カサブランカ(Casa Blanca) ― 2023年07月18日 08時29分43秒
カサブランカ(Lilium ‘Casa Blanca’)
カサブランカ(Lilium ‘Casa Blanca’)は、ユリ目、ユリ科、ユリ属(学名:Lilium)の多年草の栽培品種です。
英国王立園芸協会によって定められた園芸分類に基づくと、オリエンタル・ハイブリッドという分類になります。オリエンタル・ハイブリッド系のユリにもさまざまな種類がありますが、「カサブランカ」はその代表的な品種とされています。
オランダで改良された品種で、名称はモロッコの都市の一つであるカサブランカ (Casablanca) に因みます。スペイン語で "Casa" は「家」、"Blanca" は「白い」で、「白い家」という意味があります。
1975年に育成され、1984年に命名・発表されました。
純白の大輪の花を咲かせるカサブランカは「百合の女王」とも言われています。
小池百合子さんではありません。
東京都立川市と昭島市に跨る国営昭和記念公園では、西立川口近くのさざなみ広場西側斜面で、群生するカサブランカが見頃を迎えています。
「凱旋!岡本太郎」展 川崎市岡本太郎美術館 ― 2023年07月18日 17時15分50秒
川崎市岡本太郎美術館で開催されている、「凱旋!岡本太郎」展 に行ってきました。
2022年から23年にかけて大阪・東京・愛知で行われた大規模巡回展「展覧会 岡本太郎」から帰ってきた、川崎市岡本太郎美術館所蔵の岡本太郎コレクションを、「凱旋!岡本太郎」として展示するものです。
とは言っても岡本太郎の作品はほとんどが川崎市岡本太郎美術館に本人から生前に寄贈されており、主要な作品のほぼ全てが本展でも展示されています。
上は本展のチラシですが、岡本太郎が色彩指導とキャラクターデザインを手がけた、1956年公開・大映の『宇宙人東京に現わる』というSF特撮映画のポスターを彷彿とさせます。
大映株式会社(大映株式会社、大映映画社) © 1956年 Wikimedia Commons より引用。
岡本太郎の作品が、年代別にずらっと並べて紹介されています。(この展示は常設です)
本展では常設展示室と企画展示室の両方の展示スペースをフルに使用し、
1.パリ時代
2.戦後の前衛として
3.画壇のアヴァンギャルド
4.日本再発見──伝統と創造
5.今日の芸術──建築・デザインとの協同
6.明日の神話と太陽の塔
7.眼の宇宙
8.見ることから描くことへ
の8つの章で構成され、岡本太郎の面白さと奥深さを存分に体感できる展示になっています。
岡本太郎(1911年2月26日 - 1996年1月7日)は、漫画家・岡本一平と小説家/歌人・岡本かの子を両親に生まれ、絵を志したパリ留学で、現地の抽象芸術グループで前衛芸術家や思想家と交流を深めます。
美術のみならず、哲学や民族学、民俗学を学び、その作品は絵画、彫刻、写真、文章など幅広いものになっています。
岡本太郎のパリ時代の作品は第2次世界大戦の空襲によりすべて焼失してしまいました。(近年、パリ時代の初期の作品3点が発見されています)
パリのG.L.M社から発行された画集『OKAMOTO』記載のサイズを参考に実物大の写真パネルで、若きパリ時代の作品を紹介しています。
作品の横に、子供でも理解できるようにやさしい言葉で書かれた解説が掲示されています。
また、子ども向けワークシートの配布や、日本の美術館では画期的ともいえる展示室の作品の前でスケッチができる場も設けられています。
岡本太郎 《空間》 1934 / 54年 油彩、カンヴァス 川崎市岡本太郎美術館蔵
岡本太郎の代表作のひとつで、国際シュルレアリスム・パリ展に出品され、高く評価された作品です。
岡本太郎 《傷ましき腕》 1936 / 49年 油彩、カンヴァス 川崎市岡本太郎美術館蔵
この作品も岡本太郎を代表する作品です。
赤く旋回する歯車や工場内部と思われる金属質のパイプなどが描かれています。図案化された黄色い人間は機械に使われているように飛び回ります。それにしても、左下に写実的に描かれた「ネギ」は何を表しているんでしょう・・・
《重工業》 1949年 油彩、カンヴァス 川崎市岡本太郎美術館
展示風景。中央にある《夜》というタイトルの絵は、岡本太郎が1948年に小説家、評論家らと結成した「夜の会」の名の基となっています。
岡本太郎 《夜》 1947年 油彩、カンヴァス 川崎市岡本太郎美術館蔵
本展では、絵画を描くために作成されたドローイングも並べて展示されています。
どのような経過を経て一つの絵画が出来上がったかを知る道しるべとなります。
《森の掟》のドローイング(上)と油彩(下)です。
岡本太郎 《森の掟》 1950年 油彩、キャンバス 川崎市岡本太郎美術館蔵
《美女と野獣》という作品です。猫のような野獣が かわいらしくて楽しいですね。
岡本太郎 《美女と野獣》 1949年 油彩、キャンバス 川崎市岡本太郎美術館蔵
展示風景
1971年に開催されたフランスのフォーブル・サントノーレ芸術祭に出品された作品です。
岡本太郎 《樹人》 1971年 繊維強化プラスチック(FRP) 川崎市岡本太郎美術館蔵
会場風景
岡本太郎設計の唯一の建築物作品、大森駅近くにあった《マミ会館》(模型)です。フラワーアーティスト「マミ川崎」のフラワーデザインスクールでしたが、老朽化の為2000年に解体されました。
岡本太郎 《 若い太陽の顔 》 1969年 繊維強化プラスティック(FRP) 川崎市岡本太郎美術館蔵
展示風景
立体的なFRP作品もたくさん展示されています。
岡本太郎 《 躍進 》 1972年 繊維強化プラスティック(FRP) 川崎市岡本太郎美術館蔵
岡本太郎は《犬の植木鉢》、《動物》、《顔》など、多くの花器や植木鉢を制作しています。《むすめ》です。なんだか、かわいいですね。
岡本太郎 《 むすめ 》 1967年 陶磁 川崎市岡本太郎美術館蔵
誰でも知っている岡本太郎の代表作《太陽の塔》です。塔の背面には「黒い太陽の顔」があります。
『そこで私は逆に時空を超えた、絶対感。馬鹿みたいに、ただどかんと突っ立った「太陽の塔」を作ったのだ。現代の惰性への激しい挑みの象徴として。 ・・・・・中略・・・・・ あれは孤独で、太陽に向かい、大地に向かって挑みつづけるだろう。 』 (「画文集 挑む」 講談社 1977年 より)
展示風景
数寄屋橋公園に建っている時計塔の原型です。
岡本太郎 《 若い時計台 》 1966年 アルミニウム 川崎市岡本太郎美術館蔵
展示風景
こちらも岡本太郎の代表作、《明日の神話》です。メキシコのホテル・デ・メヒコから依頼された壁画の原型です。壁画はメキシコで所在不明になっていましたが、2003年に発見され復元されました。
現在、渋谷駅の渋谷マークシティ連絡通路に展示されている、横30メートルの巨大壁画の下絵は4枚残されています。これは4枚目の下絵で、3分の1の大きさになっています。
岡本太郎 《明日の神話》 1968年 油彩、カンヴァス 川崎市岡本太郎美術館蔵
NHK番組「TAROMAN」の展示イベント「超凱旋!タローマン」も開催されていました。
会 期 : 7月8日(土)~8月31日(木) 会 場 : 1F 無料展示スペース
このコーナーは入場無料です。
特集番組「帰ってくれタローマン」がNHKで放送されます。
【総合】8月5日(土)午後11時~11時29分
【Eテレ】8月11日(金・祝)午後9時30分~9時59分
8月16日(水)午前0時25分~0時54分(15日(火)深夜)
NHKのサイトはこちら。
「凱旋!岡本太郎」開催概要
開催会場:川崎市岡本太郎美術館
開催期間:2023年7月8日(土)~10月1日(日)
休館日:月曜日 (9月18日を除く)、9月19日(火)
開館時間:9:30~17:00(入館16:30まで)
観覧料金:一般800円、高・大学生・65 歳以上600円、中学生以下は無料
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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