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時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から2024年04月17日 17時17分17秒

東京都写真美術館で「TOPコレクション 時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から」が開催されています。
東京都写真美術館

この展覧会は「時間旅行」をテーマとする東京都写真美術館のコレクション展です。
TOPコレクション 時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から

人が様々な時代を自由に旅する「時間旅行」という発想があります。本展では、今から100年前の1924年に遡(さかのぼ)った時点から現代までを、「時間旅行」していきます。

宮沢賢治が生前唯一の詩集である『心象スケッチ 春と修羅』を刊行したのは1924(大正13)年です。
本展では、『春と修羅』序文の言葉をひとつの手掛かりとして、戦前、戦後そして現代を想像力によってつなぐ、写真と映像による時空を超えた旅となっています。

● 第一室 1924年 — 大正13年

時間旅行の出発点は、ちょうど100年前の1924(大正13)年です。東京都写真美術館所蔵のコレクションを中心に、この年に制作・発表された写真作品を紹介しています。
宮沢賢治『心象スケッチ 春と修羅』
宮沢賢治 『心象スケッチ 春と修羅』 1924年(復刻版) 個人蔵

展示風景
TOPコレクション 時間旅行 千二百箇月の過去とかんずる方角から

吉川富三 《女の顔》 1924年 ゴム印画 東京都写真美術館蔵

● 第二室 昭和モダン街

1930年代の東京の街と道行く人々の活気ある姿、1930年代の広告写真、そして国立工芸館と東京都江戸東京博物館の所蔵品より当時の東京の街角を彩っていた広告ポスターの競演。杉浦非水による昭和初期のモダン・デザインなど、展示室の中が昭和の良き時代にタイムスリップします。

桑原甲子雄 《浅草公園六区(台東区浅草に丁目)》〈東京昭和十一年〉より 1937年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

展示風景


杉浦非水 《帝都復興と東京地下鉄道》 C.1929年 リトグラフ、オフセット・ポスター 国立工芸館蔵

杉浦非水 《カルピス》 1926年 リトグラフ・ポスター 国立工芸館蔵

● 第三室 かつて ここで — 「ヱビスビール」の記憶

東京都写真美術館があるこの場所は、かつては日本麦酒醸造株式会社のビール工場があり、「恵比寿ビール」を製造していました。
このセクションでは、ビール醸造所だった、かつてのこの場所の姿を記録写真、明治・大正、昭和初期の広告ポスターで紹介しています。
1900~1930年頃(明治~昭和初期)までの大日本麦酒株式会社のビール広告(複製)

1990(平成2)年にビール工場は解体されました。その姿を捉えた宮本隆司のシリーズ〈建築の黙示録〉からの作品が並びます。
宮本隆司 《サッポロビール恵比寿工場》〈建築の黙示録〉より 1990年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

● 第四室 20世紀の旅 — グラフ雑誌に見る時代相

東京都写真美術館の図書室蔵書より、戦前から戦後までの雑誌『LIFE』『アサヒグラフ』のバックナンバーを選りすぐり、20世紀という時代の変遷をたどる表紙グラビアを紹介しています。またこれと関連して、グラフジャーナリズムを代表する写真家W.ユージン・スミス、大束元などによる作品をオリジナル・プリントによって展示しています。

『ライフ』誌表紙

1944年6月6日の、連合国軍によるフランス開放のためのノルマンディー上陸作戦を、ロバート・キャパが撮影し『LIFE』に掲載されました。(『LIFE』1944年6月19日号)
この時、ロンドン支局で待機していた暗室係が乾燥キャビネットの温度を感光乳剤が溶けてしまうほど高く設定し、フィルム2本分(72カット)を殆ど使い物にならない状態にしてしまいました。
ロバートキャパ 《“Dデー”作戦日に上陸する米軍の先陣部隊 オマハ・ビーチ、コルヴィユ・シュル・メール付近、ノルマンディー海岸、1944年6月6日》 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

1950年代に撮影された、著名な写真家の作品がたくさん並んでいます。
W.ユージン・スミス 「スペインの村」 『LIFE』1951年4月9日号

ロベール・ドアノー 《パリ市庁舎前のキス》 1950年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

フィリップ・ハルスマン 《マリリン・モンロー》 1952年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

「連作 メカニズムの眼 10」 (『写真サロン』1958年(昭和33年)10月号)に掲載された作品です。
大束元 《夜空の構成 数寄屋橋にて》 1958年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

● 第五室 時空の旅 — 新生代沖積世(しんせいだいちゅうせきせい)

宮沢賢治の言葉にインスパイアされた、時間と空間の多層的な世界を形にしたセクションです。

宮沢賢治『心象スケッチ 春と修羅』
映像 宮沢賢治 『心象スケッチ 春と修羅 序文』 シングル・チャンネル・ヴィデオ(スライドショー)

ノスタルジックな影絵のような作品ですが、写真です。島田謹介は1955年に朝日新聞の写真部を定年退職しており、その頃に撮影したものと思われます。
島田謹介 《釜石線の列車》 C.1950年-1959年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

冬至から夏至までの半年間の太陽の軌跡を一枚の写真に収めた、「時間旅行」を感じさせる作品です。
北野謙 〈光を集める〉より 《香川県土庄町 小豆島 千年樹 2017年冬至-2018年夏至》 2017-18年 インクジェット・プリント 作家蔵

今から70年前の写真です。昭和の時代には、屋上に遊園地があるデパート(百貨店)がたくさんありました。
田沼武能 《松屋百貨店屋上の新型機スカイクルーザー》 1954年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

私が好きな写真家の一人、森山大道の〈東京〉より、渋谷のスクランブル交差点付近の写真です。
森山大道 《交差点(渋谷)》 〈東京〉より 1968-80年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵


開催会場:東京都写真美術館 3F展示室 (恵比寿ガーデンプレイス内)
開催期間:2024年4月4日(木)~7月7日(日)
休館日:毎週月曜日(ただし、4月29日[月]、5月6日[月]は開館。5月7日[火]は休館。)
開館時間:10:00~18:00(木・金曜日は~20:00)  ※入館は閉館時間の30分前まで
観覧料金:一般 700円/学生 560円/中高生・65歳以上 350円
  ※小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料
  ※障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
  ※第3水曜日は65歳以上無料
  ※各フロア展覧会とのセット割引などがあります。、詳細は「ご利用案内」をご覧ください



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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