東京国立博物館 特別展「古代メキシコ」 ― 2023年07月08日 18時41分41秒
東京国立博物館で開催されている、特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」に行ってきました。
上野公園には、東京国立博物館をはじめ、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京藝術大学美術館、東京都美術館、上野の森美術館など、数多くの美術館・博物館・文化施設があります。
東京国立博物館入口です。 右下の写真は平成館の入口です。
メキシコには35もの世界遺産があり、なかでも高い人気を誇るのが、古代都市の遺跡群です。
メキシコは日本の約5倍の面積があり、西の涼しく乾燥した中央高原ではテオティワカン文明とアステカ文明が、東の暖かく雨の多いマヤ低地ではマヤ文明が栄えました。
今から2千年くらい前の事です。
本展は、そのうち「マヤ」「テオティワカン」「アステカ」という代表的な3つの文明に焦点をあて、メキシコ国内の主要博物館から厳選した古代メキシコの至宝の数々を、近年の発掘調査の成果を交えて紹介するものです。
第1章 古代メキシコへのいざない
第2章 テオティワカン 神々の都
第3章 マヤ 都市国家の興亡
第4章 アステカ テノチティトランの大神殿
と、展覧会は4章で構成され、展示方法も現地に行ったかのように工夫されているので、知識のない私でも面白く観ることができました。 怖いけれどちょっと面白い、クスッと思わず笑ってしまうような出土品がたくさん並んでいます。
装飾ドクロ アステカ文明 1469-81年 テンプロ・マヨール 埋納石室11出土 骨材、貝、黄鉄鉱、コーパル テンプロ・マヨール博物館蔵
球技をする人の土偶 マヤ文明 600~950年 ハイナ出土 彩色、土製 メキシコ国立人類学博物館蔵
舌を出す頭蓋骨の鼻には穴が開き、ナイフを差したとみられています。日没は死、日の出は再生を意味すると考えられていました。
死のディスク石彫 テオティワカン文明 300~500年 テオティワカン、太陽のピラミッド、 太陽の広場出土 赤い彩色痕、安山岩 メキシコ国立人類学博物館蔵
首飾り テオティワカン文明 200~250年 テオティワカン、月のピラミッド、埋葬墓2出土 貝 テオティワカン考古学ゾーン蔵
展示風景
貝などの華美な装飾を身につけた鳥の容器です。胴体は空洞で、壺のようになっています。
鳥形土器 テオティワカン文明 250~550年 テオティワカン、ラ・ベンティージャ出土 土器 、貝、緑色岩 メキシコ国立人類学博物館蔵
猿の神を表しています。首には猿の好物であるカカオの実の装飾が見られます。 出川哲郎に似ているような・・・「やばいよ やばいよ」
猿の神とカカオの土器蓋 マヤ文明 600~950年 トニナ出土 彩色、土器 トニナ遺跡博物館蔵
展示風景
球技の場面を描いた石彫です。中央のボールの上に書かれたマヤ文字は西暦727年を表しています。
トニナ石彫171 マヤ文明 727年頃 トニナ、アクロポリス、水の宮殿出土 砂岩 メキシコ国立人類学博物館蔵
マヤの代表的な都市国家パレンケの黄金時代を築いたパカル王の妃とされるのが、赤い辰砂(しんしゃ)に覆われて見つかった通称「赤の女王」(スペイン語で「レイナ・ロハ」)です。
赤の女王のマスク マヤ文明 7世紀後半 パレンケ、13号神殿出土 他 頭飾り、冠、首飾り、胸飾り、ベルト飾り、腕飾り、足首飾り、小マスク、貝、小像、針 ルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館蔵
展示風景
腹の上が皿状になった石像です。供物や、時には生贄の心臓が捧げられることもあったとみられています。
チャクモール像 マヤ文明 900~1100年 チチェン・イツァ、ツォンパントリ出土 石灰岩 ユカタン地方人類学博物館 カントン宮殿蔵
掘り起こしたテオティワカンの仮面に、メシーカ人が目や歯、耳飾りなどの装飾を施し、それらを魔術的な力を持つ聖なるものとして大神殿に奉納していました。
マスク テオティワカン文明 200~550年 テンプロ・マヨール埋納石室82出土 貝、蛇紋岩、黒曜石 テンプロ・マヨール博物館蔵
耳飾り アステカ文明 1469~81年 テンプロ・マヨール埋納石室82出土 緑色岩 テンプロ・マヨール博物館蔵
等身大とみられる戦士の像です。鷲の頭飾りを被り、羽毛や鉤爪の装束を身に着けます。
鷲の戦士像 アステカ文明 1469~86年 テンプロ・マヨール鷲の家出土 土製 テンプロ・マヨール博物館蔵
トラロクは雨の神です。太陽神ウィツィロポチトリと共に大神殿に祀られ、多くの祈りや供物、生贄が捧げられたといいます。
トラロク神の壺 アステカ文明 1440~69年 テンプロ・マイヨール56埋納石室出土 彩色、土器 テンプロ・マヨール博物館蔵
プルケはリュウゼツランを発酵させて作るメキシコの伝統的な醸造酒です。アステカの儀礼で重宝されました。 プルケ神パテカトルは、その発酵を促す植物オクパトリを発見した神とされます。
プルケ神パテカトル像 アステカ文明 1469~81年 テンプロ・マヨール6埋納石室出土 玄武岩 テンプロ・マヨール博物館蔵
公式図録はA4変型 216ページで、税込2,800円です。
糸かがり綴じの背を糊で固めるコデックス装を採用しているので本の開きがとても良く、開いたページが平らになります。
表紙カバーのデザインは《赤の女王》、《鷲の戦士像》、《死のディスク彫刻》の3種類があり、選べます。内容は同じです。
開催会場:東京国立博物館 平成館
開催期間:6月16日(金)~9月3日(日)
休館日:月曜日、7月18日(火) ※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館
開館時間:9時30分~17時00分
※土曜日は19時00分まで開館、6月30日(金)~7月2日(日)、7月7日(金)~9日(日)は20時00分まで開館
※いずれも総合文化展は17時00分閉館
※入館は各閉館時間の30分前まで
観覧料金:一般 2,200円 大学生 1,400円 高校生 1,000円
※中学生以下、障がい者とその介護者1名は無料(要証明)
※特別展観覧料で、当日に限り総合文化展も観覧できます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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