上野清水観音堂の「秋色桜」 ― 2022年04月07日 19時40分28秒
(2022年3月29日撮影)
清水観音堂の井戸端に植えられているヤエベニシダレには「秋色桜(しゅうしきざくら)」という名が付けられています。
春に咲くのに何故「秋色桜」?と思うかもしれませんが・・・・・
江戸時代に、当時日本橋に店を構えていた和菓子店の娘、まだ13歳の「お秋」が、花見の酔客でにぎわう井戸端の様子を見て、酔っ払いに桜が傷つけられてしまうのを憂えたのでしょうか、
「井戸はたの 桜あぶなし 酒の酔い」
と一句したためて桜の枝に吊して帰ったところ、当時の寛永寺住職であった輪王寺宮に大いに賞せられ、一躍江戸中の大評判になりました。
お秋は9歳から宝井其角に俳諧を学び、秋色女(しゅうしきじょ)および菊后亭秋色(きくごていしゅうしき) という俳号を名乗っていました。
お秋の俳号から、井戸端のこのヤエベニシダレには「秋色桜(しゅうしきざくら)」という名が付けられ、植え接がれながら今では9代目になるといわれています。
この句を基にしたお秋に関する美談は、今でも講談の「秋色桜」という演目で演じられています。
お秋を祖先とする元禄年間創業の老舗和菓子店「秋色庵 大坂家(しゅうしきあん おおさかや)」は今でも東京都港区三田に存在します。
「秋色庵 大坂家」公式サイトはこちら
「秋色庵 大坂家」による、「秋色」についてはこちら
「秋色庵 大坂家」による、「講談 《秋色桜》」についてはこちら
ヤエベニシダレ(八重紅枝垂 )は、エドヒガンから誕生した日本原産の栽培品種の桜です。
八重咲きで、花色がソメイヨシノやシダレザクラよりも濃いピンクの花が枝垂れます。
花期はソメイヨシノより遅く、シダレザクラやベニシダレと比べてもやや遅れて咲きます。
透明感のあるピンクの花色が重なって、きれいなグラデーションを作り出します。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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