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皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 第4期「三の丸尚蔵館の名品」2024年05月25日 13時51分15秒

古くから日本の皇室は文化的所産を蒐集・蓄積し、芸術文化の振興に重要な役割を果たしてきました。 こうした皇室コレクションは宮内庁書陵部や正倉院事務所、東京国立博物館などに保管され、国民への公開や研究活用などに用いられてきましたが、1989(平成元)年に上皇陛下と香淳皇后が約6千点に及ぶ美術工芸品を国に寄贈されたことを契機に「三の丸尚蔵館」が設立され、1993(平成5)年に一般公開が開始されました。 
しかし、宮家からの寄贈や遺贈によって収蔵品が年々増えて収蔵スペースが不足し、改装の為2021年から一時休館していました。 まだ工事中ではありますが、今年11月に開館30年を迎え、「皇居三の丸尚蔵館」として一部開館して国民に公開しています。 
現在は伊藤若冲の《動植綵絵》など国宝を含む約6100件、約2万点を収蔵し、収蔵品には国宝や重要文化財に指定される可能性があるものも多く眠っているとみられています。

第1期 三の丸尚蔵館の国宝」では、全ての展示品が国宝という他に類を見ない豪華な展覧会になり、「第2期 近代皇室を彩る技と美」では、横山大観の代表作のひとつである大作《日出処日本》や、私の好きな川合玉堂の作品などが展示されました。


皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第4期 「三の丸尚蔵館の名品」に行ってきました。
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第4期 「三の丸尚蔵館の名品」

1309年頃に描かれた、藤原氏の氏神を祀る奈良・春日大社の創建と霊験を語る絵巻です。国宝に指定されています。
国宝 《春日権現験記絵(かすがごんげん げんきえ)》 巻一第二段(部分)  高階隆兼 鎌倉時代 延慶2年(1309年)頃

伊藤若冲 作の国宝、《動植綵絵(どうしょくさいえ)》全30幅のうち12幅を、第1期と今回の第4期に分けて公開しています。本展の目玉展示のひとつになっていて、一番人気です。
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第4期 「三の丸尚蔵館の名品」
《動植綵絵》は伊藤若冲の代表作の一つで、江戸時代中期にあたる宝暦7年(1757年)頃から明和3年(1766年)頃にかけての時期に、若冲が時間と労力を存分に費やして描きあげた大作です。若冲によって相国寺に寄進され、明治22年(1889年)明治天皇に献上され、現在は皇居三の丸尚蔵館が保管しています。
伊藤若冲 国宝《動植綵絵 老松孔雀図((ろうしょう くじゃくず)》 江戸時代(18世紀) 絹本着色

奇想の絵師といわれた伊藤若冲の作品は遠くからでも奇抜なデザインが目を惹きますが、細部を見ると驚くほど微密に描き込まれています。
伊藤若冲 国宝《動植綵絵 芙蓉双鶏図(ふよう そうけいず)》 江戸時代(18世紀) 絹本着色 (部分)

展示風景
皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第4期 「三の丸尚蔵館の名品」

目玉は2つあります。本展2つ目の目玉、国宝 《唐獅子図屏風》です。
右双 狩野永徳 国宝 《唐獅子図屏風(からじしずびょうぶ)》 桃山時代(16世紀) 紙本金地着色
左双 狩野常信 国宝 《唐獅子図屏風(からじしずびょうぶ)》 江戸時代(17世紀) 紙本金地着色
狩野常信は永徳のひ孫で、江戸時代に左双を捕作しました。


横山大観が初の御下命を受け、明治宮殿の豊明殿という大広間のために制作したものです。
横山大観 《朝暘霊峰(ちょうようれいほう)》 1927年(昭和2年) 紙本墨画金彩

水戸黄門として有名な徳川光圀が生前に愛用していた硯箱です。
波濤から飛び散る飛沫の輝きは金銀の鋲で表現され、蓋の面取部には徳川家を示す葵紋が描かれています。
青海波塗は、青海勘七が考案した、漆を櫛のような道具で掻いて波模様を表す技法です。
伝 青海勘七 《青海波塗硯箱(せいがいはぬり すずりばこ)》 江戸時代(17世紀) 木、漆塗、蒔絵

遠くから見てもキラキラと輝く、絹糸の光沢が美しい刺繍屏風です。昭和3年(1928年)の大礼に際して、京都市が献上しました。
高島屋呉服店 《閑庭鳴鶴・九重ノ庭之図刺繍屏風(かんていめいかく・ここのえのにわのず ししゅうびょうぶ)》 昭和3年(1928年) 刺繍

本展は、「皇室のみやび―受け継ぐ美―」展を締めくくるにふさわしい、見ごたえのある展示内容になっています。

第4期 「三の丸尚蔵館の名品」だけの図録を販売していました。A4サイズ38ページで、税込1,000円です。


皇居三の丸尚蔵館 開館記念展「皇室のみやび―受け継ぐ美―」第4期 「三の丸尚蔵館の名品」開催概要
開催期間:令和6年(2024年)5月21日(火)〜6月23日(日)
休館日:月曜日
開館時間:: 午前9時30分〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
観覧料金:一般 1,000円 大学生 500円
  ※高校生以下及び満18 歳未満、満70 歳以上は無料。入館の際に年齢のわかるものを提示
  ※無料の方も日時指定予約が必要
  ※障がい者手帳をお持ちの方とその介護者各1 名は無料(予約不要)。
お得な図録付きチケットもあります。詳細は公式チケットサイトへ(こちら



最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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