世界最大級の巡視船「PLH32 あきつしま」 ― 2019年05月30日 10時55分19秒
海上保安庁のヘリコプター2機搭載型巡視船「PLH32 あきつしま」が横浜港に停泊していました。
海上保安庁の船舶の区分については「海上保安庁の船舶の番号及び標識」という告示で定義されていて、「主として法令の海上における励行、海難救助、海洋の汚染及び海上災害の防止、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕その他海上の安全の確保に関する事務に従事するもの」が『巡視船』、「主として、基地周辺海域における上記(巡視船)の事務に従事するもの」が『巡視艇』と規定されています。
簡単に解釈すれば、比較的大型で航洋性も持つ船舶を「巡視船」、基地周辺海域のみで活動する小型の船舶を「巡視艇」というようです。
海上保安庁に所属する船艇の内、巡視船、巡視艇には以下のような区分があります。
ヘリコプター2機搭載型巡視船 PLH (Patrol Vessel Large With 2 Helicopter)
ヘリコプター1機搭載型巡視船 PLH (Patrol Vessel Large With 1 Helicopter)
大型巡視船 PL (Patrol Vessel Large)
中型巡視船 PM (Patrol Vessel Medium)
小型巡視船 PS (Patrol Vessel Small)
高速特殊警備船 PS (Hight Speed Special Patrol Vessel)
巡視艇(大型) PC (Patrol Craft)
汎用巡視艇(小型) CL (Craft Large)
高速巡視艇 CL (Craft Large)
PLH(Patrol Vessel Large with Helicopter)は、ヘリコプターを搭載する大型巡視船の形式を表します。
海上保安庁が誇る世界最大級の巡視船「PLH32 あきつしま」が接岸しているのは、横浜の観光名所みなとみらい21地区にある、横浜海上防災基地です。
「あきつしま」の船名は1892年(明治25年)に進水した日本海軍の防護巡洋艦「秋津洲(あきつしま)」の名を引き継いでいます(3代目)。
(3代目)と書くと、2代目は何?と気になるかもしれません。2代目は1941年(昭和16年)に進水した、大日本帝国海軍の水上機母艦(航空母艦)であります。
あきつしまは漢字では秋津島又は秋津洲と書き、『古事記』では「大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま)」、『日本書紀』(720年完成)では「大日本豊秋津洲(おおやまととよあきつしま)」と表記される、「日本の本州の古代の呼称」です。また、転じて日本の異名の1つにもなっています。
2015年4月に当時の天皇・皇后両陛下がパラオを訪問した際に、両陛下が船内に宿泊されたことで話題になりました。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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