ブルターニュの光と風 -画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉 ― 2023年04月15日 12時15分55秒
昨日アップした、国立西洋美術館で開催されている「憧憬の地 ブルターニュ ― モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷」とは別に、新宿のSOMPO美術館で「ブルターニュの光と風 -画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉」という、フランス・ブルターニュ地方をテーマにした美術展が開催されています。
SOMPO美術館は、2020年に西新宿にある損保ジャパン本社ビルの敷地内に別棟(写真右)を新築し、本社ビル42階から移転オープンしました。
SOMPO美術館は日本で唯一、ゴッホの《ひまわり》を所有しています。
豊かな自然と独自の文化を持つことで知られるフランス北西部の地、ブルターニュ。
本展は、ブルターニュに魅了された画家たちが描いた作品を通じ、同地の歴史や風景、風俗を幅広く紹介する展覧会です。
ブルターニュに関する作品を多数所蔵するカンペール美術館(フランス)の所蔵作品を中心に、45作家による約70点の油彩・版画・素描を通じて、フランス〈辺境の地〉ブルターニュの魅力を紹介しています。
深緑の海や険しい断崖が連なる海岸線、平原と深い森とが織りなす固有の景観、また、そこに暮らす人々の慎ましい生活と敬虔な信仰心は、19世紀初め以来、数多くの画家たちの関心を掻き立ててきました。
本展は、
第1章:ブルターニュの⾵景 − 豊饒な海と⼤地
第2章:ブルターニュに集う画家たち − 印象派からナビ派へ
第3章:新たな眼差し − 多様な表現の探求
と、3つの章で構成されています。
第1章:ブルターニュの⾵景 − 豊饒な海と⼤地
嵐に遭遇して転覆した船体にしがみつき、激しい波と格闘しながら海の犠牲となった我が子に、最後の口づけをする父親を描いています。ブルターニュの厳しい自然と人間との相克を描き出した作品です。
アルフレッド・ギユ 《さらば!》 1892年 油彩/カンヴァス 170×245 cm カンペール美術館蔵
ブルターニュ半島沿岸の島ベル=イルでの自然の猛威が荒々しくも美しく描かれています。
テオドール・ギュダン 《ベル=イル沿岸の暴風雨》 1851年 油彩/カンヴァス 131.5×202.5 cm カンペール美術館蔵
展示風景
素朴な信仰が根付くパンマールにあるサン=ゲノレの浜を背景に、ビグダン地方の伝統衣装をまとった聖母子が描かれています。
リュシアン・レヴィ=デュルメール 《パンマールの聖母》 1896年 油彩/カンヴァス 41×33 cm カンペール美術館蔵
展示風景
第2章:ブルターニュに集う画家たち − 印象派からナビ派へ
1886年にブルターニュのベル=イルで活動をしたクロード・モネが、画業の最初期に生地に近いルエルで描いた作品です。
クロード・モネ 《ルエルの眺め》 1858年 油彩/カンヴァス 46×65cm 丸沼芸術の森(埼⽟県⽴近代美術館に寄託)
スレート葺きの家や起伏のある草地で牛が草を食む、ブルターニュらしい眺めが描かれています。
アンリ・モレ 《ポン=タヴァンの⾵景》 1888-89年 油彩/カンヴァス 39.5×59.5cm カンペール美術館蔵
右側にはブルターニュの伝統衣装姿の二人の子供、左側には靴を履こうと身をかがめる人物が描かれています。ゴーギャンは1886年から1890年にかけて断続的にポン=タヴァンを訪れました。
ポール・ゴーギャン 《ブルターニュの⼦供》 1889年 ⽔彩・パステル/紙 26.3×38.2cm 福島県⽴美術館蔵
第3章:新たな眼差し − 多様な表現の探求
リュシアン・シモンは、ビグダン地方を主な着想源とし、同地の過酷な労働という主題に集中的に取り組みました。決して肥沃とはいえない土地で、人々がジャガイモを掘り、袋に詰め、運搬するという収穫の諸段階が一つの画面に描かれています。
リュシアン・シモン 《じゃがいもの収穫》 1907年 油彩/カンヴァス 102×137 cm カンペール美術館蔵
ブルターニュの伝統衣装を着て佇む女性を描いていて、「トレイスム(格子状技法)」と自身が名付けた独創的な技法を用いています。明瞭な輪郭線で囲った色面に細く規則的な線を刻むことで、形態のボリュームと微妙な色調を創り出そうとしています。
ピエール・ド・ブレ 《ブルターニュの女性》 1940年 油彩/カンヴァス 73×63 cm カンペール美術館蔵 (下は部分)
カンペールで生まれた画家マックス・ジャコブは、故郷カンペールとパリを往復しながら制作を続けました。本作では、コワフ(頭巾)を被る二人の女性が、ドゥアルヌネ近郊の港町を背にポーズをとる姿を描いています。
マックス・ジャコブ 《ふたりのブルターニュの⼥性》 1930年頃 グワッシュ/紙 32×30cm カンペール美術館蔵
フェルディナン・ロワイアン・デュ・ピュイゴドーは、1886年にポン=ダヴァンを訪れ、ゴーギャンらと親交を深めました。1890年から3年間ポン=ダヴァンに住んでいます。
フェルディナン・ロワイアン・デュ・ピュイゴドー 《藁ぶき屋根の家のある風景》 1921年 油彩/カンヴァス 81.5×60.5 cm カンペール美術館蔵
公式図録はB5変形判、171ページで、税込2,500円です。
開催会場:SOMPO美術館(東京都新宿区)
開催期間:2023年3月25日(土)~2023年6月11日(日)
休館日:月曜日
開館時間:午前 10 時~午後 6 時(最終入館は午後 5 時 30 分まで)
観覧料金:一般 1,600(1,500)円、大学生 1,100(1,000)円、高校生以下無料
※ ( )内は事前購入料金=期間中当日でも最終日12:00迄購入できます。(日時指定なし)
※ 身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を提示のご本人とその介助者 1 名は無料、 被爆者健康手帳を提示の方はご本人のみ無料
本展は、福島県・福島県立美術館、静岡県・静岡市美術館、愛知県・豊橋市美術博物館へ巡回します。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
コモドーレ(Kommodore) バラ ― 2023年04月15日 14時40分19秒
コモドーレ(Kommodore)
作出年:1959年 作出国:ドイツ(タンタウ Mathias Tantau, Jr. ) 系統:クライミング・フロリバンダ [ Cl F:Climbing Floribunda ]
半八重咲きの中輪花が房咲きになる、ベルベットのような光沢のある真紅の花弁が美しい薔薇です。
コモドーレ(Kommodore)は、ドイツ語で海軍の階級又は職制上の地位の一つで、日本語では代将(だいしょう)といいます。英語ではCommodore と綴ります。
昔、OPEL COMMODORE(オペル コモドーレ)という、ドイツのオペルが発売した車がありましたが、この車は1967年からの販売なので、花名の由来には関係ありません。
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