時間:10:00–17:00(金曜・土曜は10:00–20:00) 入館は閉館30分前まで
入室料金:一般 500円  大学生 250円
  ※5時から割引(金曜・土曜) :一般 300円 大学生 150円
  ※高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」をお持ちの方、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。(要証明書類)
  ※企画展観覧者は当日に限り企画展のチケットで鑑賞できます。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

麻布台ヒルズ33階の展望フロアに行ってきました2024年02月28日 18時21分33秒

2023年11月24日にオープンした、麻布台ヒルズに行ってきました。
オープンとは言ってもテナントは現在も順次開店している状態で、麻布台ヒルズマーケットは3月11日オープンということで工事中です。
エルメスは明日、2月29日オープンとありました。
麻布台ヒルズアリーナのある中央広場もイベントの準備なのか、大部分が閉鎖されていました。
麻布台ヒルズ

トーマス・ヘザウィック氏が手掛けた《The Cloud》です。単なる屋根ではなく、パブリックアートになっています。

森JPタワー33階のスカイロビーに昇ってみました。B1から33Fまで直行のエレベーターを使います。
全面ガラス張りになっていて素晴らしい景色が広がりますが、北側は見ることが出来ません。
麻布台ヒルズ33階スカイロビー
ベンチを兼ねた階段を使って34階へ行くことが出来ます。34階には「Hills House Sky Room Cafe & Bar」というカフェがあり、この店の奥の方の席からも東京タワーを正面に見ることが出来ます。
麻布台ヒルズ33階スカイロビー

東京タワーです。
麻布台ヒルズ33階スカイロビーからの眺望・東京タワー
高さは333メートルで、東京スカイツリーの634メートルの半分くらいしかありませんが、東京タワーの人気はいまだに衰えていません。東京のシンボルとして凛とした姿で立っています。
麻布台ヒルズ33階スカイロビーからの眺望・東京タワー

麻布台ヒルズ33階は東京タワーのメインデッキ(海抜150メートル)を見下ろす高さになります。
麻布台ヒルズ33階スカイロビーからの眺望・東京タワー

お台場方面です。
麻布台ヒルズ33階スカイロビーからの眺望
右の方に行くと富士山が見えました。
麻布台ヒルズ33階スカイロビーからの富士山
富士山の右には六本木ヒルズが見えます。高くそびえ立っているのは森タワー、茶色と白のビルは六本木ヒルズレジデンスです。その間、手前にある屋上が白い建物はテレビ朝日本社ビルです。左側遠くの方に小さく富士山が見えます。
麻布台ヒルズ33階スカイロビーからの眺望

麻布台ヒルズにも他の「ヒルズ」と同じようにパブリックアートが点在しています。

ニコライ・バーグマンの《プリザードフラワー》(2023年)です。
ニコライ・バーグマン《ブリザードフラワー》2023年
バラの花びらだけを1万枚以上使用して重ね合わせ、圧倒的なスケールと高級感を演出しています。
ニコライ・バーグマン《ブリザードフラワー》2023年

奈良美智《東京の森の子》は樹木のような頭部を持つブロンズ像で、高さは約7メートルあります。
麻布台ヒルズは「自然との共生」を理念のひとつとしています。針葉樹を思わせる《東京の森の子》はここに立ち、周囲の緑と調和しながらも強い存在感を放っています。
奈良美智《東京の森の子》

霊友会釈迦殿の屋根の向こうに東京タワーが見えました。

麻布台ヒルズに直結して八幡神社があります。八幡神社は各地にあるので、他との区別の都合上、旧地名を冠して西久保八幡神社(にしくぼはちまんじんじゃ)ともいわれます。
西久保八幡神社
左が麻布台ヒルズ森JPタワー、右は麻布台ヒルズレジデンスです。
八幡神社と麻布台ヒルズJPタワー

狛犬の向こうで森JPタワーが輝いていました。過去と現在、未来が融合する街ですね。



最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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