「ゴッホと静物画 ― 伝統から革新へ」 SOMPO美術館 ― 2023年11月10日 15時32分14秒
ゴッホの「ひまわり」を所蔵する美術館、SOMPO美術館で「ゴッホと静物画 ― 伝統から革新へ」展が開催されています。
損保ジャパン本社ビルの右側にSOMPO美術館があります。
SOMPO美術館はゴッホの「ひまわり」を常設展示していることで知られ、入口前には「ひまわり」の陶板作品が展示されています。 この作品は大塚オーミ陶業(株)で2020年1月に制作されました。
「ゴッホと静物画 ― 伝統から革新へ」展のチラシです。見開きの外面です。
本展覧会は、17世紀オランダから20世紀初頭まで、ヨーロッパの静物画の流れの中にゴッホを位置づけ、ゴッホが先人達から何を学び、それをいかに自らの作品に反映させ、さらに次世代の画家たちにどのような影響をあたえたかを探ります。また、「ひまわり」に焦点をあてたコーナーを設け、ゴッホやその他の画家たちによる「ひまわり」を描いた作品を紹介しています。
展覧会は、
第1章 伝統 ― 17世紀から19世紀
第2章 花の静物画 ― 「ひまわり」をめぐって
第3章 革新 ― 19世紀から20世紀
の3つの章で構成されます。
ゴッホに影響を与えた、あるいはゴッホに影響を受けた芸術家、ドラクロワ、ラトゥール、ピサロ、ルノワール、マネ、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、シャガールなど国内外25か所からの出展作品69点が集結する中、25点がゴッホによる油彩画になります。
第1章 伝統 ― 17世紀から19世紀
ゴッホは、画力を高めるために《野菜と果物のある静物》、《コウモリ》、《鳥の巣》、《燻製ニシン》、《髑髏》など多彩なモチーフに挑んでいたことが分かります。
ゴッホの最初期の静物画です。形、色、質感など、鍛錬を目的とした習作とみられています。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《麦わら帽のある静物》 1881年11月下旬~ 12月中旬 油彩/キャンヴァスで裏打ちした紙 クレラー=ミュラー美術館、 オッテルロー
描かれているのは「オオコウモリ」のはく製です。ゴッホはこの頃、壺や瓶などの静物画を多く描いていたといいます。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《コウモリ》 1884年10月~11月 油彩/キャンヴァス ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム (フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
展示風景
手前は、ピエール=オーギュスト・ルノワール 《アネモネ》 1883~1890年頃 油彩/キャンヴァス ポーラ美術館
第2章 花の静物画 ― 「ひまわり」をめぐって
第2章では《ひまわり》を中心に、《アイリス》、《ばらとシャクヤク》などゴッホが描いた花の静物画や、マネやモネなど著名な画家が花を描いた作品を紹介しています。
展示風景
手前は、フィンセント・ファン・ゴッホ 《ひまわり》 1888年11月~12月 油彩/キャンヴァス SOMPO美術館
ゴッホは1886~87年のパリ滞在中に花の静物画を集中的に描いています。様々な色を自由に組み合わせることができる花を描くことで、色彩の研究を試みたとみられています。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《カーネーションをいけた花瓶》 1886年 油彩/キャンヴァス アムステルダム市立美術館
第3章 革新 ― 19世紀から20世紀
ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌら「ポスト印象派」と呼ばれた画家たちは、静物画でも新しく自由なスタイルを展開し、その姿勢は20世紀の画家に受け継がれていきます。
展示風景
ゴッホは靴を描いた静物画を少なくとも7点描いています。蚤の市で古靴を買ってそれを履いて歩き回り、泥だらけになった靴を忠実に写し描いたという話があります。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《靴》 1886年9月~11月 油彩/キャンヴァス ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム (フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
図録はA4変形サイズ、202ページで、詳しい解説とコラムが掲載されています。税込2,500円です。
「ゴッホと静物画 ― 伝統から革新へ」開催概要
開催会場:SOMPO美術館
開催期間:2023年10月17日(火)~2024年1月21日(日)
休館日:月曜日(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)
開館時間:10時~18時(ただし11月17日(金)と12月8日(金)は20時まで)
※最終入場は閉館30分前まで
観覧料金:一般 2000円(1800円) / 大学生 1300円(1100円)
※( )内は日時指定・事前購入料金
※高校生以下は無料 (日時指定予約推奨。ただし、未就学児は日時指定予約は不要)
※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳をご提示のご本人とその介助者1名は無料。被爆者健康手帳をご提示の方はご本人のみ無料。日時指定予約を推奨します。
※一般以外は要証明
詳細は展覧会公式サイトをご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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