「ピカソとミロの版画」アーティゾン美術館 ― 2022年06月02日 17時36分14秒
東京・京橋のアーティゾン美術館で開催されている「コレクション選」展の中の特集コーナー展示として、「ピカソとミロの版画 —教育普及企画—」が開催されています。
このコーナーでは、ピカソとミロの版画作品だけでも約30点を展示し、その技法について使用する道具の展示と共に解説しています。
「エッチング」と「木版画」は学校で習って実際に作品を作った記憶がありますが、「カーボランダム」、「エングレーヴィング」、「ドライポイント」、「アクアチント」、「リトグラフ」、「シルクスクリーン」となると、チンプンカンプンです。
本展では、ピカソとミロの版画作品を例に、道具や材料を展示してその技法を分かりやすく説明してくれています。
タイトルが「ピカソとミロの版画 —教育普及企画—」で、小中学生にも理解できて、大人でも勉強になる展示になっています。
『エッチング』
パブロ・ピカソ 《四人の子どもに見られる羽のはえた牛(『ヴォラールのための連作』より)》
1934年 エッチング 23.8×30.0cm
エッチングで、赤と黒の2色刷りです。
じっくり見ると、同じ銅版を使って赤と黒で逆さまにして刷っていることが分かります。
ジョアン・ミロ 《「黒と赤」シリーズより》 1938年 エッチング 25.7×16.7cm
『エッチング』、『アクアチント』、『カーボランダム』
ジョアン・ミロ 《岩壁の軌跡 VI 》 1967年 エッチング、アクアチント、カーボランダム 58.8×92.8cm
『エッチング』、『エングレーヴィング』
パブロ・ピカソ 《四人の裸婦と頭部像(『ヴォラールのための連作』より)》 1934年 エッチング、エングレーヴィング 22.3×31.5cm
『ドライポイント』
パブロ・ピカソ 《サーカス(『ヴォラールのための連作』より)》 1933年 ドライポイント 19.8×27.9cm
『アクアチント』
ジョアン・ミロ 《 犬 IV 》 1978-79年 アクアチント 73.4×115.7cm
『リトグラフ』
ジョアン・ミロ 《記号と流星》 1958年 リトグラフ 43.0×48.5cm
『シルクスクリーン』
「シルクスクリーン」は他の画家でも多くの作品で使われているので、なんとなく分かります。
小中学生の頃の「ガリ版刷り」を思い出してもらえれば、同じ孔版印刷なので、「当たらずといえども遠からず」でしょう。
昔はガリ版で「学級新聞」とか作りましたが、今の子供たちはたとえ手書きでもパソコンに取り込んでプリントアウトでしょうね。わら半紙って、今でも売っているんですね。
って、話がそれちゃいました。
パブロ・ピカソ 《コンポジション》 シルクスクリーン 21.0×26.5cm
展示風景
ミロの作品で、『エッチング』、『ドライポイント』、『アクアチント』、『カーボランダム』という複数の技法を使ったものです。
右端の星(*)がエッチング、細いくねくねの線がドライポイント、滲(にじ)んだグレーや水色の部分と黄・緑・ピンクの滲んだ丸がアクアチント、濃い黒、赤、緑の3重丸と濃い黒の楕円のようなものがカーボランダムです。
ジョアン・ミロ 《迷宮の星》 1967年 エッチング、ドライポイント、アクアチント、カーボランダム 103.4×70.4cm
技法を分かりやすく解説した、A5サイズ・オールカラー14ページの小冊子が貰えます。(これが勉強になります)
上の写真は、表紙を見開いたもの(裏・表)です。
小冊子の内容は著作権にふれるので、残念ですが写真でアップできません。
「ピカソとミロの版画 —教育普及企画—」開催概要
開催会場:アーティゾン美術館 4階展示室 特集コーナー
開催期間:2022年4月29日 (金・祝) 〜7月10日 (日)
休館日:月曜日
開館時間:10:00 ー 18:00(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
入館料:一般 WEB予約 1,200円、当日 1,500円 (この料金で同時開催の展覧会も観覧できます)
※大学・専門学校・高校生無料 (要WEB予約)、中学生以下無料 (予約不要)
※障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料 (要予約)
チケット詳細は公式サイトへ(こちら)
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6月19日まで、東京・汐留のパナソニック汐留美術館で、「イスラエル博物館所蔵 ピカソ― ひらめきの原点 ―」という美術展が開催されています。
この展覧会でもピカソの版画作品がたくさん展示されています。この展覧会に行く前にアーティゾン美術館で勉強しておくと、より深く作品を楽しむことができます。
パナソニック汐留美術館「イスラエル博物館所蔵 ピカソ― ひらめきの原点 ―」については次回に。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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