STARS展;村上 隆 ― 2020年09月02日 10時31分10秒
六本木ヒルズ・森タワー53階にある森美術館で開催されている 「STARS展:現代美術のスターたち ― 日本から世界へ」 は、村上隆、李禹煥、草間彌生、宮島達男、奈良美智、杉本博司という、国際的に高い評価を得ている6人の現代アーティストのスター達の活動の軌跡を、初期作品と最新作をつなぐかたちで紹介する展覧会になっています。
昨日アップした、会場内展示風景はこちら。
今日は「村上 隆」の主な作品を観てみます。紹介する作品は展示作品の一部です。
村上 隆(むらかみ たかし)1962年(昭和37年)2月1日~ は、現代美術家、ポップアーティスト、映画監督です。東京藝術大学大学院研究科卒で、学位は博士です。
村上隆は、日本のバブル経済期に花開いたオタク文化に、江戸時代から脈々と流れる日本独自の感性を見出しました。その感性をもとにした「スーパーフラット」という理論を提唱し、マンガとアニメを起点とするキャラクター絵画やフィギュア彫刻を多く発表しています。
会場に入るとすぐに私たちを迎えてくれるのは《Ko² ちゃん》です。
2次元のキャラクターを3次元化した《Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》(1997年)、《ヒロポン》(1997年)と《マイ・ロンサム・カウボーイ》(1998年)では、日本の大衆文化に潜む欲望を誇張して表現することで、その美意識を批評的に解釈することを試みています。
《 Ko²ちゃん(プロジェクトKo²)》 1997年 油性塗料、アクリル塗料、グラスファイバー、鉄
181×61×102.5cm
《マイ・ロンサム・カウボーイ》 1998年 アクリル絵具、グラスファイバー、鉄
264.7×131×119cm
《ヒロポン》 1997年 アクリル絵具、グラスファイバー、鉄
264.7×114.5×104.3cm
二人の人間がぴったりのタイミングで行動を起こすことを「阿吽(あうん)の呼吸」といいます。 「あ」は口を開いて出す音、「うん」は口を閉じながら出す音です。 これが「息を吐く」、「息を吸う」という呼吸をイメージさせ、「息をそろえての行為」を意味するようになりました。
この「阿吽」はもともとサンスクリット語が起源です。 サンスクリット語で最初の音が「あ」、最後の音が「うん(ん)」とされることから、さまざまな物事の初めと終わりを示しています。日本語の50音も「あ」で始まり「ん」で終わりますね。
仏教の世界では「阿吽(あうん)」がよく用いられます。
2011年に起きた東日本大震災への呼応として制作された巨大な彫刻作品 「《阿像》、《吽像》」(2014年)の存在感には圧倒されます。
《阿像》 2014年 アクリル絵具、FRP、鉄、欅(ケヤキ)
430×262.4×253cm
《吽像》 2014年 アクリル絵具、FRP、鉄、欅(ケヤキ)
432.8×254.8×253cm
以下は、2020年の最新作です。
本展のために新しく制作された巨大絵画《チェリーブロッサム フジヤマ JAPAN》は、幅21メートル以上ある大作です。観光名物としての絵画をアイロニカルに(皮肉っぽく)描き出した野心作です。
ここにも「カワイイ」文化が息づいています。
《チェリーブロッサム フジヤマ JAPAN》 2020年 アクリル絵具、プラチナ箔、金箔、キャンバス、アルミフレーム
500×2125cm
《ポップアップフラワー》 2020年 アクリル絵具、キャンバス、アルミフレーム
500×1750cm
《2020 十三代目市川團十郎白猿 襲名十八番》 2020年 アクリル絵具、キャンバス、アルミフレーム
102.8×480×5.8cm
六本木ヒルズ内の会場で開催された過去の展覧会もご覧ください。
村上隆のOHANA-OHANA-OHANA 2016年1月~2月
THE ドラえもん展 TOKYO 2017 2017年11月~2018年1月
開催期間:2020年7月31日(金)~ 2021年1月3日(日) 会期中無休
開館時間:10:00~22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし9月22日(火・祝)、11月3日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
観覧料金: 一般 2,000円 学生(高校・大学生)1,300円 子供(4歳~中学生)700円 シニア(65歳以上)1,700円
※音声ガイド付きチケットはそれぞれ500円高
※チケットは事前予約制です。専用オンラインサイトで日時指定券を購入してください。
※17:00以降は、事前予約なしでも入館できます。
※当日空きがある場合は、チケットカウンターで当日券を販売します。
状況により変更もありますので、公式サイトにて確認して下さい。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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