春の多摩川 ― 2015年03月30日 12時55分26秒
春の多摩川に朝日が輝いて、蛇行した川の流れをくっきりと浮かび出します。
河川敷の遊歩道には、雪柳の創り出す白い雪のような塊が延々と続いています。
ユキヤナギ(雪柳)
枝が弓状に湾曲して雪のように真っ白い花を咲かせるのでユキヤナギ(雪柳)という名が付きました。
枝は柳のように枝垂れますが、ヤナギの仲間ではなく、バラ科の植物です。
等々力緑地近くの多摩川堤防敷(土手)には、数種類の桜が植えられていて、順番に花を咲かせていきます。
最初に咲くのはカワヅザクラ(河津桜)です。
ソメイヨシノより1ヶ月程早く咲き始め、花の見られる期間が約1ヶ月と長いのが特徴です。
花は僅かしか残っていなかったので、写真は3月19日に撮影したものです。
この2枚以外は昨日、3月29日に撮影しました。
河津桜が満開を過ぎた頃、ショウカワザクラ(荘川桜)の花が開き始めます。
荘川桜は、岐阜県高山市荘川町(旧荘川村)に植えられている樹齢450年と推定される2本のエドヒガンザクラの古木で、岐阜県指定天然記念物になっています。
1960年に、御母衣ダムの建設で湖底に沈む運命にあった2本の桜が湖岸に移植されたものです。
多摩川に植えられている荘川桜は、実生木を荘川村から寄贈されました。
ウスズミザクラ(淡墨桜)も同じ頃花を咲かせます。
淡墨桜も岐阜県の桜で、本巣市の淡墨公園にある樹齢1500年余りと推定されるエドヒガンザクラです。国の天然記念物に指定されています。
淡墨桜は蕾のときは薄いピンク、満開時は白色、散りぎわには淡い墨色になり、淡墨桜の名はこの散りぎわの花びらの色に因むそうです。
苗木を分けて、岐阜県や愛知県などあちこちに子孫が植えられているということです。
ソメイヨシノが満開になる前に、ジンダイアケボノ(神代曙)が見頃を迎えます。
ソメイヨシノより先に、オオシマザクラ(大島桜)も咲き始めます。
大島桜は、葉と花が同時に成長してくるので葉っぱがいっぱいあっても見頃を過ぎた訳ではなく、これから満開を迎えます。
桜餅の桜の葉っぱは、この桜の葉を塩漬けにした物が使われています。
花弁の色は白色ですが、萼の緑色や葉っぱの色が影響して淡い緑色に見えます。
そして、最後に咲くのが、ソメイヨシノ(染井吉野)です。
昨日3月29日に東京の靖国神社にある標本木の満開が発表されましたが、多摩川土手の桜の満開はもう少し先になりそうです。
ソメイヨシノはやっぱり、日本の桜の王様です。
最近のコメント