ホテル雅叙園東京(旧目黒雅叙園)が突然休館? ― 2025年02月19日 15時05分05秒
「ホテル雅叙園東京(旧目黒雅叙園)」が、18日付けで突然10月1日からの休館を発表し、約180組の結婚式挙式予定者が困惑しているというニュースが流れています。
「ホテル雅叙園東京」は、2017年に「目黒雅叙園」から改称されました。
「目黒雅叙園」は、1929年(昭和3年)に開業した純日本式の料亭「芝浦雅叙園」が基となり、1931年(昭和6年)に目黒に「目黒雅叙園」と名付けた料亭を開業しました。
今では当たり前となっていますが、着付けから写真撮影、挙式、披露宴、宿泊まで一ヶ所でできる、日本国内最初の総合結婚式場だったといわれています。
豪華絢爛な装飾を施された園内の様子は「昭和の竜宮城」とも呼ばれ、ケヤキの板材で作られた園内唯一の木造建築「百段階段」とその階段沿いに作られた7つの座敷棟宴会場には、装飾画を描いた美術家の名が主に付けられています。
「十畝(じっぽ)の間」、「漁樵(ぎょしょう)の間」、「草丘(そうきゅう)の間」、「静水(せいすい)の間」、「星光(せいこう)の間」、「清方(きよかた)の間」、「頂上(ちょうじょう)の間」と7つの部屋があり、樹齢百年の床柱や天井、壁面、ガラス窓にいたるまで贅を凝らし、昭和初期における芸術家達の求めた美と、大工の高度な伝統技術が融合した素晴らしい室内装飾となっています。
「漁礁の間(ぎょしょうのま)」です。
この部屋の名称は、床柱に彫られた中国の画題「漁礁問答」に由来しています。
「清方(きよかた)の間」です。
この部屋は、近代日本画の巨匠「鏑木清方(かぶらき きよかた)が手掛けた部屋です。
庭園には滝が流れ、池には橋があり、足元を鯉が泳ぎます。
トイレは俗に「一億円トイレ」といわれ、トイレの中には小川が流れて朱色の橋がかけられ、天井には絢爛な美人画等が描かれています。
トイレ個室天井の美人画です。座っていてもちょっと落ち着かないです。
今年(2025年)1月に、カナダの資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメントが雅叙園の土地や建物の一部を取得し、2月にブルックフィールド側の意向で建物の改装に着手するとして、10月から翌2026年3月までの間、一時休館すると発表されています。
雅叙園側としては運営を行っているものの、建物は借用なので、2025年9月30日をもって建物所有者との定期建物賃貸借契約が満了となり、にっちもさっちもいかない状態になっているようです。
日本の歴史ある建造物や施設が、海外投資ファンドによって次々に買い漁られ、利益追求の方向に動かされていくのは、忍びないですね。
写真は全て2020年7月に撮影したものです。
当時のブログ「ホテル雅叙園東京(目黒雅叙園)」はこちら。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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